ユウジは朝小春と教室に入ると、真っ先に真琴の姿を見つけた。


今日は珍しく北原の近くの席で話していた。


あいつが変なこと言わなければええけど、とユウジは内心ヒヤヒヤする。


北原がユウジに気づき、からかうように真琴に伝える。


真琴を見ていたと本人にバレないよう、何もなかったように自分の席に座った。

するとすぐに真琴が自分の席に座る。きっと北原が促したんだとユウジは考えた。


たまにはこちらから挨拶しようとユウジは横をむくと、真琴もこちらを見ていてバッチリ目が合った。


そして


｢一氏くん、おはよう！｣

なんとも自分好みの笑顔を向けられ、一氏は戸惑った。


｢はぁ！？おはようございますぅ！｣

照れ隠しで大声を出してしまう。流石の真琴もびっくりした。

ユウジはこんなはずじゃないと思いながら、机に伏せた。