血のつながらない姉が二次元に夢中で俺の気持ちに全く気づいてくれません!(番外編)
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「……大丈夫か?」
最寄り駅へ向かう途中、あまりにグロッキーな顔色の姉に声をかける。
「………………、だいじょばない……」
今日は第一志望の高校の入試の日。二人して同じ学校を受験するのだが、姉は緊張のあまり昨晩ほとんど寝られなかったらしい。そういえば、昔から遠足やヒーローショーの日は楽しみにしすぎて体調を崩していたっけ……。
「ていうか、何でアンタはそんなにいつも通りなの……?」
「え? 毎日勉強してきた成果を出すだけだろ?」
幼い頃からサーカスの舞台で人前に出ていただけあって、克巳は『ここ一番』に強い。普段の登校時とまったく変わらない様子に、いつものみすずなら『何その余裕! ムカつく―!』とぷんぷんするところだが、今朝はそんな元気もなく何も言い返してこない。
自分のことより姉の方が心配になってくる。二人そろって合格できれば、また三年間同じ学校に通えるという下心を抜きにしても……。
慣れない朝の電車に乗り込んだが、想像していたよりかは混んでおらず内心安堵する。しかし姉は相変わらずひどい顔で吊革に捕まっていて(むしろぶら下がっているに近いかもしれない)、今にもぶっ倒れてしまいそうだ……。
運よく、一つ目の駅で大半の乗客が降りてくれた。空いた座席にやれやれと腰を下ろすが、みすずの方は立ったままだ。
「座れよ」
「……座ったら寝ちゃいそうだし、寝たら永遠に起きられないような気がして……」
「着いたら起こしてやるから」
「……」
「早く座れよ」
何度か促した挙句ようやく座ったかと思うと、一分も経たないうちに克巳の胸板に頭を預けてすこんと寝入ってしまった。
克巳はしばらく姉の寝顔を見つめていたが、自分の太腿の上に乗せられた右手を握ると、姉の膝の上にそっと置いた。
「はー、終わった終わった!」
帰る道すがら、みすずはうーんと伸びをした。朝は今にも死にそうな顔だったが、行きの電車内の仮眠で少しすっきりしたのと、午前中の教科の出来がよかったらしく、昼休みに仮眠を挟みつつ午後にはすっかり調子を取り戻したという。
「克巳は? どうだった?」
「ん、まあ、できたかな」
しれっと答える弟に、思わず悪態をつく。
「何その余裕! アンタは本当に昔からかわいげがないんだから」
「ハア? そっちこそ姉貴のくせに全然頼りにならないし、今日だって俺のこと枕代わりにぐーすか寝てただろ」
「そ、それは、起こしてやるって言ってくれたから安心しちゃって……」
「……」
不意打ちのデレ発動にドキッとしてしまう。
「克巳の身体ってふわふわして柔らかいから、気持ちよくて……」
こんな、肉体関係があると思われそうな発言をするのはわざとだろうか? 聞いているこちらが赤面してしまう。
「安心できるっていうか、……そう、まるで……」
(ま、まるで……?)
固唾をのんで後に続く言葉を待つ。
「まるで……、お母さんに抱っこされてるみたい……」
「お、お母さん…………?」
まさかのはしご外しに開いた口が塞がらない。
「子供の頃、夜中にトイレに行った後、お母さんの布団に入った時みたいに……」
「そ、それはッ……」
古い記憶が甦る。小さい頃、夜中に目を覚ましたみすずが克巳の布団に入ってきて、ぎゅっと抱きついて胸の辺りにごしごしと顔をこすりつけてくることが何度もあった。その度に、普段よりも早くなる鼓動の音が聞こえやしないかと思っていた……。
「母さんじゃなくて、……俺だッ!」
「エッ!?」
「お前が、母さんの布団と間違えて俺の布団の中に入って来てたんだよッ!」
「……そうだったの?」
「……覚えてないのか?」
「うん、てっきりお母さんとばっかり……」
覚えていないのは本当らしい。しかし、どこの世界に母親の身体と弟の身体を間違える奴がいるというのだ……。
みすずは頬を赤らめている。母親と思って甘えていたのが実は弟だったと知り、さすがに恥ずかしくなったのだろう。が、すぐに反撃に出た。
「だ、大体アンタが鍛えすぎてるからでしょ!」
「ハア!? それ、俺のせい!?」
確かに子供の頃から筋骨たくましく、姉から「やわらかーい」と胸などを揉まれていたが、それにしたって言いがかりにもほどがある。
「そうだよ! こんな……」
そう叫ぶとみすずの両手が克巳の広い胸を覆った。学生服の上からとはいえ、指はずぶずぶと胸筋に沈み込み、確かめるようにゆっくりと揉みしだかれる。
「何これ! 男のくせに私より巨乳なんじゃない!?」
「ちょっ、揉むなッ!」
ちょうど指と指の間に乳首が挟まり、指が動くたびにきゅっきゅっと刺激される。そうすると腰のあたりがむずむずして力が入らない上に、このままだと勃つのも時間の問題……。
「やめろって!」
下半身の変化に気づかれたくなくて、思わず乱暴にみすずの腕を引きはがしてしまった。姉の方も克巳の勢いに押され、しゅんとして「ご、ごめん……」と謝る。内心しまったと思いながら、
「お、俺だってお年頃なんだから、気安く身体に触るんじゃありません!」
「……はあい」
わざと冗談めかして言うと、姉も笑顔に戻った。
その後、克巳の自慰のメニューに乳首弄りが加わったのは言うまでもない。