MerryChristmas!
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「……そろそろ、かな?」
カービィは時計にチラリと目をやった後、手に持っていた紙に目を落とした。
それは上質な黒い紙で、金色の文字でこう記されていた。
『今宵の11時に、貴女を攫いに参ります。』
所謂、漫画やアニメにありそうなベタな予告状だった。
ご丁寧にサインまで添えてある。
「……キザだね。」
クスリと笑うと、突然冷たい風が部屋の中に入り込んできた。
振り返って見ると、ドロッチェが窓の淵に座っていた。
「……こんばんは、貴女を攫いに来ました。」
風以外に気配は全くと言っていいほどしなかったはずだが、そこは流石怪盗と言ったところか。
優しい微笑みを湛えた彼に対し、彼女も微笑んで歓迎する。
「いったい何処まで攫ってくれるの?」
ドロッチェは優雅な物腰で窓から降りると、カービィの元へ歩み寄り、跪いて手の甲に恭しく口付けをした。
「フッ……貴女が望むのならば、何処までも。」
「ところで、もう大丈夫なの?いろんな意味で。」
パーティーのカワサキ事件とスピリタス事件のことだ。
「スピリタスはまあ美味かった。
……が、カワサキのは……本当に死ぬかと思った。
昔とある星に行ったときに友人に貰ったスコーン並にマズかった。」
ドロッチェは立ち上がり、カービィをお姫様抱っこして空へ飛び立った。
よっぽどトラウマになったのだろう、カービィはもう何も聞かなかった。
元々コートを着ていたとはいえ寒いはずなのに、ドロッチェに抱かれてるからか暖かさを感じていた。
それどころか安心して眠気を感じるほどだ。
それに気付いたドロッチェは、慈しむような眼差しで見つめ、「少し寝てていいよ。」と言った。
それからどれくらい経った頃だろうか。
ドロッチェに優しく揺り起こされうっすらと目を開けたカービィは、目に映っているものを頭が認識した瞬間飛び起きた。
うわぁぁ……と感嘆の声をあげ、目が離せなくなる。
「す、すごーい……。」
カービィの目の前に広がっていたのは、今までに見たことない程に美しい夜景だった。
赤、白、緑など様々な色彩の光が満ち溢れている。
それはまるで、色とりどりの宝石のよう。
「すごーい……」
目を輝かせて絶景に見惚れていると、ドロッチェがどこか満足げな表情で「だろ?」と笑った。
「あと……はい、メリークリスマス。」
何処から取り出したのか、彼が差し出したのは真っ赤な薔薇の花束だった。
優雅で華やかな香りがふわりとカービィの鼻腔をくすぐる。
「わぁ……ありがとう……!!」
カービィは花束を受け取ると、愛おしむように鼻を近づかせて香りを嗅いだ。
「フッ……喜んでくれたか?」
「うん!すごく嬉しい……!」
カービィはあまりの嬉しさに泣き出しそうになっていた。
そのまま二人でしばらく、夜景を見ながらたくさんのことを話した。
パーティーのこと、ドロッチェは初対面だったリボンとの出会いのこと、ダークマター族のことなど。
しばらく話し込んでから、カービィはふとある1つの重要なことを思い出した。
「あ、ドロッチェのプレゼント忘れた!!」
そう、彼へのプレゼントを家へ置いてきてしまったことだ。
持ってこようとしていたのに。
「じゃあ帰ったら貰おう。」
「貰う気満々だね、あげるけどさ。」
「フッ……当たり前だ。
カービィからのプレゼント、とても嬉しいな。
どんなものか楽しみだ。
……それに。」
ドロッチェはカービィの耳元に顔を寄せた。
それだけの行動なのに、カービィは自分の鼓動が跳ねあがるのを感じていた。
「カービィのことも、もらわなくちゃ……な?」
囁かれたカービィは驚いてドロッチェの顔を見ると、にやにやと笑みを浮かべていた。
言っていることの意味を一瞬で悟り、顔が火照っていくのを嫌という程に感じる。
「さ、身体も冷えてきたし、そろそろ帰ろうか。」
カービィの反応に満足したのかドロッチェはにっこりと笑うと、来た時のようにカービィを抱いて
