書く習慣アプリ 2024/7/23~8/31
・だから、1人でいたい。
もうこれ以上思い出を増やしたくないんです。
私にこれを抱えていく勇気はないんです。
喜びや楽しさより、いずれ重荷になってしまう未来が怖いんです。
お願いだからどうか1人にしておいて。
きっとその方が幸せだから。
きっとその方が耐えられるから。
惨めでも、寂しくても、辛くても、それでもきっと1人でいることに安心するだろうから。
・明日、もし晴れたら
今日も日記に傘マークを描く。
昨日も、一昨日も、その前も。
気づいたらずっと傘マークしか描いてない。日記を書いてる時は明日こそ天気が変わると思っているんだけど、いざ今日を振り返ってみると、やっぱり傘マークを書いている。
やだなぁ。これからもずっと同じ雨模様なのかな。
晴れなくてもいい。せめて雨が止んでくれたらいいのに。
窓越しの星空に祈りながら今日も傘マークを描く。
明日こそどうか晴れますように。
・病室
ここには何でもある。
いつだって好きな本を読んで好きな世界に行ける。
好きな音楽を聴いて好きな感情に浸れる。
好きなお菓子を満足するまで好きなだけ食べられる。
ここに私を傷つける人はいないし、私を否定する人はいない。
私好みにレイアウトされた大好きな私の部屋、どうか私の心が治るまで好きなだけいさせてね。
・目が覚めるまでに
もう遊べない遊具で遊ぼう。
もう食べられないものをいっぱい食べよう。
もう行けないお店で買い物しよう。
もう読めない雑誌で笑おう。
もう会えない人とお話しよう。
全部夢だけど。
全部夢だから。
思いっきりやりたい事をしておこう。
いつか目が覚めても思い出さなくなる日まで。
・つまらないことでも
校長先生の長い話とか雨の日でやることが無い部活動とか、どうしたってつまらない時間でも、君といたから思い出の1つになってるんだ。
だから君も、たまにはこの気だるくて少し面白かったあの時間を、どうか私の知らないところで振り返っていて欲しい。
・鐘の音
17時だよー、と健気に教えてくれるあの音は今の子供達にも効力があるのだろうか。
思えば昔の俺にも確かに効いてたはずなのに、いつからあの音が耳に響かなくなったのか。
暗い帰り道が怖くなくなってから?
家に帰る事よりも優先しなきゃいけない事が増えたから?
もう身の危険を案じる人がいなくなったから?
まぁ理由はなんだっていいか。
今の俺にあのチャイムはなんの意味も効力もないのは事実だし。
でもまぁ出来ることなら、大人になった俺だって、あの音と一緒にまっすぐ家に帰りたい。
・太陽
ちゃんと見て欲しい。
もっと近づいて欲しい。
ずっと触れていて欲しい。
目をそらさないで、距離なんか取らないで、躊躇わないで、1人の人間として向き合って欲しい。
形だけの褒め言葉なんていらない。
頼って欲しいんじゃない。
"私"を"私"として理解して欲しかった。
・最初から決まってた
"最初から決まってた"?
そんなのただの言い訳じゃないか。
既に未来が確定してるなら、その間に起きた出来事や積み重ねてきた時間は必要無いでしょうが。
己が決めた選択や己に抱えてる後悔を「運命」だの「宿命」だの、そんなつまらない言葉で誤魔化すんじゃねえ!
