Bumblebee
夢小説設定
この小説の夢小説設定本人曰く、至って普通の20代日本人。
国防長官ジョン・ケラーと面識があったため、大学院卒業後すぐ彼によって就職先を斡旋され… 現在人類と金属生命体の緩衝材として軍地基地に勤務中。
「私はジョンに騙されたの!!」…とのこと。
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「来ちゃった」
外は暗闇に包まれ、とうに日付も跨いでいる。
そんな時間に彼女はやってきた。
いつも使っているブランケットを手にしている彼女を見て、バンブルビーは静かにため息を零した。
『“眠れないのかい?”“お嬢さん”』
「ふふっ、お嬢さんだなんてジャズみたい」
そう言って笑う翡翠を、そっと運転席を開けることで招き入れる。
薄暗い運転席におさまった彼女は相変わらず小さくて…
『……………』
「ビー?」
『“今は2人きり”“他の男の名前を口にするのは”…“妬けるな”』
「あっ、ごめん、そんなつもりじゃ…」
ハッとした表情を見せる翡翠が愛おしくて、すぐに言葉を選ぶとラジオから流す。
ツギハギの言葉だけど、彼女はいつも好きだと言ってくれるラジオの声。
『“怒ってないよ”“そんな顔、しないで”』
今すぐロボットモードになって、翡翠の頬をそっと撫でてやりたいと思った。
けれど、自分の運転席にゆっくりと体重をかけ、持ってきたブランケットにくるまっている彼女を見ると、それも出来ない。
こうして会いに来てくれたことはバンブルビーだって当然嬉しい。
ただ…肩口まですっぽりとブランケットに包まれている翡翠を見ていると、どうしても心配が先に立つ。
『“今夜も冷えるでしょう。暖かくしてお休みください”』
「え?」
『“風邪をひいたらどうするの?”』
ラジオから聞こえてくる母親と思しき女性の声に翡翠も「あぁ」と気が付いたように声を漏らす。
でも、その後すぐににっこりと笑って…
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫…いつもビーが寒くないようにしてくれるもんね」
いつもありがとね、と続ける彼女の言葉にラジオの声ではなく、きゅううと音を出して答えるバンブルビー。
それは、そうだけどさ…と言っているように思えて翡翠がまた微笑んだ。
もちろん、ブランケットを持ってやってきた彼女の姿が見えると同時に車内を暖め始めていたから、図星なのだけど。
人間には肌寒いであろう格納庫の中。
徐々に暖まっていくカマロの車内で、翡翠が心地好さそうに瞳を細める。
そんな彼女の存在に触れ、バンブルビーも自分のスパークが満たされていくのを感じて気持ちが穏やかになっていった。
昨日まで、任務で戦場にいたことすら信じられなくなるほどに、静かに時間が流れていく。
「私ね…」
その時、しばらく黙っていた翡翠が静かな声で話し始めた。
「今日は眠れなかった訳じゃないの」
『………?』
「せっかくビーが任務から帰ってきてるのに、一緒にいないなんてものすごくもったいないなぁって…思っちゃって」
『…“寂しかった?”』
「うん、すごく…」
コクリ、と頷きながら翡翠がそっとハンドルに手を触れてくる。
おれもだよ、と…すぐに言いたい気持ちでいっぱいなのに、自分の声でそう伝えられないことがもどかしい。
「任務が大切だっていうのはちゃんとわかってるんだけどね…でも、1分でも、1秒でも…長く一緒にいたい」
『……………』
…そんなこと、サラリと言わないでよ…
翡翠のことが愛おしいと伝えたい気持ちが大きすぎて、ネットから探してきてラジオに乗せるだけの言葉では…到底伝えきれない。
『“いつ、どんな時だって、僕は君の側にいるよ”“ぼくの恋人”』
今伝えられる精一杯の言葉をラジオから流すと翡翠は頬をわずかに染め、ふんわりと微笑んだ。
いつか自由に話せるようになったら、この気持ちを思うまま彼女に伝えよう。
宇宙の中で誰よりも…一番に君を愛しているって。
そう心に決めて、そっと翡翠が座るリクライニングを下ろした。
数週間ぶりの再会。
自分との時間を惜しんでくれた彼女が、良い夢を見られることを願って…
【サラリと言わないで欲しい】
「…もう、寝ないとダメ?」
『“ダメだよ”』
「…どうしても?」
『“子守唄を歌ってあげましょうね”』
「あっ、そんな穏やかなBGMが流されたら本当に寝ちゃうよ…ずるいなぁ…」
『“何がだい?”』
「だって、ビーは寝る必要がないんでしょ?それって私の寝顔見放題、ってことだよね?」
『………っ!?』