Kiss Me…
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「ドロッチェって意外とキス魔だよね」
そう言われて俺は思わず首を捻ってしまった。
今まで数々の女性と付き合ってきたが、そんなことを言われたのは初めてだ。
「そう……か?」
曖昧な返事しかできないオレに、カービィは大きく頷く。
ピンク色の髪が、それに合わせてサラサラと踊っていた。
「……嫌なら控えるぞ?」
「嫌じゃないよ!
むしろ……嬉しいし」
カービィは頬を染めながらオレから少しだけ視線を逸らす。
嫌じゃないってことくらいわかっているのに、この表情が見たいがために意地悪なことを言ってしまう自分は我ながら性格が悪い。
ちょいちょいと手招きをすると素直に寄ってきた彼女の腰を抱きよせて、腕の中に収めた。
こうなることくらいもうわかっているだろうに、少しだけ不満そうにオレを見上げる彼女も非常に愛らしい。
なかなかオレも末期だ。
「……あとハグ魔だよね」
そう言いながらカービィはオレの胸元に顔を埋めた。
彼女の旋毛を見つめながら、自身の行動を振り返ってみる。
「ああ、たしかに」
……考えてみるとたしかにそうかもしれない。
明らかに過去の恋愛よりもキスの回数が多い。
本能の赴くままに行動しているから、あまり自覚は無かったが……。
特にしようと思ってしているわけではなく、したいからいつの間にかしているという一見危ない自分自身に苦笑が漏れる。
どうやらキス魔ハグ魔というよりは、オレはカービィに触れていたいみたいだ。
「カービィ」
顔を上げた彼女の唇を素早く塞ぐ。
柔らかで溶けてしまいそうなその感触を味わってからゆっくりと離せば、深い海を思わせる青い瞳が切なそうにオレを見上げた。
「もっと……」
甘い声でそんなふうに乞われれば応えるしか選択肢が存在しない。
しかし欲望の口付けではなく、あえて軽い触れるだけのそれを繰り返す。
それでも満足したのか、カービィは再びオレの胸元に頬を埋めた。
自分で求めてきたくせにどうやら恥ずかしくなったらしい。
可愛いな、と自然と笑みがこぼれていた。
「キスって不思議だよな……」
ふと言葉に出してから改めてそう思った。
唇を重ねる、ただそれだけの行為に、なぜこんなにも愛情を感じるのだろう。
どうしてこんなにも幸せな気持ちになるのだろう。
どうしてこんなにも満たされた気持ちになれるのだろう。
ただ本能のままに欲望を満たすのとは違う、もっと温かくて甘い気持ちだ。
今までに幾人もの女を抱いてきたが、口付けだけでこんな気持ちになれるなんて知らなかった。
そのくせもっとキスしたいとか、もっと触れたいとか、欲望は尽きることがないから不思議だ。
満たされているのか飢えているのかわからなくなる。
カービィは顔を上げて、ジッとオレを見つめた。
「うん、とっても不思議。
ボク、ドロッチェとちゅーすると幸せな気持ちになるんだぁ……」
蕩けそうな笑顔で言われて、不覚にも顔が熱くなる。
同じ気持ちでいてくれるのが嬉しかった。
腕の中の存在が愛おしくて堪らなくて、抱き締める腕に少しだけ力がこもった。
「オレもだよ」
やっぱり満たされているんだろうな、と思う。
それでもどうしたってオレはカービィを求めてしまうんだ。
触れるたびにもっともっと欲しくなって、どんどん自分が貪欲になって。
それでもいい、とさえ思ってしまう。
「カービィ」
「なーに?」
「オレって自分でも呆れるくらいキミが好きみたいだ」
カービィが驚いたように目を見開く。
何かの言葉を紡ぐ前に、その唇を再び塞いだ。
Kiss me…
(これが本当の愛なのだろうか)
NEXT
→あとがき
そう言われて俺は思わず首を捻ってしまった。
今まで数々の女性と付き合ってきたが、そんなことを言われたのは初めてだ。
「そう……か?」
曖昧な返事しかできないオレに、カービィは大きく頷く。
ピンク色の髪が、それに合わせてサラサラと踊っていた。
「……嫌なら控えるぞ?」
「嫌じゃないよ!
むしろ……嬉しいし」
カービィは頬を染めながらオレから少しだけ視線を逸らす。
嫌じゃないってことくらいわかっているのに、この表情が見たいがために意地悪なことを言ってしまう自分は我ながら性格が悪い。
ちょいちょいと手招きをすると素直に寄ってきた彼女の腰を抱きよせて、腕の中に収めた。
こうなることくらいもうわかっているだろうに、少しだけ不満そうにオレを見上げる彼女も非常に愛らしい。
なかなかオレも末期だ。
「……あとハグ魔だよね」
そう言いながらカービィはオレの胸元に顔を埋めた。
彼女の旋毛を見つめながら、自身の行動を振り返ってみる。
「ああ、たしかに」
……考えてみるとたしかにそうかもしれない。
明らかに過去の恋愛よりもキスの回数が多い。
本能の赴くままに行動しているから、あまり自覚は無かったが……。
特にしようと思ってしているわけではなく、したいからいつの間にかしているという一見危ない自分自身に苦笑が漏れる。
どうやらキス魔ハグ魔というよりは、オレはカービィに触れていたいみたいだ。
「カービィ」
顔を上げた彼女の唇を素早く塞ぐ。
柔らかで溶けてしまいそうなその感触を味わってからゆっくりと離せば、深い海を思わせる青い瞳が切なそうにオレを見上げた。
「もっと……」
甘い声でそんなふうに乞われれば応えるしか選択肢が存在しない。
しかし欲望の口付けではなく、あえて軽い触れるだけのそれを繰り返す。
それでも満足したのか、カービィは再びオレの胸元に頬を埋めた。
自分で求めてきたくせにどうやら恥ずかしくなったらしい。
可愛いな、と自然と笑みがこぼれていた。
「キスって不思議だよな……」
ふと言葉に出してから改めてそう思った。
唇を重ねる、ただそれだけの行為に、なぜこんなにも愛情を感じるのだろう。
どうしてこんなにも幸せな気持ちになるのだろう。
どうしてこんなにも満たされた気持ちになれるのだろう。
ただ本能のままに欲望を満たすのとは違う、もっと温かくて甘い気持ちだ。
今までに幾人もの女を抱いてきたが、口付けだけでこんな気持ちになれるなんて知らなかった。
そのくせもっとキスしたいとか、もっと触れたいとか、欲望は尽きることがないから不思議だ。
満たされているのか飢えているのかわからなくなる。
カービィは顔を上げて、ジッとオレを見つめた。
「うん、とっても不思議。
ボク、ドロッチェとちゅーすると幸せな気持ちになるんだぁ……」
蕩けそうな笑顔で言われて、不覚にも顔が熱くなる。
同じ気持ちでいてくれるのが嬉しかった。
腕の中の存在が愛おしくて堪らなくて、抱き締める腕に少しだけ力がこもった。
「オレもだよ」
やっぱり満たされているんだろうな、と思う。
それでもどうしたってオレはカービィを求めてしまうんだ。
触れるたびにもっともっと欲しくなって、どんどん自分が貪欲になって。
それでもいい、とさえ思ってしまう。
「カービィ」
「なーに?」
「オレって自分でも呆れるくらいキミが好きみたいだ」
カービィが驚いたように目を見開く。
何かの言葉を紡ぐ前に、その唇を再び塞いだ。
Kiss me…
(これが本当の愛なのだろうか)
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