第弐章
夢小説名前設定
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目を開ける。
目の前に広がるのは、まるでインクを溶かしたように青く静かな海。海の上を見上げると、陽光が差し込み、薄緑色に透けて見えた。
「知ってるか?」と男の声が響いた。「この世界には昔、175万種以上の動物がいたんだ」
男は楽しそうに笑った。その笑顔はどこか誇らしげで、周りに群れ集まる魚たちがまるで彼に引き寄せられるかのように動いている。雲のように、魚たちが一つの塊となって、海を彩っている。
「こんなにも、多くの動物たちがいたなんて……知らなかった」
私はその光景を見つめながら、ふと口をついてそう呟いた。
「同じ動物を愛する姉さんになら、もっと色々教えてやるよ!」
その言葉とともに、男の顔には生き生きとした輝きが宿り、彼の姿からは喜びが溢れていた。
私は目を閉じる。ほんの一瞬だけだ。
紅を塗ったように真っ赤な炎を身にまとい、剣の切っ先のような鋭い牙と爪を持つ火虎が私を守るように前に立ち、敵に対して唸り声を上げた。
「絵馬 十二。お前、まだ自分の能力に気づいていないのか?」
「何を言っている?」
「お前の能力は、今は宝の持ち腐れ。どうだ?こちらについて来れば、もっと力を開花させることも可能だ。紅丸 新門に並ぶ力を手に入れられるぞ。お前が求める真実も教えてやる」
その言葉に、あたりが沈黙に包まれた。自分が動揺しそうになるのを感じながらも、私は深呼吸してその感情を押し込めた。私は槍をくるりと回し、その先を敵に向け、怒鳴った。
「宝の持ち腐れだのなんだのは、あんたが決めることじゃない!私自身が決めることだ‼︎それと、私の大隊長は、新門 紅丸だ‼︎覚えとけェ‼︎!」
「これだから、原国主義者は……」
「火虎‼︎」
私は叫び、火虎が疾風のように敵に向かって駆け出した。
瞳を閉じる。
周りには、無数の声が交差していた。近くで聞こえる笑い声、遠くで響く足音、あまりにも多すぎて、何が何だかわからないほどだった。
「絵馬」
その声が、私の名前を呼ぶ。ゆっくりと、私は目を開けた。