上弦集結
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とある屋敷の一室
スゥ……と開いた背後の襖に目を向けると
馴染みのあり過ぎる人物が、面食らったように此方を見ていた
「あ?なんだ、お前も呼ばれたんかァ?」
襖の向こう、客間に居た人物
胡座に腰掛け、片手にお萩を持って寛いでいた風柱 不死川実弥は、現れた人物に手招きをしてから、モシャリとお萩に食らいついた
「うめェ。」
「随分な寛ぎ様だ。」
「なんか話があるっつゥから来てみたらお萩出されてよ、食ってた。」
「…………。」
……なんだそれは
「呼び出した当人は?」
「さァ?」
「なんの話があるか…、」
「…は、聞かされてねェ。……伊黒も茶ァ呑むか?」
「……頂こう。」
理由も明かされぬまま呼び出されたというのに、不死川の落ち着きようは流石というか、甘味を前にしては人を疑うということも彼は忘れてしまうらしい
やれやれと不死川の隣に腰掛け、用意された茶を一口含み、何の為に呼び出されたのかと思案するのも面倒になった伊黒がさて一息着こうかとした時に
スパ───ッン!!
『おいーッス!お待たせ…ん?あれ?【二人はズッ友コンビ】だけ?他の人は?』
現れたのは
「……御堂ー……。」
「貴様は静かに部屋に入って来れんのか?」
未来から大正時代にやって来た、御堂静流
「静流!!襖を開ける時はもう少し丁寧に開けなさい!!」
と、その師匠である煉獄杏寿郎
「お前達も呼び出されたのかね?」
「うむ!何やら大事な話があると言われてな!」
隣に腰掛けた伊黒が煉獄と会話をしている最中、新たな登場人物に視線を向けながら、不死川のお萩を食べる手は止まらない
何となくもう不死川は分かっているのだ
此処に自分が呼ばれて、伊黒、静流、煉獄が来たとなれば
「あらあら、皆さんお揃いで。」
「白々しいぞォ、胡蝶ー。」
「南無…一体何の集まりか?」
『悲鳴嶼さんおつー!』
「皆、すまない…待たせた。」
「ふん、気にするな。誰も冨岡を待ってなどいない。」
こうなるワケだ
そして
ガタンッ!
しゅたっ!!
「よぉよぉ!!集まったなお前ら!!」
「?!?ウォオオオォッ?!」
『杏寿郎ー、襖どうのより天井から登場って方がダメだろ。』
「うーん、最もな言い分だが、宇髄は家主だからな!!」
「きゅ、急に出て来んじゃねェェー!!」
お萩を貪る不死川の前に、呼び出した当人の宇髄が華麗に降り立ち、本日の主要な人物はこれで勢揃い
さて
宇髄も登場したところで、ここらで私は退散させてもらう
以後は彼等の台詞のみでお楽しみいただきたい
決して
面倒になった訳では無い
「で、何故私達を此処へ呼び出したのですか?」
「おっと焦んなよ、胡蝶。…なぁお前達!二月に公開された鬼滅の刃 遊郭編 刀鍛冶の里編の映画、観たか?」
『!あたしそれ観たぞ!!』
「皆でイ〇ンに観に行ったな!!」
「甘露寺の活躍する場面が多いからな。観ないわけがない。しかし、刀鍛冶の里編は放送を前に全俺が物議を醸している。アレを世界中で観られていると思うと……っ!!」
『実弥ちゃん、玄ちゃん出た時ちょっと泣いてた。』
「泣いてねェッ!!俺に弟はいねェ!!」
「南無、誰も弟だとは言っていないが。」
「炭治郎と時透と不死川弟は、現場で仲良くやっているらしい。」
「だから俺に弟はいねェッつってんだろ!!」
「…あの…まさかとは思いますが、それを聞く為に我々を呼び出したわけではないですよね?」
「そのまさかだ!!なんと本日!!音柱邸にて!!鬼滅の刃映画公開を記念して【上弦だよ!全員集合!遊廓・刀鍛冶の里座談会】を開催することにした!!派手だろ?!」
「じゃ、私は仕事に戻りますね。」
「うむ!俺も鍛錬が残っているのでな!」
「お萩ごっそーさん。」
「さて、町で桜餅でも買って帰るかな。」
「猫の餌の時間だ、失礼する。」
「俺は特に何もないが、とりあえず失礼する。」
「こらこらお前ら待て待て。」
『え、みんな帰っちゃうの?面白そーじゃん?』
「御堂は付き合ってくれるようだぞ?良かったな宇髄。」
「お前らも参加するんだよっ!!」
「俺らで座談会してどォすんだ。アレか?お前褒めて欲しいンだろ?」
「違うわっ!!」
『まぁまぁ、要はつまり映画の感想を皆で言い合おうってことだろ?!いーじゃん、楽しそう!』
「だろ?静流、お前よく分かってるな!!」
「作品について語るのは確かに楽しいですが、アニメ派のオタクにはネタバレになってしまいますし、それを我々が語るという設定がもう……古過ぎるんですよ。」
「そんな設定は既に御伽話だ!!」
「更に、万一管理人が混ざりでもしたら、生殺与奪の権を自ら差し出すも同じ…っ!」
「!…冨岡貴様、経験者か…?」
『でもさー、こんなサイトまで来て夢を読むなんて相当に飢えた限界夢オタクだぞ?そいつらは気にしなくていーだろ。いちおーネタバレ注意ってのも書いてあるわけだし。』
「こら静流!オタクをそのように言うものじゃないぞ!!」
「南無、需要があるから供給があり、オタク達はこれを自らで永久機関としている。夢然り、BLTL然り、ループ嫌われif女体化男体化成り代わりロリショタオメガバケモ化百合寝取られ死ネタ救済転移転生逆行クロスオーバー…!…どんなオタクであろうと、我らにとっては第二の創造神も同然。オタクを軽んじる言動は控えなさい。」
「その守備範囲の広さ……未熟な俺とは違う。」
「お前、地雷多そうだもんな?」
「!…やはり、経験者なのかね…?」
「なんか色々やらされてんなァ?」
「悲鳴嶼さんの言う通り、オタクのお陰で我々はこうして自由に動けるのですよ。決してそれを忘れてはいけません。」
『わーった、それはごめんなさい。…じゃ、やっぱ座談会はやんないってこと?』
「うむ、いや、作品について語り合うというのは悪いことではないと思う!」
「まァなァ、俺ァ寧ろ語りてェこと多いけど。」
『玄ちゃんのとこな?』
「だァれが玄弥の兄ちゃんだってんだ!!」
「あーわかったわかった、兎に角管理人が出て来なきゃ良いんだろ?」
「え、まぁ、そう、ですね?……え、ちょっと何を、」
「……おい!管理人!!絶対ぇ出て来んなよっ!!!」
「ぅあぁあぁあああっ!!?一体何のつもりですか?!?!」
「ヒッ?!?!語りかけた、だと……?!!」
「判断を間違えたな?!一番の悪手だぞそれは!!!」
「とっても恥ずかしいっ!!もう宇髄を直視出来ない!!!」
「南無猛烈共感性羞恥也逃亡不可避陀仏!!」
「え?え?なんだァ?!何しやがったァ?!!」
「あーあー!!!うっせえっ!!始めるぞっ!!」
『ったく、古のオタクはめんどくせーな。』
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