｢水泳習ってて…むっちゃええやつで｣

私以外にも水泳習ってる人いるんだ…誰だろ

違う！足うごけ！ここから去るんだ！


｢なんやろ…あ、大会の応援来てはりましたわ｣

誰だろ…私も財前くんに来てって言われて友達と行ったけど、同じクラスの子いたかな…


｢あ、わかったわ。俺名前聞いたわ、えっと…｣


うーん…と誰かが悩んでいるのが聞こえる。

｢あぁ、そういえば謙也さんに言った気しますわ｣

｢確か…思い出した。滝瀬真琴さんや！｣


……え？

私？

いよいよ足が石の様になってきた



財前くんが私を好き？


｢よう覚えてますわ……あいつ、なんて言うか…家庭的？で｣


"始めて嫁にしたいって思った女です"



開いた口が塞がらない


いや、これは誰でも照れるでしょ

だめだ、ほんとに離れないと。絶対顔赤いし、盗み聞きしてるのバレちゃう！


｢なんや財前…今日はよく喋るやん｣

｢やって、そいつ全然気づかんから……｣

｢どこ行くん財前｣





｢教えたろ思て｣

ドアが思いっきりあく

座っている私に目線を合わせるようにかがむ財前くんと目が合う


｢なあ？真琴｣

｢あ｣


ついに、バレてしまった