色づけば恋<番外編>
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【ガールズトークのちボーイズトーク】
「ねぇNAMEちゃん、これも着てみなよ」
差し出す静流の手には、ブラウスとジーンズ。いつも着物を着ているNAMEだが、洋服も似合うだろうと桑原家の一室でファッションショーをやらされているのである。ちなみに服は静流のものだったり、今回のために新しく買ったものだったり。
「まあ、これも先ほどと同じように、上からかぶればよろしいの?」
「そうです……あ、着れましたね!ジーンズは下から片足ずつ入れるんですよ」
ブラウスをいろんな角度から眺めるNAMEに、雪菜が助言する。彼女も最初こそ着物だったが、今はTシャツやワンピースなど、様々な洋服を着こなしている。
「それにしても、これ……。胸が窮屈ですわ。人間の女の方は、いつもこれをなさっているの?」
「しない人も中にはいるかもしれないけど、まぁつけてる人がほとんどだよ。洋服はそれが下着だから」
「私も最初は戸惑いましたが、慣れれば平気ですよ」
「なんだか下も変な感じだわ」
NAMEが苦言を呈するのも無理はない。着物のときは襦袢が下着のようなものだ。肌にここまでフィットする衣類を身に着けたのは、これが初めてだった。
「でもとてもお似合いですよ。イメージにあってます」
雪菜が顔をほころばせて彼女を褒める。薄い紫色でレースをあしらったそれは、藤の花を思わせる。静流が売り場で上下セットで買ってきたものだ。
「あたしのを着けてもらってそれでサイズの参考にしたけど、ぴったりみたいでよかったよ」
静流が腰に手を当て、威張るように胸を張る。
「それじゃあ次はいよいよこれ!これも絶対可愛いよ」
次に差し出されたのはフレンチスリーブのシャツワンピース。くびれからAラインに広がる薄い若葉色のそれは、3人で買い出しに出かけた際にNAME自身が気に入った一着だ。
マネキンが着ているのをじっと見ていると静流が店内へと入っていき、「これが欲しい。」と店員を呼んだ。自分の金がないNAMEはそれは必死に彼女を止めたが、店員からしたら静流と雪菜の二人しか見えていない。それをいいことに、遠慮する彼女そっちのけで買い物を済ませることができた。
NAMEはいまだにそれを悪いと思っていたが、実物を目の前にするとやはり胸が躍る。さらりとした生地のそれを静流から受け取り、あらためて礼を言った。
――飛影に見せたら、なんておっしゃるかしら。
袖を通しながら考えていたら、自然と頬に熱が集まる。慣れないボタンを何とか上まで留め終えた彼女に、静流が歓喜の声を上げた。
「ほーら、やっぱり可愛い!あの飛影君も黙っちゃいないわよ、これは」
「!!」
「ね、彼のこと、考えてたでしょ」
「え、と……」
心を読んだのかと思うほどの、的確な指摘。静流の目を見ることができない。助けてほしくて雪菜に目をやるも、「顔、赤いですよ。」とにこりと微笑まれる。ますます顔に熱が集まるのを感じた。
「上手くいってるみたいで何より。まぁ飛影君なら一途そうだし、心配ないか」
「お二人でどこかお出かけしたりするんですか?」
二人の興味は、ファッションショーから彼らの仲に切り替わった。今まで躯とそういう話をしたことはあったが、やはりその手の話題に慣れない彼女は顔を赤くして少しぎこちなく答える。
「飛影とお会いするときは、たいてい藤の木で魔界のお話をしていただいてますわ。躯さまとの手合わせや、幽助さんが治める国のことなど……。あとは、わたしが望めば少し遠くの山へも連れて行ってくださいます。……町に比べて空気が清らかで、とても気持ちが良いのよ」
「魔界に行くこともあるんでしょ?」
静流の質問に、こくりと頷く。
「定期的に躯さまにお会いして、お茶会をしているんです。つい先日もお邪魔したけれど、お話が盛り上がりすぎて…早く部屋に来いって飛影に呼ばれてしまったわ」
しびれを切らして迎えに来た飛影の顔を思い出し、ふふ、と笑みがこぼれる。すると、雪菜が首を傾げていた。静流はそうでもないが、“早く部屋に来い”というキーワードだけでその後の展開を読むには雪菜には難しかったようだ。
「それでそのまま、朝を迎えると……。上司とのお茶会に割って入るなんて、NAMEちゃん愛されてるねぇ」
