好きって言いたい!
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二人きりの部屋の中。
今日こそ言おう、そう心に決めた。
「ソ、ソード……」
聞こえるのか不安なくらい小さな声。
だがソードは武器を磨く手を止め、俺の方を向いてくれた。
「どうした?」
綺麗な翠の瞳に見つめられると、言葉が詰まってしまう。
真っ直ぐに顔を見ることすら難しい。
だが、今日の俺は一味違う!
決心をしたんだ!
「な、なんでもない……」
「そうか?」
武器を磨く作業に戻ってしまう。
……俺の意気地なし!
そう自分を殴りたい衝動に駆られる。
俺は、ソードに好きって言いたいんだ。
いつもソードは俺に好きって言ってくれている。
それに対して俺は、ほとんど返せていない。
「俺も好きだよ」とか言えたらいいのに、ついぶっきらぼうなことを言ってしまう。
好きって気持ちは、ソードと同じくらいかそれ以上あるという自信がある。
なのに、自分から言えたことなんてほとんどない。
気持ちはこんなにも溢れてるのに、それを言葉にするのはひどく難しい。
でも……俺は好きって言われるの嬉しいから、俺も好きって言いたい!
なのに、全然言えないんだ。
たった二文字の言葉、自分の名前よりも短いくらいなのに。
舌の先を上歯茎に近づけて、隙間から息を摩擦させて通し、続いて舌の後部を口蓋の奥の部分に押しあて一旦閉鎖した上で破裂させて発声すればいいだけなのに(by Wikipedia)
どうして言えないのだろう。
だが、今日は言うんだ!
絶対に言ってやるんだ!
「ソード……」
「んー?」
「す……、す……っ!」
「す」まで頑張った。
俺にしては会心の出来だ!
いけ!頑張れ俺!
「好きだぞ、ブレイド」
「!」
一瞬で顔に火が付いたかと思った。
そしてすぐにハッとした。
俺が言おうと思ってたのに!
ソードはそんなにあっさり口にするなんて!
「そ、おまっ……ズルいっ……!」
「ズルいってなんだよ」
「だって俺が……!」
「言おうとしていたのに?」
「!?」
バレてる……だと……?
何故バレている!?
「気付いていないとでも思ったのか?
頑張って言おうとしてるなーってずっと思ってた」
「鈍感のくせに……!」
「お前がわかりやすすぎるんだよ」
……そんなに俺、わかりやすいのか……?
自分では全くそうは思わないのだが……。
「べ、別にお前のために言おうとしたわけじゃないんだからな!」
ああ、こんなこと言いたいわけじゃないのに……。
どうして俺はいつもこうなのだろう、可愛げの欠片もない。
しかしソードはどこか含みのある笑みを浮かべた。
「じゃあそれはブレイドが言いたいってことか?」
「なっ……ばっ……!」
そうだけど!そうだけども!
何でそれを言うのかなぁ!?
もしかしてわざとなのか?
言葉に詰まる俺を見ながらクスクス笑うソード。
もしかしなくともわざとだったらしい。
……少し意地悪な笑みでさえ好きな俺は、正直どうかしていると思う。
「まあ、とにかく言ってみ?
言えるんだろう?」
からかうように笑っているのが憎らしくて、俺の闘争心を掻き立てる。
……絶対言ってやる!
「す……すっ……!」
でもやっぱり言えなくて。
「き」って言え俺!
今言わなくていつ言うの?今でしょ!?
舌の後部を口蓋の奥の部分に押しあてろ!
そんなことを考えながら必死に言おうとしていると
「ぷ……くっ……」
「わ、笑うな!ばかぁ!」
ソードは必死に笑いをかみ殺していた。
こっちはこんなに頑張ってるのに!
「ははっ、悪い悪い!
無理して言わなくてもいいのに」
「だ、だが……やはり、きちんと伝えるべきだと思うんだ!」
「伝わってる伝わってる。
ブレイドの場合は思いっきり表情に出るからな」
「そ、そんなに……?」
「ああ、可愛いくらいに。
だから言葉に出さなくても、俺は十分わかってるから」
頑張ってるのも可愛いんだけどな、と言われてと更に顔が熱くなる。
冷静だと言われる俺だが、恋愛関係のことになるとてんで照れ屋になってしまうらしい。
……まぁ、わかっていてくれているなら嬉しい。
嬉しい、けど。
「ソード」
ん?と顔を上げる彼に近づく。
恥ずかしいのを我慢して、そっと耳元で囁いてみる。
「大好き」
言うのはやっぱり恥ずかしい。
なんだか胸がこそばゆいし、顔もすごく熱くなる。
でも、それでも
「ふ、不意打ちは反則……!」
俺と同じくらいに真っ赤になって照れるお前を見たいから、時々は頑張ろうと思うんだ。
好きって言いたい!
(少しは仕返しできたか?)
