銀魂(夢)短編集
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君と団子と猫と僕
木々の葉が消え、天まで伸びる小枝の先まですらりと見える季節の正午。
この時期にしては穏やかな気候の今日この時間は、眠気を誘うような温もりが江戸に溢れていた。
子供達の楽しそうな声が響くのどかな公園。
日だまりの中にしゃがみこんで、何やら小動物をじっと見つめている君に声をかけた。
「なにしてんのー、総悟」
薄茶色の髪が風にそよぐ。
声をかけられた当人はびくともせず、ただ、少し気を抜いたような表情で口を開いた。
「ネコの調教」
「へぇー調教!それは良……はっ?調教?エサやってるんじゃなくて?」
「そうみえるかィ?」
そう答えると総悟は、自分で買ってきたであろう団子をネコの目の前で食べ出した。
ネコはじっと団子をみつめていたけど、勿論それをあげる様子は全くない。
最後の一個のとこでネコが総悟にすり寄ると、彼はなにかをボソッといいながら団子をネコに食べさせた。
お、なかなかいい一面持ってるじゃん。全部食べちゃうかと思った。
と見直していたのだけど、団子を食べ終わったネコはまるで総悟の奴隷のような態度で彼のいうことをきいていた。
櫛捨ててこい………
靴舐めろ…………
汚したの全体舐めろ……
肩揉め…………
パン買ってこい…………
「………総悟フィルターをかけたら躾にみえました」
「そいつァ利口な判断だ」
しかも後半なんか無理なこと言ってたよね?
全てをこなすネコがもうネコにみえませんでした。
「お前も団子食う?ほら」
「え?」
総悟が何でもないような顔で私に団子を差し出す。
えっ、
「それも躾ですか…?」
「は?」
いや、欲しいけど、
いつもなら「欲しい?あげないけど」とか言いながらぜーんぶ食べちゃうのに、
「だ、だって…」
「………」
いやいやいや、
なんでそんな「なに言ってんだコイツ」みたいな目でみてくるんだ!?
「…そんなに躾て欲しいんかィ。生憎だが俺ァMは嫌いなんで」
「え!?Sなのに!?いやMじゃないけど」
「抵抗する相手をねじ伏せんのが楽しいんでさァ」
「へ、へぇ…
(SM界奥が深すぎだろ…)
……あっ!!団子が!!」
総悟の言葉に深く考え込みながらも目の前の団子を食い入るように見つめていたら、
総悟の膝の上にいたネコが突然、団子を狙ってハイジャンプしてきた
シュバッ!!
「!?」
一瞬何が起こったかわからなかったけど、
すぐ後に口に広がるタレの甘さと、目の前に首根っこを掴まれ震えるネコがなんとなーく状況を理解させた
「凛の団子にテメェなーにしてんだよ?あ?しばくぞ?」
「ニャアアアアア…!ニャア……!!」
「ニャアアアアアじゃわかんねーんだよニャアアアアア!!ちゃんと謝ってくんねーかニャアアアアア!!」
あの、総悟さん、自然と語尾がニャアアアアアになってますニャアアアアア。
そんなツッコミをしつつ、総悟の足元で土下座するネコを見ながらもっしゃもっしゃと団子を食べていたら、総悟がこちらに話しかけてきた
「凛、団子美味いか?」
「おー、おいひー、うん…」
急にに話しかけられた上、まだ口の中に団子があって上手く喋れなかったけど、それを聞いた総悟は満足げな声色で
「そりゃ良かった。」ですって。
「ふ、ふふっ、」
なんだかおかしいね。
って呟くと、
「…なんでィ」
と言って、
微かにだけど、笑った。
「めんどくせーけどこれから仕事らしいから」と、片手をヒラヒラさせながら立ち去って行く彼の背中を見つめ、
私は震えるネコを抱き上げて膝の上に乗せた
「ニャー」
-END-
旧サイトにて、キリリクで書いたものでした
タイトルは完全に響きが良いってだけです
猫はかわいい ニャー
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