1章
夢小説設定
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「この中にキラはいません。」
竜崎がそう言った瞬間、緊張した空気が少し和らいだ。
「竜崎…何故いないと言いきれるんです?」
局長の言う通り、質問はされたがキラか判断出来るような事は言われていない。
「一言でいえばキラであるかどうか確かめるトリックを用意していたんですが…皆さんにはそのトリックを仕掛ける気すら起こりませんでした。ある1人を除いて、ですが。」
「そのある1人って誰ですか?」
宇生田さんが竜崎に問いかけた。
「…宮野さんです。」
「え、私ですか?!」
驚きすぎて思わず言葉を発していた。
最後の質問は他の方と違って凄い、と竜崎は言ってくれたが、他の質問は至って普通だったはず…だと思う。
「…凄いな、宮野。ちなみに竜崎、なぜ宮野だけトリックを仕掛けようと思ったんですか?」
「それはですね…」
『ピピピピ』
竜崎の言葉を遮るように、携帯の着信音が鳴った。
「失礼。」
「ワタリが来ます。」
ワタリ…
ワタリは竜崎と同様、謎に包まれた存在だ。
少し待ったあと、入口から老人が入ってきた。
いつもと雰囲気が違うため、一瞬目を疑った。
その後、ワタリから偽名の警察手帳と発信機が埋め込まれているベルトが渡された。
宮川 香乃か…
「な…なんかキラを追う特殊部隊って感じでカッコイイですね!」
松田さんがそんな子供みたいなことを言う。
「松田っ!子供の遊びじゃないんだ。うわついた事を言うな!」
私も局長と同意見だ。
追う相手は私の父を殺した人間なのに…。
「そうですよ松田さん。相手は凶悪殺人犯ですよ。」
「うう、宮野さんまで…」
数日後
亡くなったFBI捜査官の1人、レイ=ペンバーの死の様子がおかしいことが分かった。
そして、その婚約者南空ナオミか行方不明になっている事が分かった。
この事から、竜崎はペンバーが調べていた対象が怪しいと推理した。
そして…
「北村次長とその家族、夜神局長とその家族。この2軒の家に盗聴器とカメラを付けさせて頂きたい。」
そんな、人権を無視した無茶苦茶な事を竜崎は言った。
しかも、その中にキラがいる可能性は5%という…。
「私も自分の家族が疑われていたのでは憤慨だ。いいでしょう付けてください!そのかわり…付けるなら家の隅々、バスルームからトイレまで見落としのない様にだ!!」
「局長!何を言ってるんですか!?局長には奥さんや娘さんも居るんですよ?!」
「そうですよ、自分の言ってる意味が分かってるんですか?!」
確かに、松田さんや相沢さんが言っていることはごもっともだ。
でも…
「宮野さんも何か言ってよ!」
「わ、私ですか?私は、松田さんと相沢さんが言っていることは分かります。…でも、竜崎や局長が言っていることも分かるんです。これは前代未聞の大量殺人事件…。こうでもしないと永遠に捕まえられないと思います。」
突然話を振られて驚いたが、ありのままの意見を素直に言った。
言った通り、相手が普通でないのならこっちも普通のやり方ではダメだと思った。
「な、何言ってるのさ宮野さん…。確かにそうかもしれないけど、これは流石にやりすぎだ!」
「でも!これよりキラかどうかを見極める良い策が考えられますか!?私には無理です!」
自分の意見を真っ向から否定された為、思わずムキになって言い返してしまった。
「わかっていて言ってるんだ!やるなら徹底的にやらなければ意味が無い事も!もう黙っていてくれ!!」
「………」
局長のあまりにも凄すぎる圧に思わず黙ってしまった。
「「すみません…。」」
「宮野さんもごめん…。」
「いえ、私もすみませんでした…。」