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夢小説設定
この小説の夢小説設定本人曰く、至って普通の20代日本人。
国防長官ジョン・ケラーと面識があったため、大学院卒業後すぐ彼によって就職先を斡旋され… 現在人類と金属生命体の緩衝材として軍地基地に勤務中。
「私はジョンに騙されたの!!」…とのこと。
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昼下がりのフーバーダム。
現在、そこにはどう見ても違和感のある光景が広がっていた。
猛スピードのカマロと救護車の熾烈すぎるカーチェイス。
壁際でその様子を傍観している軍人が数名いるのだが、到底止めに入ることが出来る状態ではない。
しかも…
「頑張って、ビー!!!貴方の運転技術に私の命がかかってるんだからね~!!」
『わかってるよ!任せて!』
キキーッと華麗なドリフトをかますカマロの車内には風に長い髪を靡かせている一人の女性。
翡翠だ。そう、彼女は今必死だった。
そして、大好きな彼女を乗せたカマロ…バンブルビーも必死だった。
「あれ、本当に救護車なの?どんなエンジン積んでんのよっ!!」
『翡翠、おれもう無理かも…』
「お願いだから弱音吐かないで~…私だってもう泣きそうなんだから!」
…黄色い悪魔が迫ってくる。
こうして逃げ始めて、一体どれくらいたつか。
バンブルビーには申し訳ないのだが…今は頑張ってもらうしかない。その代わりと言ってはなんだが、あとで目一杯甘やかしてあげよう。
再びドリフトをかますカマロの中で振り落とされないように、翡翠が必死にシートにしがみ付いたその時。
『うわっ!!』
響き渡るバンブルビーの悲痛な叫び。
見ると後ろから追いかけてきている救護車から鎖のようなものが伸びて、カマロの後輪あたりに絡み付いている。
「な、なに!?」
『わわっ、まずいよ翡翠っ、降りてっ!』
「っきゃあ!!」
言うが早いか、バンブルビーは素早く・・・だけど怪我をしないように出来るだけ衝撃が少ないよう、翡翠を車外へと吐き出した。
その刹那、みるみるトランスフォームするバンブルビー。
あ…あの変態軍医め…
尻餅をついたお尻を擦りながら立ち上がる翡翠の前でバンブルビーは完全なロボットモードへと戻っていた。
おそらく、強制的にトランスフォームさせられたのだろう。ヤツなら…やりかねない。
『さぁ、もうこれ以上手を焼かせないでくれたまえ』
「『っ!!??』」
ビクッと体を竦ませる1人と1体の前にもう1体のトランスフォーマー…オートボットの軍医、ラチェットだ。
翡翠が先程から命がけで逃げていた張本人。
「うぅ…っ!!」
『待ちたまえ』
「っ!!!」
最後の力を振り絞って、ダッシュをしようとした瞬間、ガシッと首根っこを掴まれる翡翠。
「嫌っ!!嫌だぁぁ、ビー!ビィィィィ!!!」
『うわぁぁぁ、翡翠~!!』
叫びながら必死にお互いの手を伸ばし合う翡翠とバンブルビーを見て、ラチェットは頭を抱えた。
自分は…こんなに大騒ぎさせるようなことを言っただろうか。
いや、どう考えても言っていないはずだ…
『やれやれ…翡翠、すぐに済むから』
「嫌よ!まだ死にたくないっ!!」
『おれだって翡翠とお別れなんて嫌だ!翡翠のこと大好きなんだからっ!!!』
「ビー…私も大好きよっ!!」
今度は大告白大会である。
盛大にため息をついたラチェットは説得することはもう諦め…翡翠を軽々と持ち上げると、その場から踵を返した。
向かう先は自分のラボだ。
それがわかっているから、翡翠も黙っていない訳なのだが。
だが、その時。
大きな扉がゆっくりと開き、オプティマスまでやってきた。その横には何故かボロついているジャズも控えている。
『な、何をやっているのだ?』
驚いたようにカメラアイを何度も瞬きしているオプティマスの目に映っているのは、まるで子猫のようにプラーンと首根っこを掴まれたまま持ち上げられている翡翠の姿。
「オ、オプティマス~…」
『バンブルビー、お前もダメだったのか』
『え?もしかして、ジャズも??』
『俺なんか、囮にされた上に乗り捨てられたぜ…』
『…あぁ、だからそんなにボロボロなんだね…』
お前はまだ良い方じゃねぇか…と。
項垂れるジャズに頷くことしか出来ないバンブルビー。
そんな2人を片隅に、今度はオプティマスとラチェットが対峙している。
『ラチェット、翡翠がどうかしたのか?』
『研究に協力して欲しいと頼んだだけなのだが…返事を聞く前に逃げられてな』
『……………』
プラーンと持ち上げられたまま、目の前のオプティマスをひたすら見上げ、“救助要請”を訴え続ける翡翠。
もうこうなってしまった以上、この司令官が最後の砦だ。
『もちろん丁寧に扱うつもりだし、危険なこともさせない』
『いや、しかしラチェット。翡翠は嫌がって』
「嫌よ!!それに人間のデータならこの間エップスさんで十分取ってたじゃない!!」
そう言いながら、ビシッと壁際を翡翠が指差すとその先にいた軍人・エップスはビクッと肩を震わせた。
彼にとっては思い出したくもない出来事だ。
『ふむ』と顎に手を当てて、ラチェットが一言。
『それなのだが、人間には2種類いることが最近わかったのだ。もう一方のデータを取らねば』
「だから、何で私っ」
『ココで女性は君だけではないか』
「……………」
一瞬の沈黙。
そして…
「余計嫌よ、そんなの!!セクハラ軍医~~~っ!!!」
必死になって逃れようと足をばたつかせたため、尚高く持ち上げられる翡翠。
ちらりと見れば、壁側にいるエップスが盛大に顔を逸らした。
あれ…今、反動で涙が散った…??
目元で何かがキラキラして見えました、けど…
もう、私だって泣いちゃいたい。
いっそ泣いてしまおうか。
だがその時…
『待てラチェット。そういうことであれば、私も黙って行かせる訳にはいかない』
ついに救いの手が差し伸べられた。
「オプティマス~」と縋るような視線を向ける翡翠に『うむ』とオプティマスは頷いて。
『翡翠の体のことなど、私一人が知っていれば良いことだ』
「ぎゃぁぁぁ!!何爆弾発言投下してんのぉぉぉぉぉっ!!!」
え、何?
今の、どういうこと??
目が点になっている一同の中、動じていない者がたった一人。
『ふむ、それならば更に興味深い。我々金属生命体と有機生命体がいかなる接続を』
「そこっ、暴走しないで!!」
『翡翠っ、何を怒って』
「アンタも黙るっ!!」
『…す、すまない』
オートボットの仮説居住区、フーバーダムは…
今日も平和です。