倉持 洋一
いい夢見てね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
教室の窓から外を眺める。
グラウンドには野球部がわらわらと集まり始めていた。
大勢の部員の中から、洋一を見つける。
「また御幸くんと絡んでるし、本当仲良いなぁ」
ひとり呟きながら見つめる。
私の日課は、野球部の練習を横目に見ながら教室で本を読むこと。
漫画だったり小説だったり、いろいろ。
6時を過ぎる頃には教室には誰もいなくなるので、本を閉じ野球部の練習を見る。
洋一が、大好きな野球を頑張っている。
それを見るのが、私は好き。
グラウンドに礼をすると、練習が終わるサイン。
それと同時に私は教室を後にする。
下駄箱に着くと、「お疲れさん」と声をかけられ、
視線の先には私の大好きな人。
「…洋一も、おつかれさま」
嬉しさでニヤける顔を我慢できずに、ふふっと笑う。
「顔、ニヤけてんぞー」と、洋一も笑う。
「洋一だって、笑ってるじゃん」
と、今度は2人で笑う。
こんなささいなやりとりが、私は好き。
下駄箱から校門までの距離しか一緒にいられないから、
ふたりで、ゆっくりと歩く。
野球部の話、特に御幸くんと沢村くんが多いんだけど
あーだこーだ言いながら楽しそうに話す洋一が好き。
「そいえば、みゆがこないだくれた差し入れ、めちゃくちゃ美味かった」
「何回言うの、それ。毎日言ってない?」
「そんくらい、美味かったってこと」
気持ちを、素直に伝えてくれる洋一が好き。
あっという間に校門に着く。
今日の放課後デートは、ここでおしまい。
「帰り、危ねぇから気をつけろよ。
親、心配してねぇ?大丈夫か?」
心配性な、洋一が好き。
「毎日じゃないし、大丈夫だよ。
お母さんにも遅くなる時はちゃんと言ってあるし。
そいえば、また、遊びにおいでねって言ってた」
「まじか。緊張すっけど、それは嬉しいな。
今度のオフにでも、また行くわ」
少し照れくさそうに笑う、洋一が好き。
「じゃあまた明日ね、洋一」
「おぅ、また明日。
みゆ、家着いたら連絡しろよ」
恥ずかしそうに、手を小さく振りながら私を見送る洋一が好き。
ありふれた、私たちの日常。
こんな平和な、日常が好き。