彼女の家へと向かって行った。
ドロッチェ編END
カービィは時計にチラリと目をやった後、手に持っていた紙に目を落とした。
それは上質な黒い紙で、金色の文字でこう記されていた。
『今宵の11時に、貴女を攫いに参ります。』
所謂、漫画やアニメにありそうなベタな予告状だった。
ご丁寧にサインまで添えてある。
「……キザだね。」
クスリと笑うと、突然冷たい風が部屋の中に入り込んできた。
振り返って見ると、ドロッチェが窓の淵に座っていた。
「……こんばんは、貴女を攫いに来ました。」
風以外に気配は全くと言っていいほどしなかったはずだが、そこは流石怪盗と言ったところか。
優しい微笑みを湛えた彼に対し、彼女も微笑んで歓迎する。
「いったい何処まで攫ってくれるの?」
ドロッチェは優雅な物腰で窓から降りると、カービィの元へ歩み寄り、跪いて手の甲に恭しく口付けをした。
「フッ……貴女が望むのならば、何処までも。」
「ところで、もう大丈夫なの?いろんな意味で。」
パーティーのカワサキ事件とスピリタス事件のことだ。
「スピリタスはまあ美味かった。
……が、カワサキのは……本当に死ぬかと思った。
昔とある星に行ったときに友人に貰ったスコーン並にマズかった。」
ドロッチェは立ち上がり、カービィをお姫様抱っこして空へ飛び立った。
よっぽどトラウマになったのだろう、カービィはもう何も聞かなかった。
元々コートを着ていたとはいえ寒いはずなのに、ドロッチェに抱かれてるからか暖かさを感じていた。
それどころか安心して眠気を感じるほどだ。
それに気付いたドロッチェは、慈しむような眼差しで見つめ、「少し寝てていいよ。」と言った。
それからどれくらい経った頃だろうか。
ドロッチェに優しく揺り起こされうっすらと目を開けたカービィは、目に映っているものを頭が認識した瞬間飛び起きた。
うわぁぁ……と感嘆の声をあげ、目が離せなくなる。
「す、すごーい……。」
カービィの目の前に広がっていたのは、今までに見たことない程に美しい夜景だった。
赤、白、緑など様々な色彩の光が満ち溢れている。
それはまるで、色とりどりの宝石のよう。
「すごーい……」
目を輝かせて絶景に見惚れていると、ドロッチェがどこか満足げな表情で「だろ?」と笑った。
「あと……はい、メリークリスマス。」
何処から取り出したのか、彼が差し出したのは真っ赤な薔薇の花束だった。
優雅で華やかな香りがふわりとカービィの鼻腔をくすぐる。
「わぁ……ありがとう……!!」
カービィは花束を受け取ると、愛おしむように鼻を近づかせて香りを嗅いだ。
「フッ……喜んでくれたか?」
「うん!すごく嬉しい……!」
カービィはあまりの嬉しさに泣き出しそうになっていた。
そのまま二人でしばらく、夜景を見ながらたくさんのことを話した。
パーティーのこと、ドロッチェは初対面だったリボンとの出会いのこと、ダークマター族のことなど。
しばらく話し込んでから、カービィはふとある1つの重要なことを思い出した。
「あ、ドロッチェのプレゼント忘れた!!」
そう、彼へのプレゼントを家へ置いてきてしまったことだ。
持ってこようとしていたのに。
「じゃあ帰ったら貰おう。」
「貰う気満々だね、あげるけどさ。」
「フッ……当たり前だ。
カービィからのプレゼント、とても嬉しいな。
どんなものか楽しみだ。
……それに。」
ドロッチェはカービィの耳元に顔を寄せた。
それだけの行動なのに、カービィは自分の鼓動が跳ねあがるのを感じていた。
「カービィのことも、もらわなくちゃ……な?」
囁かれたカービィは驚いてドロッチェの顔を見ると、にやにやと笑みを浮かべていた。
言っていることの意味を一瞬で悟り、顔が火照っていくのを嫌という程に感じる。
「さ、身体も冷えてきたし、そろそろ帰ろうか。」
カービィの反応に満足したのかドロッチェはにっこりと笑うと、来た時のようにカービィを抱いて
彼女の家へと向かって行った。
ドロッチェ編END