140字SSまとめ

部屋を埋めつくすように流したお気に入りの曲たち。
確かに耳に届いているはずなのにそのどれもが頭の中に入ってこない。
傷に寄り添う優しい歌詞も今の私には響かない。
「面倒だから別れてほしい」
忘れたいはずの彼の言葉。耳にこびりついた冷たい声。
たった一つの言葉が酷く苦しくて誤魔化すように音量をあげたのに。
あの一言だけがいつまでも部屋と私を満たし続けていた。
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