忍足くんに勉強を教えてから1週間後


図書室で本を読み漁って、借りたい本を借りてから、学校に置いておこうと思って、教室によった。


扉の小窓から少し覗くと、3人の姿があった


｢謙也くんって、真琴ちゃんと仲ええよなー｣

｢せやろか。俺は仲良うしたいけど、真琴はどうやろな、わからん｣

｢えー！そうなん？｣


2人の女子と忍足くんが話している。
内容は私のことやろか、声が少しうるさくて廊下にまで聞こえてきよる。

気まずいなぁ、入ってええもんやろかこれは

悩んでいる間も、3人の話は盛り上がる


｢謙也くんもあの噂知っとるんやろ？実際どうなん？そんな感じするんか？｣

｢全然せぇへんよ。あれはなぁ…真琴は美人やし、大人しいから、よく告白されてるやろ？やから、逆恨みで流されただけやきっと｣


…驚いた。

そんなに深く考えてくれる人なんて、今までいなかった気がする。

｢確かになー。前、真琴ちゃんに彼氏とられた言うとったやつも、結局より戻しよってたし、嘘くさいんは噂のほうやんな｣

｢…なぁ謙也くん。うちらも真琴ちゃんと仲良うなれるかな｣

｢はあ？そんなん当たり前やろ。真琴はほんまええ子やで、人の悪口も言わんし。やから、友達なるんやったらちゃんと大切にしたれよ｣


さっき仲ええかわからん言うとったのに、よく言うわー！と女の子たちが言う。




なんや、なんで泣きそうなんや私

いま、この教室の中には、私のことを知ろうとしてくれはる人達がおる
それが、嬉しいんやろか

いや、そんなことより早く、本を机の中に入れて、それで…


私は気づいたらドアを開けていた。

｢えっ、真琴！？｣

そこにいた3人が驚いた顔をしてる






｢あの…こんな私で良かったら…お友達になってくださいぃ…｣

涙が、とまらなかった