｢滝瀬、放課後部室な｣

｢…また？｣


ミサンガの件から少し経った頃、再び一氏くんに部室に招待された。

｢ちゃうねん、今日は白石が呼んでるんや｣

｢えぇ…めんどくさそう｣


まぁ、どうせ逃げられないし、絶対行くことになるんだろう。

一氏くんはそんなふうに私を諦めさせるくらい、めんどくさい


せめて早く終わるのを願おう。












｢彼女になってください…｣

｢嫌です｣

部員全員がいる中で何言ってんの白石くん

｢白石！ちゃうやろ！｣

｢謙也から説明してや…｣


放課後来てみれば早速これだ。

なんだか白石くんは憔悴しきってる。



忍足くんが言うにはこういうことらしい。


｢昨日白石が告白されてな。白石、彼女おるって嘘ついたら、見たことないから今日見せろ言われたんやと｣


それで白石くんは私に頼んできたらしい。

嘘をつく白石くんもわかんないし、彼女見せろっていう相手もおかしいし、素直に見せようとする白石くんはやっぱりおかしい。


｢なんで私？｣

｢白石、女の友達あんたしかおらへんから。｣


いつ私が友達になった。この前はあんなよそよそしかったのに


でも、ここで何言ってもしょうがないし、絶対部活行くの遅くなるなと確信して、腹を括る。




｢俺、そんなん聞いてなかったで｣

そこに一氏くんが割って入る。

どうやら、小春さんも、石田くんも、赤い髪の人も、ピアスの人も知らなかったらしい。

｢謙也にしか言わへんかった…｣

｢白石くん死にそうだけど大丈夫？｣


だんだんと白石くんが項垂れている

白石くんが戦闘不能になる前に、はやくその女の子に会わなければ。というかはやく部活行きたい。