ごめんね、君が好き

彼女が手を掴んでくるのが好き。
彼女が名前を呼んでくれるのが好き。
彼女が泣きながら見つめてくるところが好き。
彼女の苦しむ顔が大好き。
だから今日も彼女の首を絞める。

「苦しい?」

俺の問いにわずかに頷いた彼女は徐々に抵抗する力をなくしている。
そろそろ意識がなくなるだろう、俺はそのタイミングでやっと手を離す。
げほげほと咽る彼女。
その顔もまた可愛らしい。

「早く殺して」

お決まりの台詞。
彼女の俺に対する唯一のワガママ。
でも俺はそれを許さない。

「駄目。その顔が見れなくなるから」

ほら、その辛そうな顔。
辛くて、辛くて、今にも死んじゃいそうなその表情。
そんな顔をするから尚更殺せなくなるのに。

「愛してるよ」

俺は彼女をきつく抱きしめる。
息も出来なくなるぐらいきつく。
抵抗出来ない彼女は泣きながら俺に身を寄せる。
それが本当に愛しくて。

「殺してなんかあげない」

彼女の耳元で囁く。
そして俺はまた、彼女の首に手をかけた。







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