緋色ノテフ(長編)
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「一番隊隊長補佐、だって…?」
「あぁ。」
沖田に持ってきた書類(どうせ始末書ばかりだろう)を揃えて机の上に置く土方と、その近くに座って話をきく沖田。
隊内の話はちゃんとするんだ…って今すげェ失礼な事考えた
「それは俺だけじゃ一番隊まとめんには役不足って事ですかィ?」
この質問も、予想の上だったんだろう。
「なにいってんだよ、お前が仕事しねーから近藤さんだって心配してんだよ」
土方はなるべく沖田を触発しないように話した。
「沖田隊長、これからもよろしくお願い致します」
俺も土方のフォローに続き、二度目の挨拶をする。
「…」
「…俺はこれから見回りだ。武鳶、すまねぇがあとはお前らで今後の話をしてくれ。総悟」
「なんですか」
「いじめたりすんなよ?」
「…はい」
沖田が珍しく素直に返事する。
何故かってそりゃ、既に俺はいじめられてるからですよ、マヌケな副長サン。
部屋を出ようとする土方の背中をみながら、俺は心の中でそう呟いた。
ストン。
襖の閉じる音が静かな空間に響き、ムカつく野郎の足音が消えた。
本当、ムカつく
何もかも勝手に近藤さんと決めやがって
どーせ俺とコイツの反りが合わないようだったらまた決め直すつもりだろ
俺には話さずに…
絶対そんなことさせねェ
これ以上近藤さんとアイツを近付けねェ
そう思う事がまた罠だったとしても
コイツが俺と近藤さんを引き離す為の番犬だったとしても
手懐けて引きずってやる
土方さんでも柊一でもねェ
近藤さんに一番近付くのは俺でさァ
「…隊長?」
数分間、黙り込んでただ土方が出ていった襖を睨み付けている。
えーっと…
「…とりあえず書類、片付けておきますね」
そう言って先程土方が置いていった書類に手を伸ばす。
パシッ
「…なんですか」
腕を強引に掴んで引っ張ろうとする沖田
「痛いです」
力はこちらの方があるんですから。
なんて独り言には全く興味ナシのようで
「っと…!」
仕方ない、少しよろめいてみるかなんて馬鹿らしい事を考えたり
こういう余裕ぶるの、あんまり好きじゃないんだけど…
ドサッ
案の定沖田の上に倒れこんだ俺
もし沖田が女だったら死活問題かな…誤法度とか言われてさ、あはは…
とか余裕で考えられたらどれ程良かったか
「いってェ!なにすんでさァ柊一!!」
馬鹿だろ、
本当に
「なん…」
で
隊士の皆さんはこんなに焦ってここに集まるんだ?
5-END