夏休みだから、空港はすごく混みあっていた。


夏だということもあって、とても暑い。



きっと一氏くんは今部活をしている頃だ。


この暑さだから、熱中症にならないといいけど。




｢真琴、そろそろ行こう｣

｢うん。｣


飛行機に乗る時間がきた。


お母さんとお父さんの後ろをついて行く私。


たまに後ろを振り返ったりして、2人が心配しているのがわかる。


いつかまた戻ってくるんだから、私は大丈夫なのに。



きっとそう言っても強がりにしか聞こえないから言わないけど。



さっきロビーで見た空は快晴だった。



これで涼しい風が吹いてくれたら最高なんだけど。


今頑張っている彼らに、どうか一瞬でも涼しい風が吹きますように。

それがきっと私の代わりになる。





次に会う時には、英語をペラペラに話せるようにしよう。


きっと一氏くんは驚いてくれて、もしかしたら惚れ直してくれるかもしれない。


そして今度は2人でいろんな国に行って、いろんな美しい景色見たり



2人だけの、特別な思い出をたくさん作りたい。




｢真琴、何かいいことでもあったの？にやけちゃって｣


お母さんがほっとしたように聞いてくる。


お父さんも心なしかさっきより表情が和らいでいる。




｢イギリス行くの、楽しみだからね。｣


そう言って私は飛行機に一番乗りで入った。







ずっと待っててくれるって、少しぐらい期待してもいいよね












一氏くん。