一氏くんはもうすぐ試合があるとかで、私をベッドに寝かせるとあっという間に出て行ってしまった。


本当は一氏くんのバレーやる姿見たかったけど、ここで寝なかったら本気で怒られそうだったから大人しく保健室にいることにした。


一言頑張れと一氏くんに言えただけまだマシだろうし、試合はまだこれから何回からあるから慌てることはないと自分に言い聞かせる。




静かな保健室に1人。

窓から見える外はジリジリと暑そうだった。

今日は体育祭日和といったところだろうか、雲が少し見えるだけで、雨が降りそうな気配はない。


きっと寝るのにも絶好な天気なんだ、ゆっくり寝させてもらおう。

そう思い意識がなくなるのを待った。




学校で寝るとなったら、昨日のあのことが思い浮かぶ。


結局、なんで一氏くんはキスなんかしたんだろうか。


気になるんだけど、下手に聞いて気まずくなってそのままお別れして…ってなったら、きっとまた会う時にも気まずいままなんだろうと思って躊躇っちゃうな。



気になるけど、聞けない

でも、気になる


もしそれを聞いて、私が望むような答えが返ってくるのだろうか。

でも、キスしてくれたってことは…


少しの日差しの暖かさををタオルケットが掛けられた足に感じながら考える。


そのまま気がつくと、私は意識がなくなっていった。