「静流さんたら……」
腕組みをしてウインクする静流に、NAMEが顔を赤くする。
飛影に会うまでにせっかくのワンピースが皺にならないように、彼女はそれを脱ぎ始めた。
所変わり魔界。百足に来ていた幽助、蔵馬は、言われてみれば珍しいものを目にした。
「…っくしゅい!!」
「オレ、オメーがくしゃみするとこ初めて見たわ」
「…オレもです」
「ズズッ……ほっとけ」
3人は躯との謁見を終え、飛影の私室に来ている。鼻をすする彼に、蔵馬が出来心で余計なことを言った。
「誰かに噂されてたりして」
「お?ありそう。さてはNAMEか?」
「…貴様ら、用が済んだのなら帰れ」
この二人が揃うと碌なことがない。確証はないが、なんとなく飛影はそう思っていた。だがその直感は合っている。
「そうだ飛影、ちょっと邪眼で見てみろよ。アイツになんかあっても困るだろ」
「幽助……。お前は俺がくしゃみをするたび、邪眼を開かせるつもりか?」
「オメーは滅多にくしゃみなんかしねーだろ。なんか気になるンだよ」
「……」
どういう理屈だと、飛影はため息をつく。蔵馬を見るも、完全に傍観者に徹している。だがそれでいて、しっかりと楽しんでいるのが目に見えた。
確かに確認するぐらいはいいだろうと、彼は額の布を取り両眼を閉じる。額の目を開いてしばらくしたと思ったら、慌ててソファから飛び上がった。
「うぉ!…びっくりしたー」
「飛影、何を見た!」
ただならぬ様子の彼に、幽助と蔵馬は身構える。一点を見つめて額を押さえる彼の顔が、次第に真っ赤になっていくのを見て、なんとなく察した二人は顔を見合わせた。
「おいおい、オメーらもうヤッたんだろ?ったく、ガキじゃねーんだからよ。それにしてもタイミングよかったんじゃねーの?オレのセンサーも伊達じゃねぇな!」
「下品ですよ、幽助。……オレも邪眼つけようかな」
「…蔵馬、殺すぞ」
「え、オレだけ?」
魔族と妖狐に乗せられて開いた邪眼が映したものは、愛しい女の下着姿。どうやら今日は桑原家で、洋服の試着をしているらしい。着替えの途中で初めて目にするそれは、飛影には刺激が強すぎた。
次に彼女が来る予定は、もう少し先である。その時にはぜひ洋装で来てほしいと願う飛影なのであった。
「ねぇNAMEちゃん、これも着てみなよ」
差し出す静流の手には、ブラウスとジーンズ。いつも着物を着ているNAMEだが、洋服も似合うだろうと桑原家の一室でファッションショーをやらされているのである。ちなみに服は静流のものだったり、今回のために新しく買ったものだったり。
「まあ、これも先ほどと同じように、上からかぶればよろしいの?」
「そうです……あ、着れましたね!ジーンズは下から片足ずつ入れるんですよ」
ブラウスをいろんな角度から眺めるNAMEに、雪菜が助言する。彼女も最初こそ着物だったが、今はTシャツやワンピースなど、様々な洋服を着こなしている。
「それにしても、これ……。胸が窮屈ですわ。人間の女の方は、いつもこれをなさっているの?」
「しない人も中にはいるかもしれないけど、まぁつけてる人がほとんどだよ。洋服はそれが下着だから」
「私も最初は戸惑いましたが、慣れれば平気ですよ」
「なんだか下も変な感じだわ」
NAMEが苦言を呈するのも無理はない。着物のときは襦袢が下着のようなものだ。肌にここまでフィットする衣類を身に着けたのは、これが初めてだった。
「でもとてもお似合いですよ。イメージにあってます」
雪菜が顔をほころばせて彼女を褒める。薄い紫色でレースをあしらったそれは、藤の花を思わせる。静流が売り場で上下セットで買ってきたものだ。
「あたしのを着けてもらってそれでサイズの参考にしたけど、ぴったりみたいでよかったよ」
静流が腰に手を当て、威張るように胸を張る。
「それじゃあ次はいよいよこれ!これも絶対可愛いよ」
次に差し出されたのはフレンチスリーブのシャツワンピース。くびれからAラインに広がる薄い若葉色のそれは、3人で買い出しに出かけた際にNAME自身が気に入った一着だ。
マネキンが着ているのをじっと見ていると静流が店内へと入っていき、「これが欲しい。」と店員を呼んだ。自分の金がないNAMEはそれは必死に彼女を止めたが、店員からしたら静流と雪菜の二人しか見えていない。それをいいことに、遠慮する彼女そっちのけで買い物を済ませることができた。
