始まりは突然に
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※腐向けです!
「仮面取れ!」
「だが断る!」
二人の人物が、閃光の如くププビレッジを駆け回っていた。
逃げているのはメタナイトで、追っているのはドロッチェだ。
ドロッチェはメタナイトの仮面の下が見たくて追っていて、メタナイトは断固としてこれを拒否しているのだ。
「……あの人たち、いい歳して何してるのサ……。」
「まだまだ若いモンには負けない!的な話ぽよ。」
マントを盛大にはためかせ追いかけっこをする二人は、マルクとカービィにはただの変人にしか見えていなかった。
「いい加減しつこいぞ!!」
「フッ……いいじゃないか、減るモンじゃないんだから!」
「私の意志は無視か!?」
「ああ、オレが見たいんだ!」
「何たる自己鼠!」
メタナイトは元々動きが俊敏でスピードはかなりのものだが、ドロッチェはスピードこそ劣るものの、ワープ能力がある。
無駄にクオリティの高い鬼ごっこは延々と続き、遂には人の姿も見えない村はずれもいいところまで来てしまった。
お互い体力もかなり消費していて、走るスピードも落ちてきてしまってきている。
「フッ……普段紳士なオレはこんなことはしないが……ここには誰もいない!
無理矢理にも引きはがしてやる!」
ドロッチェは一気に詰め寄り、メタナイトのマントを引っ張って自分の元に引き寄せた。
ちょうど後ろから抱きすくめるような体勢になり、メタナイトはジタバタと暴れるがドロッチェはもちろん離さない。
そのまま隠し持っていたナイフで、仮面のベルトを器用に切ってしまった。
あっ、とメタナイトが声を上げるがもう遅く、仮面は重力に従って地面に落ちてしまう。
「ほら、見せろ。」
ドロッチェはメタナイトの身体を回転させて自分の方に向けさせた。
「……ッ、見る、な……!」
「可愛いじゃないか。」
頬を真っ赤に染め、顔を隠して背けようとするメタナイトがやけに可愛らしく見えて。
ドロッチェは自然と頬が緩んでいた。
「キミ、本当に可愛いな。」
「真顔でそういうことを言わないでいただきたい。」
顔を隠している手を無理矢理外し、動けないように手首を強く掴めば顔を顰める。
そんな表情すらも愛らしく見えるのだから恐ろしい。
「フッ、男でそんなに可愛いって反則。」
「気持ち悪いことを言うな!
第一、可愛くなんかない!」
「そうやってまたムキになるところも可愛いな。
まるで女の子みたいだ。」
ブチッ
何かが切れる音がした。
メタナイトから一瞬にして先ほどのような照れや恥じらいの表情が消え、氷のように冷たい表情になった。
唐突に氷点下を迎えたかのような表情にドロッチェがあれ、と思って声をかけようとする前に、メタナイトがドロッチェを思い切り突き飛ばした。
急に反転した世界に驚き、受け身もまともに取れずはずもなく、背中に衝撃を受ける。
呻き声を上げる前に、メタナイトに覆い被されてしまう。
「ッ、しまっ……!」
抵抗しようと試みたものの、先ほどとは逆に今度は自分が手首をガッチリと掴まれてしまっていて、身動きが取れない。
メタナイトの顔が迫ってくると、ドロッチェは明らかに動揺した。
「な、わ、ちょ、おま!」
メタナイトの唇がドロッチェの唇に迫り、重なる寸前でピタリと止まった。
「……あまりからかうと、痛い目に遭わせるぞ……?」
吐息がかかるほどの至近距離で低い声で囁く。
その声は甘いながらも確実に毒を孕んでいる。
ドクリ、とドロッチェの心臓が鳴った。
幼い顔立ちにそぐわないほどの殺気と色気を孕んだ瞳に、思わず息をのむドロッチェ。
何も言えず、呼吸すらもできずにメタナイトの黄色い瞳を見つめていた。
「……フン」
しばらく経って、反応に満足したのかメタナイトは皮肉っぽく笑うと、スッとドロッチェの上から退いた。
落ちた仮面を拾い、マントを翻し立ち去っていくのを、ドロッチェは呆然と見つめていた。
「……」
掴まれた手首が熱い。
高鳴った鼓動が治まらない。
あの瞳が脳裏にこびりついて、離れない。
「嘘、だろ……?」
その感覚が何なのかは、今までの経験から痛いほどにわかっていた。
しかし認めたくなかった。
「どうしちゃったんだよ、オレ……
アイツ、男だぞ……?」
嘘だ、と自分で否定をしても、かえって意識をしてしまうだけ。
あまりにも予想外すぎる展開に、頭が追い付かない。
ただ一つわかることは、あの瞬間自身の胸の中で何かが変わってしまったということだけ。
うっすらと残った手首の跡が、燃え盛るように熱く感じられた。
「……まさか、こんなことになるとは」
彼は盛大な溜め息をつくと、少しよろけながらも立ち上がる。
落ちてしまった赤い帽子を拾って、ついてしまった砂を払落してから被りなおすと、メタナイトとは違う方向へと歩いていった。
始まりは唐突に
(彼の瞳に魅せられてしまった)
「仮面取れ!」
「だが断る!」
二人の人物が、閃光の如くププビレッジを駆け回っていた。
逃げているのはメタナイトで、追っているのはドロッチェだ。
ドロッチェはメタナイトの仮面の下が見たくて追っていて、メタナイトは断固としてこれを拒否しているのだ。
「……あの人たち、いい歳して何してるのサ……。」
「まだまだ若いモンには負けない!的な話ぽよ。」
マントを盛大にはためかせ追いかけっこをする二人は、マルクとカービィにはただの変人にしか見えていなかった。
「いい加減しつこいぞ!!」
「フッ……いいじゃないか、減るモンじゃないんだから!」
「私の意志は無視か!?」
「ああ、オレが見たいんだ!」
「何たる自己鼠!」
メタナイトは元々動きが俊敏でスピードはかなりのものだが、ドロッチェはスピードこそ劣るものの、ワープ能力がある。
無駄にクオリティの高い鬼ごっこは延々と続き、遂には人の姿も見えない村はずれもいいところまで来てしまった。
お互い体力もかなり消費していて、走るスピードも落ちてきてしまってきている。
「フッ……普段紳士なオレはこんなことはしないが……ここには誰もいない!