・蝶よ花よ
可愛らしいあの子の姿を、私はそう簡単に褒めたりなんかしない。
既に出来上がった"完成品"のあの子を、私は雑に評価なんてしない。
見えない所に彼女の良さと成果が詰まっているのだから、誰が見ても分かるところだけを愛さないでほしい。
僻み?嫉妬?どうぞご勝手に。
私はそんな事で彼女の価値を下げたりなんかしないし、そんじょそこらの人間より私は彼女を分かっているので。
分かっているからこそ、私は彼女を褒めないし評価しない。
・上手くいかなくたっていい
「もっとカッコつけたかったのに」
少し不服そうに言う君。
確かに、世間一般のやり方と比べちゃうとちょっとだけカッコ悪かったかも。
しかも一世一代の大勝負。予定通りに決めたかったよね。
でもそんな事、申し訳ないけど私には関係なかったんだ。
君がちゃんと覚悟して決めたこと。
君がそれをちゃんと伝えてくれたこと。
それが分かっただけで、もう十分カッコイイと思ってるよ。
だから、
「こちらこそ、不束者ですが宜しくお願いいたします」
これからも素敵なあなたの傍に居させてね。
・終点
おかしいな。
最初はこっちの方角なんて望んでなかったのに、気づいたら考えていた方向と真逆の方へ向かってたなんて。
不思議だな。
ちゃんと行先は決めてあったのに。なんでこっちにいるんだろう。
悔しいな。
まさか自分がここまで方向音痴だなんて思わなかったよ。
悲しいな。
どうして誰も間違いを教えてくれなかったの。
辞めたいな。
もうどこにも行きたくない。
・麦わら帽子
思い出話。
幼稚園の方針で夏は麦わら帽子を着用していた。
各々が用意する関係で帽子のデザインはみんなバラバラだった。
私のはひまわり柄の帯がついた可愛らしい麦わら帽子で、その帯を見ただけで私の心をひまわり畑へと連れていってくれた。
たった2年間。
しかも夏の期間だけしかかぶることの無かったあの帽子は、今でも思い出の中で幼い私の夏をずっと輝かせてくれている。
・君の奏でる音楽
優しく撫でると柔らかい音色。
軽く叩くと跳ねるような音色。
爪で弾くと小気味いい音色。
道具を使うと激しい音色。
締めると高くなっていく音色。
色んな音を奏でてくれる、素直で手のかかる私の可愛いパートナー。
どんなに汚れても綺麗に拭いてあげる。
どんなにボロボロになっても直してあげる。
あなたの全てを愛してあげる。
だから、私が飽きるまで大事に使わせてね。
・心の健康
肝臓がダメになりかけているらしい。
健康を気にしていたのにも関わらず。
先生から詳しい説明を聞かされているが、ショックで殆ど耳に入らない。
実はここの先生ってヤブ医者だったりしないか?
だって先生、アンタ言ってたじゃないか。
病は気からって。
だから俺は毎日楽しく生きるために頑張ってたのによ。
なのに肝臓"だけ"おかしいって。
本当にそう思ってるのか?
「とりあえずお酒は控えましょう」
分かってるよそんな事。
でも病院行って治らねぇもんは何かで誤魔化すしかねぇだろ。
酒を止めたらそれこそおかしくなっちまう。
なぁ先生。もう一度ちゃんと検査してくれよ。
アンタ名医なんだって?だったら肝臓以外の悪いところだって治せるだろ。
頼むよ。
俺から薬を奪わないでくれ。
レモンと炭酸で出来たアイツじゃないと俺は治らなかったんだ。
薬と入院だけじゃ意味無かったんだ。
リハビリなんて意味無かったんだ。
頼むよ先生。
嘘でもいいから健康って言ってくれ。
そしたらそのまま楽になれるはずなんだ。
・自転車に乗って
思い出話。
小学生の頃、近所の悪ガキに連れられ全く知らない道を自転車で走った事がある。
親と普段通らない道、しかも自宅からかなり遠くまで走っていったので内心バレたら怒られるんじゃないかとヒヤヒヤしながら道中を走ってた気がする。
