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カービィとブレイドは魔獣討伐の旅をしていた。
随分と珍しい組み合わせではあるが、元々二人は仲がいいので旅は順調だった。
……ある時だけを除いては。
「あ、トマト!」
カービィが赤く熟れたトマトを見つけると、ブレイドはピキンと固まってしまった。
カービィはそんなことを気にも留めず、トマトを拾うと美味しそうにかぶりついた。
「はい、食べて」
「は、はい」
カービィはトマトをくわえ、ブレイドに差し出した。
彼女はひどくぎこちなく受け取り、咀嚼する。
その様子にカービィは苦笑しつつも、同時に微笑ましさを感じずにはいられなかった。
「……ブレイドは口移し嫌?」
「嫌というわけではありませんが、なんだか恥ずかしくて……」
愛らしい顔で問われ、ブレイドは何となく気まずくなって顔を背けてしまった。
いくら女同士でも、こういうことは照れてしまうのである。
始めのうちは緊張しすぎて、上手く受け取ることができなかった。
何度も地面に落としてしまっては、カービィと食材に申し訳ないと自分の不甲斐なさを噛み締めたものだった。
今はなんとかスムーズに出来てはいるが、油断したら恥ずかしさに耐えられなくなってしまいそうだった。
「へぇ……ソードとはしないの?」
思わぬカービィの問いに、ブレイドは吹きだしてしまった。
しかもそのあと、盛大に噎せてしまう。
この反応にはさすがのカービィも驚きを隠せなかった。
「し、しませっ、ゴホゴホッ、んよっ、ゴホゴホゴホゴホッ」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫でっ、ゴホゴホッ」
「あーあ、絶対今ので体力ちょっと減ったよ……せっかく回復したのにね?」
カービィはブレイドの背中を叩きながら、半分くらい残ったトマトをかじった。
「はい、もう一口」
トマトの欠片をくわえてブレイドの方を向く。
もう一度食え、ということだ。
呼吸を何とか整えたブレイドは身構えつつも、カービィからトマトを受け取りそれを咀嚼する。
今回もなんとか落とさないでイケた、と安堵しながらそれをこくりと飲み込んだ。
次の瞬間、カービィがブレイドに口づけた。
マシュマロを思わせるその柔らかな感触が何か、にわかには理解できなかい。
ようやく理解できたのは唇が離れた後だった。
「カ、カービィ……殿?」
「……いい反応だね」
呆然としていると、そばの木に追い詰められてしまう。
状況を理解できないまま再びカービィの顔が近付いてきて、ブレイドは慌ててふためいた。
「ダ、ダメです!
俺にはソードが……っ!」
カービィの身体を押し退け抵抗を試みるが相手は星の戦士。
いくらブレイドに力があろうとも敵うはずもなく、抵抗も空しく口付けられてしまう。
しかも今度はさっきよりも深く、熱く。
侵入し歯列をなぞる柔らかなカービィの舌に、反応せずにはいられなかった。
自分には恋人がいるのに。
……それ以前に女同士ということの背徳感がある。
だがそれが、逆に快感を増すスパイスにもなっていたのだ。
膝ががくがくしてしまい今にも崩れ落ちそうなブレイドを優しく、だがしっかりと支えるカービィ。
彼女は優しい笑顔で、ブレイドの頬に触れた。
「ソードが羨ましいなぁ、こーんなに可愛いブレイドが恋人だなんて……」
「あ、あなたにも卿がいるでしょう!?」
「うん!
メタナイト大好きだし……好きどころじゃないかな、愛してる」
カービィが頬を少し染めてニッコリと笑う。
表情はまさに恋する乙女のそれで、その可愛らしさについブレイドの緊張も緩む。
が、カービィはその隙を見逃さず再び唇を塞いだ。
「んっ、んーんっ!」
たっぷりとブレイドの口内を犯し、わざとゆっくりと唇を離した。
荒い息を吐くブレイドをカービィはどこか嗜虐的な目で見つめた。
「でもね、キミを見ていると……なんだか虐めたくなっちゃうんだ」
そう言う彼女は微笑みを湛えているものの、本質は肉食獣のそれである。
ブレイドは本能的な危険を感じ、恐怖に顔を歪ませた。
「その表情……最高にぞくぞくするね」
カービィは笑みを深めると、再びブレイドの方へと顔を近づけた。
***
そのころ
「ハァハァハァハァ」
「……卿、息がうるさいですよ」
彼女たちが濃厚に絡み合っている間、彼女らの恋人であるメタナイトとソードは、茂みからそれを覗いていた。
「覗きなんて悪趣味ですよ」
「何を言う、そなただってしっかりと見ているくせに」
メタナイトに指摘され、ソードは顔を真っ赤に染めた。
否定できない、それは真実なのだから。
「……卿は嫌じゃないんですか、カービィ殿が他の人とキスしていて……」
「ブレイド以外だったらスライスしているかもしれないな」
口調は軽いが、顔は本気である。
ソードは彼女を見ながら、どこか複雑な心境だった。
見ているのはすごく興奮するのだが――ひどくモヤモヤするのである。
「なんだ、ヤキモチか?
