サロルンリムセ
おくられてきたもの
最後に人間を送り込んで来た日から十年程は経ったかな?
思いついたかの様に唐突に人間を送ってくると言う。
あのパソコンなる物、埃塗れだったが良く通信できたな。驚きだ。
まだここを覚えていたのかとも思うし人間とは本当に懲りない生き物だなとも思う。
まあ、何千年経っても戦が無くならないのだから当たり前だな。
さて、今日の奴等はどうしてやろうか…と、色々考えていたのだが、いきなりドンと庭からデカい音が聞こえ、次にズズズと地響きが腹に伝わり、最後にメシャと潰れる?崩れる?なんだか分からん高い音が響き渡った。
皆一斉に抜刀し庭に出て殺気を放つ。
霊力の弱い者はこれだけで大体卒倒するから楽でいい。
音の元はこの本丸の表門が崩壊した物だった。
かなり高く土煙と誇りが舞っている。
今回の奴等は随分と手荒だな。 一発で門と塀を破壊しやがった。
まぁ、その方が戦闘のしがいがあると言うものだ。
少し落ち着いた頃、以前は門だった物の上を何か動く物が見えた。 人だとは分かるが、えっちらおっちら…本当にこの言葉が合う動きがあるとは知らなかったが…両手両足で上がって来るにも関わらず、たまに躓き、穴に手を嵌め、顔を打ちながらも少しずつ少しずつ此方に近づいてくる。
……………って言うか遅っいな!!
皆、呆れて構えを解いて見ている。
中には納刀した物もいる。その気持ちわかるぜ。
埃も何も全部治まって暫くした頃漸くそいつはこちら側に辿り着いた。
まるで亀のようだった。
…ちなみにこちらは二振りが中に戻りここに居るのは三振り、俺と江雪と小狐丸だ。
俺も中に戻ろうかとも思ったが、十年振りに来る人間がどんなものか見てみたかった。
要するに好奇心だな。
相手は複数かと思っていたが、どうやら物凄い時間を掛けて門を越えて来たこの一人きりらしい。
しかも女人ときた。
俺達をいまだ侮っているのか、それとも今度の奴に何かあるのか…まあ、門塀をぶっ壊して入って来る程肝の座った女だが…
はたまた、お上に上手く誑かされてここにおくられ俺達に処分でもさせようとしているのか……
可哀想で哀れな雛鳥だと言う事は間違い無いな。
女人のくせに白の狩衣に白い袴姿で随分と親近感が湧く様な装束を纏っている。
見ている限りかなり一生懸命埃を払い落としているが、手が汚れている為広げている様にしか見えないんだが。こいつ阿呆か?
ついと顔をあげ姿勢を正す。
その面はまあまあ、そこそこ見れるといった所か。汚れてなければ。
この時代の女人には珍しく南蛮物の香の薫りも漂って来ない。今は埃の臭いが漂ってるが。
「皆様、お初にお目にかかります。私は陰陽師寮、神道呪術専門課の結界師でございます。」
凛とした声が本丸に響き渡った。
今の所わかった事は魂魄だけは随分と澄んでいて美しい。
最後に人間を送り込んで来た日から十年程は経ったかな?
思いついたかの様に唐突に人間を送ってくると言う。
あのパソコンなる物、埃塗れだったが良く通信できたな。驚きだ。
まだここを覚えていたのかとも思うし人間とは本当に懲りない生き物だなとも思う。
まあ、何千年経っても戦が無くならないのだから当たり前だな。
さて、今日の奴等はどうしてやろうか…と、色々考えていたのだが、いきなりドンと庭からデカい音が聞こえ、次にズズズと地響きが腹に伝わり、最後にメシャと潰れる?崩れる?なんだか分からん高い音が響き渡った。
皆一斉に抜刀し庭に出て殺気を放つ。
霊力の弱い者はこれだけで大体卒倒するから楽でいい。
音の元はこの本丸の表門が崩壊した物だった。
かなり高く土煙と誇りが舞っている。
今回の奴等は随分と手荒だな。 一発で門と塀を破壊しやがった。
まぁ、その方が戦闘のしがいがあると言うものだ。
少し落ち着いた頃、以前は門だった物の上を何か動く物が見えた。 人だとは分かるが、えっちらおっちら…本当にこの言葉が合う動きがあるとは知らなかったが…両手両足で上がって来るにも関わらず、たまに躓き、穴に手を嵌め、顔を打ちながらも少しずつ少しずつ此方に近づいてくる。
……………って言うか遅っいな!!
皆、呆れて構えを解いて見ている。
中には納刀した物もいる。その気持ちわかるぜ。
埃も何も全部治まって暫くした頃漸くそいつはこちら側に辿り着いた。
まるで亀のようだった。
…ちなみにこちらは二振りが中に戻りここに居るのは三振り、俺と江雪と小狐丸だ。
俺も中に戻ろうかとも思ったが、十年振りに来る人間がどんなものか見てみたかった。
要するに好奇心だな。
相手は複数かと思っていたが、どうやら物凄い時間を掛けて門を越えて来たこの一人きりらしい。
しかも女人ときた。
俺達をいまだ侮っているのか、それとも今度の奴に何かあるのか…まあ、門塀をぶっ壊して入って来る程肝の座った女だが…
はたまた、お上に上手く誑かされてここにおくられ俺達に処分でもさせようとしているのか……
可哀想で哀れな雛鳥だと言う事は間違い無いな。
女人のくせに白の狩衣に白い袴姿で随分と親近感が湧く様な装束を纏っている。
見ている限りかなり一生懸命埃を払い落としているが、手が汚れている為広げている様にしか見えないんだが。こいつ阿呆か?
ついと顔をあげ姿勢を正す。
その面はまあまあ、そこそこ見れるといった所か。汚れてなければ。
この時代の女人には珍しく南蛮物の香の薫りも漂って来ない。今は埃の臭いが漂ってるが。
「皆様、お初にお目にかかります。私は陰陽師寮、神道呪術専門課の結界師でございます。」
凛とした声が本丸に響き渡った。
今の所わかった事は魂魄だけは随分と澄んでいて美しい。