緋色ノテフ(長編)
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『兄ちゃん!』
『ただいま、柊』
『今日は何をおしえてくれたの?はやくお話のつづきが知りたいって松陽先生に伝えてよ!』
『柊、今日はね、愛することについて学んだんだ』
『…愛する…こと?』
『ああ。人や動植物などの生き物はもちろん、器物だって…そうだ、柊が大切にしているその刀だって、愛を注いで大切にすることはとても素晴らしいことなんだよ。』
『これはとーちゃんとかーちゃんが大事にしてたもんだからだ!』
『そうだな。……柊は、ソイツが一番大事か?』
『………うん!』
『………そうか………………柊、兄ちゃんはな、お前が一番大事だよ』
『ほんと!?俺も兄ちゃん大切だよ!』
『ああ、ありがとう。
………………愛してるよ、柊』
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「――――っ!!」
なんだ……今のは……
昔の………俺……
「……まだ日は出たばかりか…………」
今からまた寝るには時間が無さ過ぎる。
ちょっくら散歩でもしてくるか………
「どこで寝てんだよお前ら………」
しばらく道を歩いていると、ゴミの積まれた山の中に昨夜見たはずの奴らが埋まっていた。
「グガーッ!ゴガーッ!」
「エリザベスゥウウウ!!ナースコスは俺の前だけでと言ったではないかァアアア!!………グー…グー…」
「…っるっせェな起きやがれ!」
ドガッ!!
「……むふぁっ、柊か……どうした?」
「どうしたじゃねーよ、なんてとこで寝てんだ、普通の道端だぞココ」
「……一生の不覚………」
「ほらとっとと起き上がりやg「エリザベスゥウウ「んだよホントうっせェなさっきから!お前のフィアンセかそいつは!!」
「エリザベスは桂のペットだ」
「へぇー…ってどうでもいいわ、コイツは端に寄せとけばいつか誰か拾うだろ、行くぞてっちゃん」
「ああ…うっ、イテテ…」
俺は桂をそのまま置き去りにし、鐵を担いで屯所へ戻った。
そういやァ、昔もこうやってコイツを担いだっけか。
人がほぼいない町で感傷に浸ると、寒空が少し肌に染みた。
10.5‐END