NAMEはいまだにそれを悪いと思っていたが、実物を目の前にするとやはり胸が躍る。さらりとした生地のそれを静流から受け取り、あらためて礼を言った。
――飛影に見せたら、なんておっしゃるかしら。
袖を通しながら考えていたら、自然と頬に熱が集まる。慣れないボタンを何とか上まで留め終えた彼女に、静流が歓喜の声を上げた。
「ほーら、やっぱり可愛い!あの飛影君も黙っちゃいないわよ、これは」
「!!」
「ね、彼のこと、考えてたでしょ」
「え、と……」
心を読んだのかと思うほどの、的確な指摘。静流の目を見ることができない。助けてほしくて雪菜に目をやるも、「顔、赤いですよ。」とにこりと微笑まれる。ますます顔に熱が集まるのを感じた。
「上手くいってるみたいで何より。まぁ飛影君なら一途そうだし、心配ないか」
「お二人でどこかお出かけしたりするんですか?」
二人の興味は、ファッションショーから彼らの仲に切り替わった。今まで躯とそういう話をしたことはあったが、やはりその手の話題に慣れない彼女は顔を赤くして少しぎこちなく答える。
「飛影とお会いするときは、たいてい藤の木で魔界のお話をしていただいてますわ。躯さまとの手合わせや、幽助さんが治める国のことなど……。あとは、わたしが望めば少し遠くの山へも連れて行ってくださいます。……町に比べて空気が清らかで、とても気持ちが良いのよ」
「魔界に行くこともあるんでしょ?」
静流の質問に、こくりと頷く。
「定期的に躯さまにお会いして、お茶会をしているんです。つい先日もお邪魔したけれど、お話が盛り上がりすぎて…早く部屋に来いって飛影に呼ばれてしまったわ」
しびれを切らして迎えに来た飛影の顔を思い出し、ふふ、と笑みがこぼれる。すると、雪菜が首を傾げていた。静流はそうでもないが、“早く部屋に来い”というキーワードだけでその後の展開を読むには雪菜には難しかったようだ。
「それでそのまま、朝を迎えると……。上司とのお茶会に割って入るなんて、NAMEちゃん愛されてるねぇ」
「静流さんたら……」
腕組みをしてウインクする静流に、NAMEが顔を赤くする。
飛影に会うまでにせっかくのワンピースが皺にならないように、彼女はそれを脱ぎ始めた。
所変わり魔界。百足に来ていた幽助、蔵馬は、言われてみれば珍しいものを目にした。
「…っくしゅい!!」
「オレ、オメーがくしゃみするとこ初めて見たわ」
「…オレもです」
「ズズッ……ほっとけ」
3人は躯との謁見を終え、飛影の私室に来ている。鼻をすする彼に、蔵馬が出来心で余計なことを言った。
「誰かに噂されてたりして」
「お?ありそう。さてはNAMEか?」
「…貴様ら、用が済んだのなら帰れ」
この二人が揃うと碌なことがない。確証はないが、なんとなく飛影はそう思っていた。だがその直感は合っている。
「そうだ飛影、ちょっと邪眼で見てみろよ。アイツになんかあっても困るだろ」
「幽助……。お前は俺がくしゃみをするたび、邪眼を開かせるつもりか?」
「オメーは滅多にくしゃみなんかしねーだろ。なんか気になるンだよ」
「……」
どういう理屈だと、飛影はため息をつく。蔵馬を見るも、完全に傍観者に徹している。だがそれでいて、しっかりと楽しんでいるのが目に見えた。
確かに確認するぐらいはいいだろうと、彼は額の布を取り両眼を閉じる。額の目を開いてしばらくしたと思ったら、慌ててソファから飛び上がった。
「うぉ!…びっくりしたー」
「飛影、何を見た!」
ただならぬ様子の彼に、幽助と蔵馬は身構える。一点を見つめて額を押さえる彼の顔が、次第に真っ赤になっていくのを見て、なんとなく察した二人は顔を見合わせた。
「おいおい、オメーらもうヤッたんだろ?ったく、ガキじゃねーんだからよ。それにしてもタイミングよかったんじゃねーの?オレのセンサーも伊達じゃねぇな!」
「下品ですよ、幽助。……オレも邪眼つけようかな」
「…蔵馬、殺すぞ」
「え、オレだけ?」
魔族と妖狐に乗せられて開いた邪眼が映したものは、愛しい女の下着姿。どうやら今日は桑原家で、洋服の試着をしているらしい。着替えの途中で初めて目にするそれは、飛影には刺激が強すぎた。
次に彼女が来る予定は、もう少し先である。その時にはぜひ洋装で来てほしいと願う飛影なのであった。