Optimus
夢小説設定
この小説の夢小説設定本人曰く、至って普通の20代日本人。
国防長官ジョン・ケラーと面識があったため、大学院卒業後すぐ彼によって就職先を斡旋され… 現在人類と金属生命体の緩衝材として軍地基地に勤務中。
「私はジョンに騙されたの!!」…とのこと。
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「え?」
その時、君は普段から大きな瞳をますます大きくして固まっていた。
「何?オプティマス?」
壁に掛けられた時計がそろそろ日付の変わり目に差し掛かる。
ベッドに腰掛け、朝に備えて目覚ましをセットしようとしていた翡翠の手から、ひょいと時計そのものが取られてしまって…
驚いて顔を上げるといつの間にか横に立っていたオプティマスが穏やかに微笑んでいる。
その手には、今まさに翡翠がいじっていた時計が当然のように乗っていた。
「返して?それがないと、私起きられない」
「オプティマスじゃないんだから」と笑う翡翠の表情に吸い寄せられるようにその額へと唇を落としたオプティマス。
キョトン、としている翡翠をよそに、一度離れると手にしていた時計の背面を調整し…そっとベッドサイドへと戻した。
『もう少し、ゆっくり寝ていて構わない』
「ダメだよ。この時間じゃオプティマスは完全に遅刻よ?」
くすくす笑いながら、再び時計へと手を伸ばした翡翠の細い手首をやんわりと掴み…オプティマスはゆっくりと首を横に振った。
金属生命体であるオプティマスには寝坊という概念すらない。
本来ならば目覚まし時計も必要ない。
これは、翡翠のための目覚まし時計だった。
どうしても出掛けるオプティマスを見送りたい。
出掛ける前の時間を一緒に過ごしたい。
そんな翡翠の愛らしい希望を叶えるために、随分前にオプティマスが買ってきた物だ。
「意地悪…目覚まし無しで私が起きられるか、試そうとしているの?」
『いや、そうではない』
「じゃあ…何?」
手首を掴んでいた手をゆっくりと翡翠の小さな掌へと滑らせ、その甲へとオプティマスが唇を落とす。
「ごまかさないで」と頬を真っ赤にしながら言う彼女に愛しさが込み上げた。
『私も、朝の時間を今までよりもゆっくりと過ごすことが出来るようになったのだ』
「…どういうこと?」
首を傾げる翡翠にオプティマスは微笑みながら口を開いた。
その内容に翡翠はただ唖然としてしまうだけ。
すぐにはその言葉の意味を理解出来なかった。
そういえば…今朝は随分早くに家を出ていったし、帰りも遅かった。
ただ忙しかっただけだと思っていたけど…まさか…
「基地が…移動した…?」
そんなこと、思いもしなかった。
『そうだ。ディエゴガルシアからワシントンへ移ったのは大きい。陸続きで行けるからな…君が淹れてくれるコーヒーをおかわりする時間も十分にあるだろう』
そう言った瞬間。
オプティマスは体に感じた柔らかな衝撃を優しく抱きとめた。
背の高いオプティマスの首に精一杯背伸びをして腕を回している翡翠。
彼女が辛くないように、わずかに屈んだオプティマスの耳元で翡翠の笑う声がした。
「すごい!どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」
『すまない。君があまりに楽しそうに今日の出来事を話していたから、聞き入ってしまっていた』
「もう…」
オプティマスが帰宅してからの自分のマシンガントークを思い出し、少々悔やみつつ…
翡翠は照れくさそうに頬を膨らませていたが、オプティマスの大きな手でゆっくりと髪を撫でられて、またすぐに笑顔が零れた。
「朝、今までよりもゆっくり出来るなら、ちょっと良い豆を使ってコーヒーを淹れてみるのもいいかも!」
『今のままでも十分満足しているよ』
「ううん、朝だけじゃない。夜も、もう少し2人で夜更かし出来るようになるかもしれないね!」
翡翠の言葉にオプティマスは何度か瞬きをした後に、そっと視線を逸らした。
『…そ、そうだな』と何処か歯切れの悪い返事に翡翠は首を傾げる。
どうかしたのか聞いてみるが、当の本人は視線を逸らしてまま口元を覆っているのみ。
本当に小さな声で『いや…』とだけ聞こえた気がした。
「嬉しくないの?」
『何がだ?』
「せっかく、2人で過ごせる時間が少しでも増えたのに…」
『翡翠…嬉しくない訳がないだろう』
そう言いながらそっと翡翠の頬を両手で包む。
本当に幸せそうに微笑む彼女を見て、オプティマスは無性に良心が痛んだ。
“夜更かし出来る”
…そう言った彼女の言葉に他意はない。
おそらく翡翠としては会話の時間が増えるとか、一緒に映画を見る時間が出来るとか…そういうことに喜びを感じているのだろうが。
反するかのように、思わず男女の“そういうコト”を考えてしまったオプティマス。
時間が出来るのならば、少しでも長く彼女を抱いていたい。
ヒューマンモードとなることで、思考もより人間に近付く…と言っていたラチェットの言葉をふと思い出した。
…これも、人間の“男”の性…というモノなのだろうか…
目の前で嬉しそうに…無邪気に微笑んでいる翡翠。
これでは、自分が大変“悪い男”になった気分だ。
内心困惑しつつ、自分の思考を誤魔化すように…オプティマスは翡翠の唇へそっと口付けた。
【無自覚と言う名の罪】
『翡翠…前から思っていたのだが、君は少々無防備すぎるようだな…』
「…え?」