住めば都
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「妻は見捨てられたなんて思ってませんよ。病気のことだって、本当は教えたくなかったみたいですし。…あなたのことも言っていました」
私の隣に椅子を持ってきて、真っ直ぐ先生を見て言う。
その姿に、私は見入ってしまう。
「弟に申し訳ないことをしたって。病気のことを言って、弟が1番心配して、後悔していると。…弟は私の事大好きだからと、少し涙目で、でも少し笑ってましたよ。」
先生の手の甲に落ちる涙の音がポツポツと聞こえる。
「やっぱり姉弟ですね。そんな所も似るなんて…教育が素晴らしかったんでしょう。それに…」
そこで何も言わなくなったかと思えば、父は先生の手を強く握る。
どちらの顔もぐしゃぐしゃだった。
「妻は、家族のことが、あなたのことが大好きだと言ってたんですから」
私は俯くしかできなかった。
私がかけられる言葉も見当たらない
私はまだまだ子どもなんだ
そのあとは、お互いが感謝と謝罪をずっと繰り返していた。
まだまだ2人で言いたいことがたくさんあるのだろうか
私は先に帰っててくれと父に言われ、大人しく従った。
泣き続ける先生に、また来ます、と残して病院を出る。
外に出てから、一気に熱気が襲ってきて少し目眩がした。
陽射しがきつい、寄り道しないで、もう早く帰ってしまおう。
「お嬢さん、浮かない顔やな」
歩きだそうとしたところで、後ろから声をかけられる。
「…なんでいるんですか」
白石さんが腕をくんで壁にもたれて立っていた
私の隣に椅子を持ってきて、真っ直ぐ先生を見て言う。
その姿に、私は見入ってしまう。
「弟に申し訳ないことをしたって。病気のことを言って、弟が1番心配して、後悔していると。…弟は私の事大好きだからと、少し涙目で、でも少し笑ってましたよ。」
先生の手の甲に落ちる涙の音がポツポツと聞こえる。
「やっぱり姉弟ですね。そんな所も似るなんて…教育が素晴らしかったんでしょう。それに…」
そこで何も言わなくなったかと思えば、父は先生の手を強く握る。
どちらの顔もぐしゃぐしゃだった。
「妻は、家族のことが、あなたのことが大好きだと言ってたんですから」
私は俯くしかできなかった。
私がかけられる言葉も見当たらない
私はまだまだ子どもなんだ
そのあとは、お互いが感謝と謝罪をずっと繰り返していた。
まだまだ2人で言いたいことがたくさんあるのだろうか
私は先に帰っててくれと父に言われ、大人しく従った。
泣き続ける先生に、また来ます、と残して病院を出る。
外に出てから、一気に熱気が襲ってきて少し目眩がした。
陽射しがきつい、寄り道しないで、もう早く帰ってしまおう。
「お嬢さん、浮かない顔やな」
歩きだそうとしたところで、後ろから声をかけられる。
「…なんでいるんですか」
白石さんが腕をくんで壁にもたれて立っていた