最終的にはやや大きめの公園に着いて夕方までそこで遊んでいたのをうっすらと覚えている。
"いつかもう一度来てみよう"
そう思っていたがどうやってあんな所まで行ったのか分からず、結局後にも先にもあの道を走ったのはこの1回きりとなってしまった。
大人になった今でもあの道への行き方や公園の名前は分からずにいるし、気づいたら連れて行ってくれた子の顔や名前さえも思い出せなくなってしまった。
もし子供の頃に戻れるならもう一度あの住宅街と見知らぬ公園を悪ガキと一緒に走り回ってみたいものだ。
……でも出来ることなら車で走りたい。
と、大人の私がワガママを言ってるのはここだけの話。
もうこれ以上思い出を増やしたくないんです。
私にこれを抱えていく勇気はないんです。
喜びや楽しさより、いずれ重荷になってしまう未来が怖いんです。
お願いだからどうか1人にしておいて。
きっとその方が幸せだから。
きっとその方が耐えられるから。
惨めでも、寂しくても、辛くても、それでもきっと1人でいることに安心するだろうから。
・明日、もし晴れたら
今日も日記に傘マークを描く。
昨日も、一昨日も、その前も。
気づいたらずっと傘マークしか描いてない。日記を書いてる時は明日こそ天気が変わると思っているんだけど、いざ今日を振り返ってみると、やっぱり傘マークを書いている。
やだなぁ。これからもずっと同じ雨模様なのかな。
晴れなくてもいい。せめて雨が止んでくれたらいいのに。
窓越しの星空に祈りながら今日も傘マークを描く。
明日こそどうか晴れますように。
・病室
ここには何でもある。
いつだって好きな本を読んで好きな世界に行ける。
好きな音楽を聴いて好きな感情に浸れる。
好きなお菓子を満足するまで好きなだけ食べられる。
ここに私を傷つける人はいないし、私を否定する人はいない。
私好みにレイアウトされた大好きな私の部屋、どうか私の心が治るまで好きなだけいさせてね。
・目が覚めるまでに
もう遊べない遊具で遊ぼう。
もう食べられないものをいっぱい食べよう。
もう行けないお店で買い物しよう。
もう読めない雑誌で笑おう。
もう会えない人とお話しよう。
全部夢だけど。
全部夢だから。
思いっきりやりたい事をしておこう。
いつか目が覚めても思い出さなくなる日まで。
・つまらないことでも
校長先生の長い話とか雨の日でやることが無い部活動とか、どうしたってつまらない時間でも、君といたから思い出の1つになってるんだ。
だから君も、たまにはこの気だるくて少し面白かったあの時間を、どうか私の知らないところで振り返っていて欲しい。
・鐘の音
17時だよー、と健気に教えてくれるあの音は今の子供達にも効力があるのだろうか。
思えば昔の俺にも確かに効いてたはずなのに、いつからあの音が耳に響かなくなったのか。
暗い帰り道が怖くなくなってから?
家に帰る事よりも優先しなきゃいけない事が増えたから?
もう身の危険を案じる人がいなくなったから?
まぁ理由はなんだっていいか。
今の俺にあのチャイムはなんの意味も効力もないのは事実だし。
でもまぁ出来ることなら、大人になった俺だって、あの音と一緒にまっすぐ家に帰りたい。
・太陽
ちゃんと見て欲しい。
もっと近づいて欲しい。
ずっと触れていて欲しい。
目をそらさないで、距離なんか取らないで、躊躇わないで、1人の人間として向き合って欲しい。
形だけの褒め言葉なんていらない。
頼って欲しいんじゃない。
"私"を"私"として理解して欲しかった。
・最初から決まってた
"最初から決まってた"?
そんなのただの言い訳じゃないか。
既に未来が確定してるなら、その間に起きた出来事や積み重ねてきた時間は必要無いでしょうが。
己が決めた選択や己に抱えてる後悔を「運命」だの「宿命」だの、そんなつまらない言葉で誤魔化すんじゃねえ!