無理矢理にも引きはがしてやる!」
ドロッチェは一気に詰め寄り、メタナイトのマントを引っ張って自分の元に引き寄せた。
ちょうど後ろから抱きすくめるような体勢になり、メタナイトはジタバタと暴れるがドロッチェはもちろん離さない。
そのまま隠し持っていたナイフで、仮面のベルトを器用に切ってしまった。
あっ、とメタナイトが声を上げるがもう遅く、仮面は重力に従って地面に落ちてしまう。
「ほら、見せろ。」
ドロッチェはメタナイトの身体を回転させて自分の方に向けさせた。
「……ッ、見る、な……!」
「可愛いじゃないか。」
頬を真っ赤に染め、顔を隠して背けようとするメタナイトがやけに可愛らしく見えて。
ドロッチェは自然と頬が緩んでいた。
「キミ、本当に可愛いな。」
「真顔でそういうことを言わないでいただきたい。」
顔を隠している手を無理矢理外し、動けないように手首を強く掴めば顔を顰める。
そんな表情すらも愛らしく見えるのだから恐ろしい。
「フッ、男でそんなに可愛いって反則。」
「気持ち悪いことを言うな!
第一、可愛くなんかない!」
「そうやってまたムキになるところも可愛いな。
まるで女の子みたいだ。」
ブチッ
何かが切れる音がした。
メタナイトから一瞬にして先ほどのような照れや恥じらいの表情が消え、氷のように冷たい表情になった。
唐突に氷点下を迎えたかのような表情にドロッチェがあれ、と思って声をかけようとする前に、メタナイトがドロッチェを思い切り突き飛ばした。
急に反転した世界に驚き、受け身もまともに取れずはずもなく、背中に衝撃を受ける。
呻き声を上げる前に、メタナイトに覆い被されてしまう。
「ッ、しまっ……!」
抵抗しようと試みたものの、先ほどとは逆に今度は自分が手首をガッチリと掴まれてしまっていて、身動きが取れない。
メタナイトの顔が迫ってくると、ドロッチェは明らかに動揺した。
「な、わ、ちょ、おま!」
メタナイトの唇がドロッチェの唇に迫り、重なる寸前でピタリと止まった。
「……あまりからかうと、痛い目に遭わせるぞ……?」
吐息がかかるほどの至近距離で低い声で囁く。
その声は甘いながらも確実に毒を孕んでいる。
ドクリ、とドロッチェの心臓が鳴った。
幼い顔立ちにそぐわないほどの殺気と色気を孕んだ瞳に、思わず息をのむドロッチェ。
何も言えず、呼吸すらもできずにメタナイトの黄色い瞳を見つめていた。
「……フン」
しばらく経って、反応に満足したのかメタナイトは皮肉っぽく笑うと、スッとドロッチェの上から退いた。
落ちた仮面を拾い、マントを翻し立ち去っていくのを、ドロッチェは呆然と見つめていた。
「……」
掴まれた手首が熱い。
高鳴った鼓動が治まらない。
あの瞳が脳裏にこびりついて、離れない。
「嘘、だろ……?」
その感覚が何なのかは、今までの経験から痛いほどにわかっていた。
しかし認めたくなかった。
「どうしちゃったんだよ、オレ……
アイツ、男だぞ……?」
嘘だ、と自分で否定をしても、かえって意識をしてしまうだけ。
あまりにも予想外すぎる展開に、頭が追い付かない。
ただ一つわかることは、あの瞬間自身の胸の中で何かが変わってしまったということだけ。
うっすらと残った手首の跡が、燃え盛るように熱く感じられた。
「……まさか、こんなことになるとは」
彼は盛大な溜め息をつくと、少しよろけながらも立ち上がる。
落ちてしまった赤い帽子を拾って、ついてしまった砂を払落してから被りなおすと、メタナイトとは違う方向へと歩いていった。
始まりは唐突に
(彼の瞳に魅せられてしまった)
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