…どうしよう


夕陽が本格的に眩しくなる時間

先生との進路相談を終わらせて帰ろうと思ったのだけれど、簡単にはいかなさそうだ

荷物は教室

その教室を音をたてないように覗く

｢俺は小春一筋やからな｣

｢ユウジのは聞いてへんし、わかっとるわ｣


なぜか財前くんと他知らない人が集まって話をしている


…うーん、入りにくい

これから水泳教室いかないといけないのに…


確かにここは私のクラスであり財前くんのクラスでもある

けどほかの人たちは知らない人ばかり


テニス部の人とか？ほとんどの人が年上に見えるし、1人を除いて


いや、そんなことどうでもいい。問題なのはどうやって荷物を取るか


私この中に入っていけるほどの勇気はないよ


そう思っていても、教室ではどんどん話が盛り上がる


｢財前どうなん？｣

｢…いますけど、言ってもわからんと思いますよ｣

｢なんやお前今日素直やな…で、誰や｣


え、何の話だろう、気になる。


｢もー、光は私のことが好きなんやろ！わかっとるで！｣

｢あ、浮気か！死なすど！｣

｢ほんまうるさ、ちゃいますよ｣


す、好きな人の話！？

男子もそんなこと話すんだ…


財前くんの好きな人…気になる

いや、盗み聞きはいけない！頑張れば犯罪になってしまう！



｢去年から同じクラスで｣

2年連続ってことは…確実に私にもわかる人だ

いやいやいや、ここを去るんだ私…！