Sideswipe
夢小説設定
この小説の夢小説設定本人曰く、至って普通の20代日本人。
国防長官ジョン・ケラーと面識があったため、大学院卒業後すぐ彼によって就職先を斡旋され… 現在人類と金属生命体の緩衝材として軍地基地に勤務中。
「私はジョンに騙されたの!!」…とのこと。
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おいおい、何だってこんなとこにいるんだよ…
まず第一に思ったのはそれだ。
ディエゴガルシア。
最近、ココにある施設が移設された。
最初からオートボットの居住の場として考えられていたらしく、格納庫以外の場所でもさほど窮屈は感じない。
元々体が大きなオプティマスなどはどうかわからないが、特別大型でもないサイドスワイプにとっては十分な広さが確保されていた。
『……………』
そんな彼は今、思わず足を止め…
その場にしゃがみ込むようにして、ある1点にジッとカメラアイを向けている。
『お~い、こんなとこで何やってんだ…?』
わずかに声を落としながら聞いてみるものの、返事は返って来ない。
その小さな体をそっとスキャンすると、どうやら自分たちで言うところのスリープモードに近い状態になっているらしい。
ふと、この惑星に住む人間という種族は定期的にスリープモードを取り入れなければ活動を維持できない…と聞いたのを思い出した。
その時は『何て効率の悪い種族だ』と半ば呆れたものだが…
まだ地球に来て日が浅いサイドスワイプがこうして実際に寝ている人間を見るのは初めてで。
『……………』
思わず目の前にしゃがみ込み、観察を始めてしまったのだ。
当の本人、翡翠はそんなことに気が付くはずもなく今も夢の中。
椅子に座ったまま、という不安定な体勢ではあるもののそれなりに深い眠りに入っているらしい。
『何だよ…徹夜でもしてたのか…?』
返事が返って来ないのはわかっているが、サイドスワイプは小さく呟いた。
そのカメラアイが翡翠の膝の上に置かれたままの書類へと向けられる。
近くのデスクには立ち上げたままのパソコン。
少し息抜きに…と椅子ごと窓辺に行って、そのまま眠りの世界へ落ちていってしまったのだろう。
やっぱり、効率の悪い種族だな…とサイドスワイプは小さくため息をついた。
そのまま立ち去ろうとしたのだが…
「…ん…」
翡翠が突然身じろぎ、思わずビクリと動きを止めるサイドスワイプ。
体勢が辛くなったのだろうか。
わずかに腕を動かした後、彼女からは再び静かな寝息が聞こえ始め、そんな様子が聴覚センサーへと穏やかに届いてくる。
『…って、何で俺がホッとしなきゃならないんだよ…』
はぁ、とため息をつくサイドスワイプだが、何故か翡翠から目が離せない。
眠っている、というだけで人間はこうも印象が変わるものなのか…
普段低い位置から見上げてくる大きな瞳も今は閉じられ、コロコロとせわしなく変化する表情も今はただ穏やかなだけ。
そんな彼女には何処か大人っぽい印象すら受けて、サイドスワイプはその場から動けなかった。
「…ん、う…」
再び身じろぐと同時に一瞬だけ口元を引き締めるように閉じた翡翠。
今はまたうっすらと開かれた唇から静かに寝息が洩れているのみだが…
『面白いもんだな…俺たちがスリープモードの時は動いたりしないってのに』
そもそも、人間でいう睡眠と金属生命体でいうスリープモードでは根本的なところが違うんだろうな…などと思いながら、サイドスワイプは無意識のうちに翡翠の頬へと指を伸ばした。
先程、口元を引き締めた時に目に入った頬があまりにも柔らかそうで…
ほとんど無意識だった。
『……………』
慎重に…そっと触れた指先に伝わってきた感覚に思わず息を飲む。
暖かくて、柔らかい…初めての感覚に言葉が出てこなかった。
何故かスパークに熱が集まる。
サイドスワイプは戸惑ったように指先を離した。
もう一度触れたい気持ちが沸き上がってくるが、今は異常に熱を持ってしまったスパークが邪魔をしてそれどころではない。
立ち上がり、その場を去ろうとしたその時。
起きかけているのだろうか…翡翠がまた小さく動き、その口元がわずかに笑ったような気がした。
『な、何なんだよ…』
思わず顔を背けるサイドスワイプ。
だいたい、何故こんなところで無防備に寝顔を晒しているのか。
本来人間が睡眠を取る時は体を横たえ、冷えないように布団というものを羽織るはず…
少なくともサイドスワイプが検索した情報ではそうだ。
ゆっくりと立ち上がり、高い位置からもう一度翡翠を見下ろすと、本来の姿とはあまりにもかけ離れている今の状態にまたため息をついた。
『ったく…人間は風邪ってのもひくんだろ?本当に効率の悪い種族だよな』
そう呟いた言葉が完全に照れ隠しであることは自覚済み。
ココには今、寝ている翡翠とサイドスワイプ自身しかいないのが幸いした。
『…布団ってのは、どこに行きゃあるんだ…?』
今は眠っている翡翠に見られるはずはないのだが…不覚にも照れてしまった顔を背けながら、そう呟いた。
地球に来て日が浅い上に、このディエゴガルシアの基地もサイドスワイプにとってはまだまだ不慣れ。
そのうえ、人間が使う物の場所などわかるはずがない。
それでも、人間はもちろんのこと、この翡翠という1人の女性にまで強い興味を抱き始めている自分に少し驚きつつ、サイドスワイプは他のオートボットたちに分かる者がいないか尋ねるべく、回線を開いた。
【寝顔は天使か小悪魔か】
「…う、ぅん…」
『お、起きた』
「…あれ、サイドスワイプ?…どうしたの?」
『いや、別に…(おいおい、タイミング悪すぎだろ)』
「…あれ?私、毛布なんてかけて寝たっけ?」
『さぁな…(だから、俺がようやく見付けてきたんだって)』
「なに?私の顔、じっと見て…」
『……………(やっぱ、寝てる時と随分雰囲気が違うもんだな…面白ぇなぁ)』
「お~い、サイドスワイプ~?」