★ドロッチェ→メタナイトの場合★

｢メティ、オレの事好き？｣

｢大っ嫌いだ！
あとそのふざけた呼び名は止めろ！｣


真っ向から猛然と否定するメタナイトに、ドロッチェは苦笑しながら肩を竦めた。

一応恋仲であるはずだが、メタナイトはなかなかに手厳しい。
経験豊富なドロッチェは、そんなことあまり気にしていないようだが。


｢だってメタナイトって長いし、メタって呼ぶと怒るし。
そして大嫌いて酷いな｣

｢大嫌いではない、大っ嫌いだ！
こっち来るな！｣

｢促音まで入れるか……なーんでそこまで否定するんだよ？｣

｢っ……それは……｣


口ごもり、少し俯く。
仮面の隙間からわずかに覗く肌は、心なしか少し紅潮しているように見える。


｢貴様がいると……私の調子が狂う……｣


蚊の鳴くような声で呟くと、そのまま走り去ろうとした。
しかしドロッチェがそれを許すはずもなく。
素早く後ろから抱き寄せ、腕の中に収めてしまった。
ドロッチェの方が幾分身長が高いため、包み込むような体勢になる。


｢は、離せ……！｣

｢なあメタナイト……そのまま狂って、オレに溺れればいいと思うぜ？｣


わざとらしく耳元で囁けば、メタナイトの身体がビクンと震えた。
可愛らしい反応に笑みを深め、手を腰にするりと回す。


｢一緒に狂えば、何も怖くないだろう？｣


そう言いながら素早くメタナイトの仮面を奪ってしまう。
ガシャン、と重たい音を立てて地面に堕ちて行った。
顔を隠そうにも腕はしっかり掴まれてしまい、動かすことができない。


｢……み、見るな……っ｣

｢そんな顔しながら言われてもな……誘ってるようにしか見えないな｣


メタナイトの顔を自分の方に向け、あらわになった素顔を覗き込むドロッチェ。
対抗するようにその金の瞳をキッと睨みつけるが、潤んだ瞳で反抗してもだた煽るだけで。


｢き、貴様なんか……大嫌いだ……｣

｢はいはい、わかったわかった。
少し黙ろう、な｣


半ば唇を強引に塞いでしまえばもう勝負はついたようなものだ。
そう確信しながら、ドロッチェは舌先で彼の唇をなぞった。


END