御幸 一也
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頬を寄せ合い、幸せそうに笑う2人。
サングラスを頭に乗せ、海でかき氷を食べてる2人。
ベットに寝転がり、くっついている2人。
お揃いのTシャツを着て、ポーズを取る2人。
それぞれのクラスTシャツを着ながら、文化祭を楽しんでいる2人。
他にもたくさん、たくさんある。
なのに、卒業式の時に撮った制服姿の写真を最後に
2人の写真が更新されることはなかった。
高校生活を思い返すと、一也でほとんど埋め尽くされる。
強豪野球部の一也は、私の大好きな自慢の彼氏だった。
一也も私のことが大好きで、学校公認のカップルだった。
一也が引退するまでは、
もちろん2人で遊ぶ時間なんて全くなかったし、
デートだってほとんどしてない。
それでも私は全然よかった。
学校にいる時は、一也とずっと一緒だったから。
文化祭や体育祭など、2人で過ごせそうな時は全部一也と過ごした。
それだけでも、私は十分、幸せだった。
卒業しても、ずっと一也と一緒だって信じてた。
一也が私以外を好きになるなんて、思ってなかった。
一也と別れるなんて、思ってなかった。
一也が私のそばから離れるなんて、思ってなかった。
でも、その時は突然やってきて。
他の人を、好きだと言った。
私と過ごした時間は、偽りだった。
他の人とも、付き合ってた。
どうして一也は私を選ばなかったんだろう。
どうして一也は、他の人とも付き合ってたの?
そもそも私が、遊びだったの?
そんな事実を知っても私は一也を諦めきれない。
また戻ってきてくれるって信じてやまない。
一也が、高校時代から付き合っていた恋人と結婚したニュースを見た。
私も一也と、付き合っていたのに。
私と彼女じゃ、何が違うの?
なんで私が選ばれなかったの?
どうして一也はその人が好きなの?
2人の写真は、全て偽りで、
本気で思っていたのは、私だけだった。
本気で好きだったのは、私だけだった。
今も消せない写真を見ながら、
私はずっと、泣き続けた。