1章
夢小説設定
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「さて、貴方で最後ですね。宮野香織さん。」
キャンディを舐めながら独特な座り方で話すL。
やっぱり見慣れない。
「は、はい…。」
「まず最初に…。すみませんでした。」
そう言うと、Lは座ったまま小さく頭を下げた。
すみません、か…
「それは、私の父の事でしょうか?」
私がそう言うと、Lの目が少し見開いたような気がした。
「…はい、その通りです。貴方のお父様を死なせてしまったのは私のミスが原因です。」
Lのせい、か…
「それは違いますよ、L。」
「もしかしたら、Lのミスもあるかもしれません。…ですが、キラの捜査をしていればそうなる事を父は承知の上だったと思うんです。だから、仕方の無いことなのかな…と…。だから、気にしないでください。あはは…。」
Lは悪くない。
本音を言ったつもりだった。
言った通り、キラの操作をしているのなら命を落とす覚悟をしなければならない。現に、私もその覚悟はしている。
しかし…
__もしLがもう少しうまくやっていれば父は死ななかったのでは__
そんな、我儘で勝手な考えが頭によぎる。
だがそれは言わなかった。
いや、言えなかった。
「……そうですか。仕方ない、ですか。宮野さんがそう言うのならそうなのでしょう。」
Lはそう言い、近くにあるショートケーキが乗っている皿を親指と人差し指で摘んで手に取った。
「あ、そういえば、今後私の事は竜崎と呼んでください。第三者から聞いても分からないように。」
「…分かりました、竜崎。」
気にしないでくださいとは言ったが、ここまで気にしないものなのだろうか。
まあ、仕方ないか…
「では、本題に入りましょう。いくつか質問をさせて頂きます。」
そう言うと竜崎はキラに関する質問、そして意図がよく分からない質問をどんどんしてきた。
私はそれに対して一つ一つしっかり答えた。
気が付けば、部屋に入る前から1時間以上経っていた。
早く終わらせるはずが、大分時間が経ってしまっている…。
早く終わらないだろうか…。
「では、最後の質問です。」
「……!」
よかった。もう終わる。
正直、私自身もうクタクタだった。
「よかった、という顔をしていますね。」
「そんなことないですよ…?」
内心凄く焦った。
「まあ、それは置いておいて…。もし、宮野さんがLだとして、キラの可能性がある者に相対したらキラであるかどうかどうやって確かめようとしますか?」
なかなか難しい質問だな…。
キラの思想と同じか確かめる?
いや、キラの思想と同じな人は大勢いる。
うーん…分からない…。
キラかを確かめる材料や、そもそもキラに関する情報が少なすぎる…。
キラに関する情報…情報?
「やはり少し難しかったですか。気を落とさなくても大丈夫です、他の方もそんな感じだったので…。」
「一般には知られていないキラの情報を吐かせる…。これならどうですか?」
自分でもいい考えだと思う。
これなら、現状でもキラかどうか判断できる。
まあ、相手の方が上手だと吐かせることができずに終わるかもしれないが…。
すると、竜崎はショートケーキを食べていた手を止めて少し驚いたような顔をした。
「驚きました…。凄いですね、宮野さん。先程にも言った通り、他の方はろくな答えではなかったので…。私も宮野さんが言った方法を使うでしょう。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
嬉しくて思わず大きな声を出していた。
だが、そうなるのも仕方ない。世界のLに凄いと言って貰えたのだ。
「はい、本当です。……では、質問も終わった事ですし戻りましょうか。今後のことについて皆さんにお話したいので。」
そう言うと、竜崎は椅子から飛び降り部屋から出ていった。
「わかりました。」
私も竜崎の後に部屋を出た。