・蝶よ花よ
可愛らしいあの子の姿を、私はそう簡単に褒めたりなんかしない。
既に出来上がった"完成品"のあの子を、私は雑に評価なんてしない。
見えない所に彼女の良さと成果が詰まっているのだから、誰が見ても分かるところだけを愛さないでほしい。
僻み?嫉妬?どうぞご勝手に。
私はそんな事で彼女の価値を下げたりなんかしないし、そんじょそこらの人間より私は彼女を分かっているので。
分かっているからこそ、私は彼女を褒めないし評価しない。
・上手くいかなくたっていい
「もっとカッコつけたかったのに」
少し不服そうに言う君。
確かに、世間一般のやり方と比べちゃうとちょっとだけカッコ悪かったかも。
しかも一世一代の大勝負。予定通りに決めたかったよね。
でもそんな事、申し訳ないけど私には関係なかったんだ。
君がちゃんと覚悟して決めたこと。
君がそれをちゃんと伝えてくれたこと。
それが分かっただけで、もう十分カッコイイと思ってるよ。
だから、
「こちらこそ、不束者ですが宜しくお願いいたします」
これからも素敵なあなたの傍に居させてね。
・終点
おかしいな。
最初はこっちの方角なんて望んでなかったのに、気づいたら考えていた方向と真逆の方へ向かってたなんて。
不思議だな。
ちゃんと行先は決めてあったのに。なんでこっちにいるんだろう。
悔しいな。
まさか自分がここまで方向音痴だなんて思わなかったよ。
悲しいな。
どうして誰も間違いを教えてくれなかったの。
辞めたいな。
もうどこにも行きたくない。
・麦わら帽子
思い出話。
幼稚園の方針で夏は麦わら帽子を着用していた。
各々が用意する関係で帽子のデザインはみんなバラバラだった。
私のはひまわり柄の帯がついた可愛らしい麦わら帽子で、その帯を見ただけで私の心をひまわり畑へと連れていってくれた。
たった2年間。
しかも夏の期間だけしかかぶることの無かったあの帽子は、今でも思い出の中で幼い私の夏をずっと輝かせてくれている。
・君の奏でる音楽
優しく撫でると柔らかい音色。
軽く叩くと跳ねるような音色。
爪で弾くと小気味いい音色。
道具を使うと激しい音色。
締めると高くなっていく音色。
色んな音を奏でてくれる、素直で手のかかる私の可愛いパートナー。
どんなに汚れても綺麗に拭いてあげる。
どんなにボロボロになっても直してあげる。
あなたの全てを愛してあげる。
だから、私が飽きるまで大事に使わせてね。
・心の健康
肝臓がダメになりかけているらしい。
健康を気にしていたのにも関わらず。
先生から詳しい説明を聞かされているが、ショックで殆ど耳に入らない。
実はここの先生ってヤブ医者だったりしないか?
だって先生、アンタ言ってたじゃないか。
病は気からって。
だから俺は毎日楽しく生きるために頑張ってたのによ。
なのに肝臓"だけ"おかしいって。
本当にそう思ってるのか?
「とりあえずお酒は控えましょう」
分かってるよそんな事。
でも病院行って治らねぇもんは何かで誤魔化すしかねぇだろ。
酒を止めたらそれこそおかしくなっちまう。
なぁ先生。もう一度ちゃんと検査してくれよ。
アンタ名医なんだって?だったら肝臓以外の悪いところだって治せるだろ。
頼むよ。
俺から薬を奪わないでくれ。
レモンと炭酸で出来たアイツじゃないと俺は治らなかったんだ。
薬と入院だけじゃ意味無かったんだ。
リハビリなんて意味無かったんだ。
頼むよ先生。
嘘でもいいから健康って言ってくれ。
そしたらそのまま楽になれるはずなんだ。
・自転車に乗って
思い出話。
小学生の頃、近所の悪ガキに連れられ全く知らない道を自転車で走った事がある。
親と普段通らない道、しかも自宅からかなり遠くまで走っていったので内心バレたら怒られるんじゃないかとヒヤヒヤしながら道中を走ってた気がする。
最終的にはやや大きめの公園に着いて夕方までそこで遊んでいたのをうっすらと覚えている。
"いつかもう一度来てみよう"
そう思っていたがどうやってあんな所まで行ったのか分からず、結局後にも先にもあの道を走ったのはこの1回きりとなってしまった。
大人になった今でもあの道への行き方や公園の名前は分からずにいるし、気づいたら連れて行ってくれた子の顔や名前さえも思い出せなくなってしまった。
もし子供の頃に戻れるならもう一度あの住宅街と見知らぬ公園を悪ガキと一緒に走り回ってみたいものだ。
……でも出来ることなら車で走りたい。
と、大人の私がワガママを言ってるのはここだけの話。