しょうがないからこっちからサーブをする。


正直自分でもどこに飛んでいくかわからないから、とりあえず優しく打った。




ちょうどよく千里さんの所に向かっていき、千里さんがフォアハンドで打つ。



素人目にもわかるように、そのボールは素早い回転がかかっていた。

ネットをすれすれで越えて、すぐにバウンドする。


そのまま私は何とか打ち返そうと思ったが、思っていたのとは違う方向にボールがはねた。


｢え、うわぁ！｣


それでも何とか対応して、力強く打った。



｢おぉー、大ホームランたい！｣

｢…あの方向はやばい｣


空に向かってとんでいったボールは、さっきどっかの2人が休憩のために向かったほうに一直線で向かう。


｢先輩あぶ…｣

｢いで！｣

｢謙也ぁ！｣


謙也さんに当たってしまった。



私は千里さんと一緒に、謙也さんと蔵之介さんのいるベンチに向かう。



｢ドリンクは無事ですかっ！？｣

｢おいお前！俺の心配せぇや！｣


ベンチに置いておいたドリンクの容器をひとつひとつ確認する。


｢大丈夫やで。謙也の頭に当たっただけや。｣

｢良かった…。｣

｢良くないやろ！｣


謙也さんが軽くチョップをする。

｢真琴はやっぱしへとうぞばいねー。もっと練習せんねばね。｣


後ろから千里さんがそう言って蔵之介さんとコートに向かった。


しょうがないから謙也さんの隣に座る。


｢あ、謙也さん大丈夫でしたか？｣

｢お前…｣