1章
夢小説設定
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「では、せめてもの配慮として夜神家の監視は私と夜神さんで行い___」
Lが今後の方針について説明している。
「あの、竜崎。」
「はい、何でしょう。」
「せめて女性の入浴やトイレは私が監視するというのはどうでしょうか?いくら局長が監視を許可しているとはいえ、奥さんや娘さんの裸や排泄している所を竜崎に見られるのはさすがにどうなのかな、と…。さっきまで監視する事を肯定していた私が言う台詞ではないと思いますが…。」
それに、私としても奥さんや娘さんの裸や排泄している所を他人の男性が見るのはあまり気分がいいものではない。
「もちろん、他の仕事もきちんとさせて頂きます。」
「……わかりました。しかし、宮野さんだけでなく夜神さんも一緒に監視してください。北村家の監視は宮野さんだけでもいいです。」
わかりました、とは言ったものの、竜崎は不満そう顔をしながら指を咥えている。
「ありがとうございます。」
こうして、夜神家と北村家の7日間の監視生活が始まった。
監視カメラを付けて3日目__
局長の娘さんが入浴するということで竜崎と交代でモニター前に座った。
ふと局長の顔を見ると、思わずぎょっとしそうなくらい疲れた顔をしている。
「局長、大丈夫ですか?大分お疲れのようですが…。」
しっかりとモニターを見ながら局長にそう問いかけた。
「ああ…。こんな状況だから疲れているんだろう。」
それもそうだろう、家族にキラ容疑がかかっているのだ。
逆に平然としている方が異常だろう。
疲れている、か…
その後、特におかしい様子が見られないまま入浴が終わった。
部屋から出ると、目の前のソファーに竜崎が座っていた。
「竜崎、入浴終わりました。入っていただいて大丈夫ですよ。」
「わかりました、お疲れ様です。では、引き続き他の仕事に移ってください。」
そう言って竜崎は部屋に入ろうとしたが__
「あの、竜崎。休み時間を頂けないでしょうか?少しやりたいことがありまして…。ほんの数十分でいいので。」
「……いいでしょう。宮野さんには色々して貰っていますし。」
「ありがとうございます。それと、少し冷蔵庫の物とキッチンを使わせて貰ってもいいでしょうか?」
「大丈夫ですよ。ご自由に使ってください。」
コンコンコン
局長と竜崎がいるモニタールームのドアをノックした。
「宮野です。入ってもよろしいでしょうか?」
「入っていただいて大丈夫です。」
竜崎の声が小さく聞こえたのであるものを落とさないようにドアを静かに開けて部屋に入った。
「ありがとうございます。…失礼します。」
「どうしたんだ宮野。……それは、紅茶か?」
そう、私が今持っているのはトレイで、その上には紅茶が入ったティーカップが2つと角砂糖が乗せてある。
「はい、紅茶です。局長がお疲れだということで、疲れに良いダージリンティーを淹れさせて頂きました。もしお口に合わなかったら遠慮せず言ってください。もちろん、もう1つは竜崎の分ですよ。」
「ありがとうございます。では、頂きます。」
「はい、どうぞ。」
紅茶には自信があった。
昔、母が作ったお菓子に合うように紅茶を淹れる練習をしていたのが懐かしい。
最近は淹れる相手がいなかったため、人に紅茶を淹れるのは久しぶりで少し緊張している。
お口に合ってくれるといいけど…。
「では、私も頂こう。ありがとう、宮野。………これは凄いな。とても美味しい。何だか少し疲れが取れた気がする…。ありがとう。」
そんな局長の嬉しい言葉に胸が高鳴った。
「ありがとうございます。局長。」
「宮野さん…。」
ふと、竜崎の声が聞こえた。
「な、何でしょう、竜崎…。」
そういえば、竜崎はいつも甘いものを食べているため普通の人と味覚が違うだろうし、少し渋みがあるダージリンティーは口に合わないかもしれない。
一応角砂糖は持ってきていたが、どうだろうか…。
「これ、凄く美味しいですね。私は普段ワタリが淹れる紅茶を飲んでいるのですが、それに負けず劣らず美味しかったです。ワタリの紅茶の腕は1級品なので驚かされました。」
心配とは裏腹に、思わぬ褒め言葉を貰ったので少し驚いた。
確かに、いつも竜崎が飲んでいる紅茶からはとてもいい匂いがしていた。
あれだけいい匂いならば味ももちろん美味しいだろう。
そんな紅茶に負けず劣らず美味しいと言われるのは、とても嬉しかった。
「ありがとうございます。…でも次は、ワタリを超える紅茶を入れてみせます!」
そう言って、少し微笑んだ。
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