自分以外の者にブレイドが感じているから」
「……そんなんじゃっ」
「仕方あるまい、カービィはこの私が直接仕込んでいるのだ」
「まあそりゃ仕方な……え?」
イマイチ仕方ない気がしないのだが、とりあえず曖昧に頷いた。
「美少女と美女の絡み……堪らないな……!
ブレイドのあの『くやしい…!でも…感じちゃう!』という表情がまた……」
「人の彼女で欲情しないでください!」
「大丈夫だ、攻めているカービィにもしっかりと欲情している!」
「もう手遅れだァァァァ!!!」
叫んでしまい、慌てて口を押えるソード。
覗きを気付かれてはいないか!?と慌てて彼女たちの方を見ると、いなくなっていることに気づいた。
慌てて辺りを見渡してみると、木陰からカービィの服の裾がチラリと見えた。
「ちょ、卿!
カービィ殿がブレイドを木陰に連れ込んでいます!」
「なっ……!それはいかん!」
メタナイトは茂みから飛び出し、ソードの指示した方に向かって駆け出した。
流石にこれはヤバいから卿も止めるのか、とソードは走りながら変な安心感を覚えていたが
「私も混ぜてくれ!」
「ちょっと待てええええええええ!!!」
まったく安心できなかった。
結局、未遂に終わったが……ソードのカービィに対する認識が、少しばかり歪んだ日になったとさ。
随分と珍しい組み合わせではあるが、元々二人は仲がいいので旅は順調だった。
……ある時だけを除いては。
「あ、トマト!」
カービィが赤く熟れたトマトを見つけると、ブレイドはピキンと固まってしまった。
カービィはそんなことを気にも留めず、トマトを拾うと美味しそうにかぶりついた。
「はい、食べて」
「は、はい」
カービィはトマトをくわえ、ブレイドに差し出した。
彼女はひどくぎこちなく受け取り、咀嚼する。
その様子にカービィは苦笑しつつも、同時に微笑ましさを感じずにはいられなかった。
「……ブレイドは口移し嫌?」
「嫌というわけではありませんが、なんだか恥ずかしくて……」
愛らしい顔で問われ、ブレイドは何となく気まずくなって顔を背けてしまった。
いくら女同士でも、こういうことは照れてしまうのである。
始めのうちは緊張しすぎて、上手く受け取ることができなかった。
何度も地面に落としてしまっては、カービィと食材に申し訳ないと自分の不甲斐なさを噛み締めたものだった。
今はなんとかスムーズに出来てはいるが、油断したら恥ずかしさに耐えられなくなってしまいそうだった。
「へぇ……ソードとはしないの?」
思わぬカービィの問いに、ブレイドは吹きだしてしまった。
しかもそのあと、盛大に噎せてしまう。
この反応にはさすがのカービィも驚きを隠せなかった。
「し、しませっ、ゴホゴホッ、んよっ、ゴホゴホゴホゴホッ」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫でっ、ゴホゴホッ」
「あーあ、絶対今ので体力ちょっと減ったよ……せっかく回復したのにね?」
カービィはブレイドの背中を叩きながら、半分くらい残ったトマトをかじった。
「はい、もう一口」
トマトの欠片をくわえてブレイドの方を向く。
もう一度食え、ということだ。
呼吸を何とか整えたブレイドは身構えつつも、カービィからトマトを受け取りそれを咀嚼する。
今回もなんとか落とさないでイケた、と安堵しながらそれをこくりと飲み込んだ。
次の瞬間、カービィがブレイドに口づけた。
マシュマロを思わせるその柔らかな感触が何か、にわかには理解できなかい。
ようやく理解できたのは唇が離れた後だった。
「カ、カービィ……殿?」
「……いい反応だね」
呆然としていると、そばの木に追い詰められてしまう。
状況を理解できないまま再びカービィの顔が近付いてきて、ブレイドは慌ててふためいた。
「ダ、ダメです!
