御幸 一也
いい夢見てね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
彼氏である一也からの連絡を受け、朝練が終わるのを昇降口で待っていた。
「わりぃ、みゆ。待たせた」
と、マフラーで口を隠し、少しだけ鼻を赤らめながら一也は私の前に現れた。
「いや、全然待ってはないけど」
私はコートのポケットに忍ばせていた手を取り出し、
持っていたカイロを一也の鼻へ押し当てた。
「鼻も隠しなよ、真っ赤になってる。寒そう」
「・・・・・・・・・」
「・・・なにまじまじと見てんの?変態」
そう言って、一也の目を自分の掌で隠しながら茶化す。
「いや、俺の鼻よりもみゆのその素足の方が寒そうだなって」
冬のピークは過ぎたとはいえ、まだまだ寒いこの時期に
私はというとスカートを太ももが半分ほど見える位置まで短くして履いている。
「寒いけど、可愛いから我慢してんの」
「変な虫が寄ってくるからやめなさい」
「一也がいるから、虫除けはバッチリです」
「みゆはいつも可愛いから心配なんだよ」
なんて、朝から小っ恥ずかしい台詞を、イケてる顔で、イケてる声で言うな。
私よりも、絶対に一也の方に変な虫が寄ってくるじゃん!!!
「・・・ばかずや。」
「照れてる顔も、かーわい」
付き合う前は、一也がこんなに溺愛する人だって知らなかった。
付き合ってからは、私は毎日甘やかされている。
「っと、本題本題」
一也はガサゴソと自分の鞄の中を漁り、何かを探す。
「あったあった、わりぃ、ちょっとぐちゃぐちゃ」
「なんの話?」
「これ、みゆに。」
渡されたのは、可愛らしくラッピングされている小さな小包。
「・・・なに?これ」
「あっはっは、やっぱり。忘れてるし」
一也は笑っていた。
「今日、バレンタインだろ」
「え!・・・・・・14日。本当だ」
ポケットに忍ばせたスマホの画面を覗き、日付を確認する。
一也を待っている間、思っていたけど、
どうりで、男女生徒共にいつもよりもソワソワしている人が多いわけだ。
「ごめん!私、何も用意してなくて・・・」
付き合って初めてのイベントだというのに、
私はすっかり頭から抜け落ちていた。
今までこういったイベント事には興味を示していなかったため
テレビや雑誌などで特集されていたが気にも留めていなかった。
「そんなことだろうと思った」
一也はといえば、怒るどころかむしろ楽しそうだった。
「こういうのって、男子から送るものじゃなくない?」
貰っておいてこんなことを言うのもなんだが、
私が知っているバレンタインといえば、
女子から気になる男子にチョコレートを渡している。
すると一也は誇らしげな顔をしていた。
「バカだな、みゆちゃん。
男から送る方が、ロマンチックなバレンタインだろ」
「そういうもんなの?」
「海外では、男性から女性に送るのが普通ってところもあるんだぜ」
「・・・なるほど」
まだまだ奥が深いな・・・バレンタイン。
「ま、俺はバレンタインだけにとどまらず、
毎日毎日みゆに気持ち伝えていきたいけどな」
一也はキョロキョロと周りを見渡し、
隠れるように、バレないように一瞬だけ、唇を合わせすぐに離れた。
「ばかっ、ここ、学校・・・」
少しだけ一也を睨むが、嬉しい気持ちのほうが大きいのは内緒。
「大丈夫だって。誰にも見られてねぇか
「キャキャキャキャ、キャップ!!!
あんた、学校でなんて破廉恥なことを!!!」
途中で一也の声が掻き消され、声のする方へ驚いて顔を向けると
仁王立ちして顔を赤らめながら、こちらに指を指している沢村くんと
何も言わずにただただ頷いている降谷くん。
2人の後ろには、沢村くんよりも更に顔を真っ赤にしている小湊くん。
「・・・見られてんじゃん!ばかずや!!!!!」
恥ずかしさのあまり、思いっきり一也の頬をビンタしてしまった。
そして、急いで3人の前から走り去った。
「・・・バカ村。見てても声出すなよ」
一也はため息をついて、後輩3人を集め、昼放課、私に謝りに来た。