御幸 一也
いい夢見てね
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スコアブックを読んでいる時の御幸は、だいたいいつも私の話を聞いてない。
それをいいことに、私はあることを思いつく。
「ねぇ、御幸」
「んー」
「今から御幸の好きなところ挙げてくね」
「んー」
しめしめ。
愛しの可愛い可愛い彼女に好きなところたくさん言われて、赤面すればいい。
と、にやにやしながら言い始める。
「まずはやっぱり、野球してる姿が誰よりもかっこいい!」
もちろん、私が惚れた最大の理由。
「意外と後輩思いなところ!」
文句言いつつ、いつも後輩投手の面倒とか見てるよね。
「性格悪いけど、ちゃんと人のこと見てるところ!」
いつも一言余計だから、残念ながら友達は少ないけど
私の少しの変化も見逃さないから、すぐに気づいてくれる。
「なんだかんだ言って、私のわがまま聞いてくれるところ」
わがままな私が、御幸とこうやって付き合っていられるのも
御幸の寛大な心があるから。
なんてつらつら言ってると、御幸がふとこちらに視線を移した。
さすがの御幸でも、私の話に気づいたようだ。
「あとは、顔がイケメンなところ」
その顔で見つめられたら、惚れない女子はいないよ。
「それと、声もイケメン」
御幸に名前を呼ばれるだけで、私は幸せな気持ちになるの。
「スタイルもいいし、筋肉も最高」
鍛え上げられた体は、いつ見ても私をドキドキさせる。
「………黙って聞いてれば、好き放題言ってんね」
なんて言いながら、読んでいたスコアブックを閉じた。
そして、腕を組みながら椅子に浅く座り直す。
「あ!待って待って!
まだいちばん大事なこと言ってないから」
と、机に両腕で頬杖つきながら
「でも、いちばん好きなところは、私を大好きなところかな」
って言って、思いっきり笑うと
さすがの御幸も照れたのか、あっそ、って恥ずかしそうに目を逸らした。
「あれ、照れた?」
なんてにやにやしながら御幸に問い詰める。
「じゃあ次、俺の番な」
って言って、にやりと笑った。
あ、待ってこれはまずい。本能的にそう思った私は
「え!いーよいーよ、言われなくてもわかってるし!」
ってあたふたしながら、席を離れようと立ち上がると
御幸に手を掴まれて、ダーメ、って席に座らされる。
「ちゃんと聞けよ?」
って真っ直ぐ目を見て言ってくるから、私は動くことができない。
この男、自分がイケメンなの自覚してるな。
自覚してるから、こうやって顔で私に圧かけてくるんだ!
くそ!!なんでこんなにイケメンなの!
ってひとりで思いながら、御幸に掴まれた手を離そうとする。
離してくれたと思ったらすぐにまた掴まれて、指を絡めて繋ぎ直す。
「なんといっても、いちばんは笑顔が可愛いところ」
空いている手で、私の頬を触る。
「ちょ、触んないで…よ」
急に触れられた頬が熱を持ち始める。
「それから、好きなことに一生懸命なところ」
頬を触っていた手は、すぐ横にある耳へ移動し優しく揉み始める。
「やっ、やめてっ…てば、」
なんて言っても「やだ」って子どもみたいに言って触り続ける。
「それから、俺のことめっちゃ好きなとこも好き」
耳を触る手で、そのまま髪の毛の間へ移動して優しく髪をかきあげる。
「この、綺麗な髪の毛も好き」
そう言った御幸が、いつも以上に優しい表情をしていて、調子が狂う。
「………もう、いい、よ」
と、頬を真っ赤に染めて言えば
「先に始めたのは、白石だろ?」
なんてにやにやするから、
こんなことしようと思った数分前の私を心底恨んだ。
「あと、白くて細いこの指も好き」
握っていた手を離し、私の指を御幸のゴツゴツした指が優しく撫でる。
「私だって…、御幸の指、好きだし…」
と、捕まっていない方の手で、御幸の指をさする。
「まだ、俺の番」
なんて、髪を撫でていた手でおでこに軽くデコピンを喰らう。
痛っ!なんて言ったけど、本当は全然痛くない。
いつも、優しく扱ってくれる御幸らしい。
「………もう、十分、だってばぁ…」
これ以上言われると、恥ずかしさと嬉しさでおかしくなりそうだ。
「じゃあ、これで最後な」
と言って顔を近づけ、私の大好きな声で
「ベットで俺の名前呼ぶ時の、可愛い顔がたまらなく好き」
なんて耳元で囁くもんだから、
私はさらに恥ずかしさでいっぱいになり、一気に頬を赤らめた。
「ばっ、ばか!アホ!変態!ド変態!!!」
なんて言って睨みつけるが、
はっはっは、ってすごく満足そうな顔をしてる御幸を見て
やっぱり好きだなぁ
なんて思ってしまう私は、心底御幸にハマっている。