俺にはソードが……っ!」
カービィの身体を押し退け抵抗を試みるが相手は星の戦士。
いくらブレイドに力があろうとも敵うはずもなく、抵抗も空しく口付けられてしまう。
しかも今度はさっきよりも深く、熱く。
侵入し歯列をなぞる柔らかなカービィの舌に、反応せずにはいられなかった。
自分には恋人がいるのに。
……それ以前に女同士ということの背徳感がある。
だがそれが、逆に快感を増すスパイスにもなっていたのだ。
膝ががくがくしてしまい今にも崩れ落ちそうなブレイドを優しく、だがしっかりと支えるカービィ。
彼女は優しい笑顔で、ブレイドの頬に触れた。
「ソードが羨ましいなぁ、こーんなに可愛いブレイドが恋人だなんて……」
「あ、あなたにも卿がいるでしょう!?」
「うん!
メタナイト大好きだし……好きどころじゃないかな、愛してる」
カービィが頬を少し染めてニッコリと笑う。
表情はまさに恋する乙女のそれで、その可愛らしさについブレイドの緊張も緩む。
が、カービィはその隙を見逃さず再び唇を塞いだ。
「んっ、んーんっ!」
たっぷりとブレイドの口内を犯し、わざとゆっくりと唇を離した。
荒い息を吐くブレイドをカービィはどこか嗜虐的な目で見つめた。
「でもね、キミを見ていると……なんだか虐めたくなっちゃうんだ」
そう言う彼女は微笑みを湛えているものの、本質は肉食獣のそれである。
ブレイドは本能的な危険を感じ、恐怖に顔を歪ませた。
「その表情……最高にぞくぞくするね」
カービィは笑みを深めると、再びブレイドの方へと顔を近づけた。
***
そのころ
「ハァハァハァハァ」
「……卿、息がうるさいですよ」
彼女たちが濃厚に絡み合っている間、彼女らの恋人であるメタナイトとソードは、茂みからそれを覗いていた。
「覗きなんて悪趣味ですよ」
「何を言う、そなただってしっかりと見ているくせに」
メタナイトに指摘され、ソードは顔を真っ赤に染めた。
否定できない、それは真実なのだから。
「……卿は嫌じゃないんですか、カービィ殿が他の人とキスしていて……」
「ブレイド以外だったらスライスしているかもしれないな」
口調は軽いが、顔は本気である。
ソードは彼女を見ながら、どこか複雑な心境だった。
見ているのはすごく興奮するのだが――ひどくモヤモヤするのである。
「なんだ、ヤキモチか?
自分以外の者にブレイドが感じているから」
「……そんなんじゃっ」
「仕方あるまい、カービィはこの私が直接仕込んでいるのだ」
「まあそりゃ仕方な……え?」
イマイチ仕方ない気がしないのだが、とりあえず曖昧に頷いた。
「美少女と美女の絡み……堪らないな……!
ブレイドのあの『くやしい…!でも…感じちゃう!』という表情がまた……」
「人の彼女で欲情しないでください!」
「大丈夫だ、攻めているカービィにもしっかりと欲情している!」
「もう手遅れだァァァァ!!!」
叫んでしまい、慌てて口を押えるソード。
覗きを気付かれてはいないか!?と慌てて彼女たちの方を見ると、いなくなっていることに気づいた。
慌てて辺りを見渡してみると、木陰からカービィの服の裾がチラリと見えた。
「ちょ、卿!
カービィ殿がブレイドを木陰に連れ込んでいます!」
「なっ……!それはいかん!」
メタナイトは茂みから飛び出し、ソードの指示した方に向かって駆け出した。
流石にこれはヤバいから卿も止めるのか、とソードは走りながら変な安心感を覚えていたが
「私も混ぜてくれ!」
「ちょっと待てええええええええ!!!」
まったく安心できなかった。
結局、未遂に終わったが……ソードのカービィに対する認識が、少しばかり歪んだ日になったとさ。