｢…あ｣


翌日、いつもと違う時間帯に来てみれば、朝練を終えたテニス部と鉢合わせをしてしまった。

大人数だからか、ちょっと怖い


｢なんや、ぼーっと突っ立って｣

と、朝から一睨みをしてくる一氏くん

挨拶よりもまずそれなんだね…



｢あぁ…ごめんね。寝坊しちゃって…｣


千歳くんの妹さんのプレゼントのためにいろいろ準備をしていたら、夜更かしをしてしまった

今もちょっとウトウトしかけている



部室でやろうと思って必要なもの全部持ってきたから、大荷物になっちゃって歩きにくくて尚更遅れちゃったし


計画性って、大事だなあ。


としみじみ思っていると、その荷物が一氏くんに取られた

｢え？一氏くん？｣

｢しゃーないから、持ってったるわ…って、以外と軽いな｣

｢あ…ありがとう！荷物多いけど、綿とか型とか軽いのしか入ってないから。あ、小春さんおはよう！｣


一氏くんとセットでいつもいる…気がする小春さんに挨拶をする

よく見ると、テニス部のバッグの方が何倍も重たそう


こう見ると…なんだかんだ言って、一氏くんって優しいんだな…


｢おはよう、滝瀬さん…えらい大荷物やなあ、部活で使うんか？｣

｢うん。千歳くんの妹さんにプレゼントするの。…そうだ、テニス部って次はいつ休みなの？｣


そう言えばまだ布を見つけていないのを思い出した。1番重要なものなのに、それがないと作れないじゃないか


｢来週やないかな…なんかあったんか？｣

｢布が見つかってなくて、千歳くんと行こうと思ってたんだけど…来週かあ…｣


来週まで待てないなあ…作るの楽しみだったから、早く作りたい。

もういっそ、いっぱい作って選んでもらおうか


｢滝瀬さん、それってデー｣
｢小春それは言うたらあかん！｣

｢…あら、これは悪いことしたなぁユウくん｣

｢いやデートじゃないよ。付き合ってないもん｣


小春さんがニヤニヤしてる。いや、いつもしてる気がするけど


…でもまさか、一氏くんが否定してくれるなんて

一氏くんって私の事好きなのかな







そんなわけないか