1章
夢小説設定
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バタンッ
2階にある自分の部屋でベッドに寝転がっていると、下の階から大きな物音がした。
まさか…本当に…?
いや、本当なはずがない。有り得ない。でも、一応確認してみようと思い、部屋を出て階段を降りた。
確か、音が聞こえたのはリビングあたりのはず…
そう思ってリビングに繋がるドアを開けた。
え……?
思わず目を見開いた。
そこには、目と口を開けながら横たわっている母がいた。
そして、キッチンの上には母が焼いていたのだろうクッキーがあり、部屋に甘い匂いが漂っている。
死因は原因不明の心臓麻痺。
高校3年生の夏の出来事だった。
『凶悪犯連続殺人特別捜査本部』
高校を卒業した後、私は大学へと進学しそのまま警察の道に進んだ。
父はFBIの捜査官で、それに憧れて私もFBIに入るつもりだった。だが、お墓の中にいる母を日本で一人ぼっちにしたくなかった。
そして今、キラ捜査に携わっている。
キラによる殺人の全ては原因不明の心臓麻痺。
それは、母の死と同じものだった。
母は犯罪者ではないし、そもそもキラによる殺人が起こる前に亡くなっている。
しかし、どうしてもこの事に共通性を感じずには居られなかった。
そのため、自分から志願しこの捜査本部に入った。
L協力の元、捜査本部はなんとかキラの正体を突き詰めようとしていたが、捜査は難航していた。
そんな時、日本に潜入捜査していたFBIの12人が心臓麻痺で死んだという情報が入ってきた。
それは間違いなくキラによるもので、本部は混乱していた。
しかし、私はそれどころでは無かった。
父は優秀なFBI捜査官なため、以前Lと共に事件を解決したことがある。
そのため、今回もLは父に依頼したかもしれない。
その事に気づき、すぐに父に電話をした。
いつもなら必ず数コールで出てくるはずなのに、1分以上待っても父が出てくる事は無かった。
少しすると、携帯には父が死んだという知らせが届いていた。
それを見た瞬間、私の頬に一筋の涙が零れた。
FBIの件がひと段落し、本部の者全員が局長によって集められ、捜査から外れたい者は外れてくれと言い、本部を後にした。
「自分の人生、家族、友の事を考えるんだ。」
その言葉を聞いた時、私にはもう考える家族がいないという事を実感し、悲しくなった。
しかし、それと同時にもう大切にしないといけないものが無くなったこと、父を葬ったキラを捕まえるという思いが強く芽生えた。
だが私のようにキラを捕まえるという意志が強い者はなかなか居らず、残ったのは私を含めて6人となった。
局長が戻ってくるまでの間、私は椅子に座ったままただぼーっとしていた。
「宮野さんはどうして残ったの?」
ふと声が聞こえて前を向くと、目の前に松田さんが不思議そうな顔をして立っていた。
私からしてみれば、松田さんの方が残った理由がよく分からない気がしなくもないが、流石に先輩相手にそんな事は言えなかった。
「色々と理由がありまして…。」
まだ父が死んでしまった事に踏ん切りがついてなくてあまり話したくは無かったため、はっきりとは言わなかった。
しかし…
「え、理由って何なの?」
…。
まあ、普通は気になるよね…。
これから一緒にキラを捕まえるのに、隠し事をして気まずくなるよりかは、しっかり話した方がいいのだろうか。
…よし、正直に堂々と話そう…。
「前に日本に潜入捜査していた12人のFBIが居たじゃないですか。その中に私の父がいまして…。それに、私にはもう局長が言っていたような考える対象がもう居ませんから。だから、命を投げ打ってでもキラを捕まえます。」
しっかり言ったつもりが、声が震えてしまっていた。
やっぱり、まだ辛い…。
「そ、そっか…。辛いこと聞いてしまってごめん。話してくれてありがとう。僕もそれくらいの気持ちでキラを捜査するよ。お互い頑張ろうね。」
松田さんに気を使わせてしまった…。
でも、コソコソするよりかはいいだろう。
「松田さん…。はい、頑張りましょう。」
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