｢真琴ちゃん大丈夫か！？｣

｢うん…大丈夫だよ。…勝てたんなら良かった｣



強がってそう言ったけど、身体は動かなかった




ネットの向こう側にいる相手選手も困惑しているのが見えた。


相手の選手が謝罪しにこっちに来たのを、本当に大丈夫だからと牽制する。


しばらくすると、痛みは徐々に引いた。

それでも身体は動いてくれない。

連日の寝不足による眠気が一気襲いかかってきていたからだ。


私の眠気なんて知らないみんなが、痛すぎて動けないんだと思って心配しているのがわかる。


｢ほんまに大丈夫なん？｣

｢うん…とりあえず、保健室に…うわっ｣

誰かが私の腕を首に回して起こしてくれる。

｢一氏！？｣


緑のバンダナが見えた。

一氏くんだ。


｢俺が連れてくわ｣



そのまま私を支えて歩き出した。きっと私を保健室まで連れて行ってくれるんだ。




今は、甘えよう。