｢そんなことあるもんなんやな｣


隠すことなんかない


そう思ったから、公園に移動してから全てを話した。

一通り話終わったあと、ポツリと白石さんがそう言った。

病室でざわついていた心が落ち着いてきてから、ふと疑問に思った。

｢というか、白石さんたちはどこまで知ってたんですか？｣

私は全て話した。だから、白石さんにも全て言って欲しい。

｢オサムちゃんにはな…真琴の母親が亡くなったのは聞いたけど…｣

そのあと少しため息をはいて、苦笑いをして言う。

｢せやけど、あの先生と真琴が不埒な関係やから解決しろ言われたんやけどな…まんまと騙されたわ。確かに考えてみればおかしな話やったけど、オサムちゃんやからなんも思わんかったわ｣


ハッハッハと大きく笑う。

きっと全部終わったから肩の荷がおりたんだろう。


渡邉先生が本当のことを隠したのは、気をつかってのことだろうか。

でもそれで勝手に不埒な関係にされると、それはそれで迷惑な気がするけど

終わったからもういっか


それよりも、これからのことを考えないと

｢私、テニス部のみんなに謝らなきゃいけないです｣

｢なんや急に？｣


白石さんが足を組んでこちらを見る。

私はあの時のことについて、少し罪悪感があった。