NEXT
→あとがき
今日こそ言おう、そう心に決めた。
「ソ、ソード……」
聞こえるのか不安なくらい小さな声。
だがソードは武器を磨く手を止め、俺の方を向いてくれた。
「どうした?」
綺麗な翠の瞳に見つめられると、言葉が詰まってしまう。
真っ直ぐに顔を見ることすら難しい。
だが、今日の俺は一味違う!
決心をしたんだ!
「な、なんでもない……」
「そうか?」
武器を磨く作業に戻ってしまう。
……俺の意気地なし!
そう自分を殴りたい衝動に駆られる。
俺は、ソードに好きって言いたいんだ。
いつもソードは俺に好きって言ってくれている。
それに対して俺は、ほとんど返せていない。
「俺も好きだよ」とか言えたらいいのに、ついぶっきらぼうなことを言ってしまう。
好きって気持ちは、ソードと同じくらいかそれ以上あるという自信がある。
なのに、自分から言えたことなんてほとんどない。
気持ちはこんなにも溢れてるのに、それを言葉にするのはひどく難しい。
でも……俺は好きって言われるの嬉しいから、俺も好きって言いたい!
なのに、全然言えないんだ。
たった二文字の言葉、自分の名前よりも短いくらいなのに。
舌の先を上歯茎に近づけて、隙間から息を摩擦させて通し、続いて舌の後部を口蓋の奥の部分に押しあて一旦閉鎖した上で破裂させて発声すればいいだけなのに(by Wikipedia)
どうして言えないのだろう。
だが、今日は言うんだ!
絶対に言ってやるんだ!
「ソード……」
「んー?」
「す……、す……っ!」
「す」まで頑張った。
俺にしては会心の出来だ!
いけ!頑張れ俺!
「好きだぞ、ブレイド」
「!」
一瞬で顔に火が付いたかと思った。
そしてすぐにハッとした。
俺が言おうと思ってたのに!
ソードはそんなにあっさり口にするなんて!
「そ、おまっ……ズルいっ……!」
「ズルいってなんだよ」
「だって俺が……!」
「言おうとしていたのに?」
「!?」
バレてる……だと……?
何故バレている!?
「気付いていないとでも思ったのか?
頑張って言おうとしてるなーってずっと思ってた」
「鈍感のくせに……!」
「お前がわかりやすすぎるんだよ」
……そんなに俺、わかりやすいのか……?
自分では全くそうは思わないのだが……。
「べ、別にお前のために言おうとしたわけじゃないんだからな!」
ああ、こんなこと言いたいわけじゃないのに……。
どうして俺はいつもこうなのだろう、可愛げの欠片もない。
しかしソードはどこか含みのある笑みを浮かべた。
「じゃあそれはブレイドが言いたいってことか?」
「なっ……ばっ……!」
そうだけど!そうだけども!
何でそれを言うのかなぁ!?
もしかしてわざとなのか?
言葉に詰まる俺を見ながらクスクス笑うソード。
もしかしなくともわざとだったらしい。
……少し意地悪な笑みでさえ好きな俺は、正直どうかしていると思う。
「まあ、とにかく言ってみ?
言えるんだろう?」
からかうように笑っているのが憎らしくて、俺の闘争心を掻き立てる。
……絶対言ってやる!
「す……すっ……!」
でもやっぱり言えなくて。
「き」って言え俺!
今言わなくていつ言うの?今でしょ!?
舌の後部を口蓋の奥の部分に押しあてろ!
そんなことを考えながら必死に言おうとしていると
「ぷ……くっ……」
「わ、笑うな!ばかぁ!」
ソードは必死に笑いをかみ殺していた。
こっちはこんなに頑張ってるのに!
「ははっ、悪い悪い!
無理して言わなくてもいいのに」
「だ、だが……やはり、きちんと伝えるべきだと思うんだ!」
「伝わってる伝わってる。
ブレイドの場合は思いっきり表情に出るからな」
「そ、そんなに……?」
「ああ、可愛いくらいに。
だから言葉に出さなくても、俺は十分わかってるから」
頑張ってるのも可愛いんだけどな、と言われてと更に顔が熱くなる。
冷静だと言われる俺だが、恋愛関係のことになるとてんで照れ屋になってしまうらしい。
……まぁ、わかっていてくれているなら嬉しい。
嬉しい、けど。
「ソード」
ん?と顔を上げる彼に近づく。
恥ずかしいのを我慢して、そっと耳元で囁いてみる。
「大好き」
言うのはやっぱり恥ずかしい。
なんだか胸がこそばゆいし、顔もすごく熱くなる。
でも、それでも
「ふ、不意打ちは反則……!」
俺と同じくらいに真っ赤になって照れるお前を見たいから、時々は頑張ろうと思うんだ。
好きって言いたい!
(少しは仕返しできたか?)
NEXT
→あとがき
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