当然だけど、私の鞄からお金が出てくることはなかった

私の制服も入念に確認したけど、当然出てこない



｢私、最初から言ってます、盗ってないって｣

｢せやけど、疑うのはなんか理由があるからやろ？｣

｢…昨日友達とお金の話してる時におったのが、滝瀬さんだけやったから｣


流石にそれだけでは犯人扱いできないと思ったのか、先生は唸り出す。


友達を疑わないのは、友達だからなんだろうな


私もこの人と友達だったら、疑われずに済んだのかな


きっともう友達は無理だけど…



とりあえず話はこれ以上進まないからと、私達は教室に帰らされた。


ドアに入った時のみんなの視線が怖かった


私はきっと、印象悪いんだろうなと思った。


こんなことなら、昨日早く部活に行っとけばよかったと後悔する


しかし、今更考えてもしょうがないと思い、席に座った。
そのあとの授業は、何も覚えていない



そして私が思った通り、次の日には彼女のお金は見つかった。



彼女はいつもより多めのお札を持っていくために、普段使わない大きいポーチに持ってきたらしい


それを忘れていて、前日の記憶から私を疑った


私にとっては迷惑極まりないけど、誤解が解けたならもうそれで良かった




はずだった