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朝、いつものように大広間の教員席で朝食を摂っていたセブルス・スネイプの元に、一羽の小さなコノハズクが舞い降りた。嘴には小さく折りたたまれた羊皮紙がくわえられていた。
コノハズクから手紙を受け取ると、セブルスはスープの中にあった豆をいくつか与えてやった。ホーと一声鳴いて、コノハズクは飛び立った。
麻の紐をほどいて、手紙を開いていく。手紙を片手に、銀のスプーンでスープをすくって口に運んだセブルスは、最初に目に飛び込んできた文字に、勢いよく噴き出した。
「まあ!セブルス、何事ですか!?」
隣に座っていたマクゴナガル先生が少しばかり嫌悪の混じった目でセブルスを見た。
「失礼、何も……」
セブルスはそれだけ言うと、もう一度手紙に目を通した。
『キスして!今日はキスの日ですよ、スネイプ先生!』
その文章の下には『×××』と記されていた。送り主を確認すると『ユイ・モチヅキ』とあった。セブルスは頭を抱えた。
その後一日、ユイを授業や廊下で見るたびに手紙を思い出し、セブルスは一人悩まされていた。
ユイはと言えば、会うたびににこにこと満面の笑みで彼を見るものだから、セブルスも期待されているのがわかり、それも彼を悩ませた。
夕食の後、ユイを呼び出したセブルスは自分の部屋に招き入れた。
「これはどういうつもりだ、ミス・モチヅキ」
ため息をつきながら、執務机の上に置いていた手紙を開いてユイに見せた。
「私のラブレター、ちゃんと届いてよかったです!」
ユイは嬉しそうに微笑んだ。これがラブレターと呼べるのかと、セブルスはいささか疑問に思った。
「質問に答えたまえ」
「手紙の通りですよ!」
なおもキラキラした瞳で自分を見るユイにセブルスは眩暈がした。
「誰かの目につくかもしれない手紙にして送りつけるとは……」
「だって、こうでもしないと、先生は何もしてくれないじゃないですか……」
うつむき、唇を尖らせながら不服そうにユイは呟いた。
「だからといって、朝からこんなものを見せられたこちらの気持ちも考えられないのかね?他の教員に見られたかもしれないのだぞ」
「……ごめんなさい」
先ほどとは打って変わり、しゅんと肩を落として大人しくなってしまったユイに、セブルスは深いため息をついた。
「仕方ないやつだな」
困ったように小さく笑みを浮かべながら、セブルスはユイの頭に手をおいて優しく撫でた。
そっと顔をあげさせて、彼女の髪を耳にかけると、頬と首に手を添えて瞳を見つめた。
「今日は特別だ」
そう囁いて、頬と鼻の頭にキスを落とした後、そっとユイの唇に口付けた。何度か角度を変えながらお互いを求めるようについばむようなキスをした。
離れて彼女を見ると、頬を火照らせ瞳を少し潤ませて名残惜しそうにこちらを見つめていた。その表情があまりにも艶かしく見え、セブルスは彼女を見ないようにユイを引き寄せ抱きしめた。
「わたしが何もしないのは、君がそういう顔をするからだ。そんな顔をされたらこちらも抑えられなくなる……意味はわかるな?」
セブルスの言葉と、密着したことで聞こえた少し早く打つ彼の心臓の音に、ユイはさらに顔に熱が集まるのが分かった。
ユイは自分がどんな顔をしているかなんてわからなかったし、自分のせいらしいことに複雑な気持ちではあったが、少なくともセブルスにも自分に触れたいという気持ちがあることがわかっただけでもよしとすることにした。
「で、でも、今日はあと2時間はありますから、もっとキスしてくれていいんですよ?」
「頼むから、それ以上煽るな」
抱きしめる力が少し強くなった。必死に耐えるセブルスに、ユイは照れつつ愛しさでふふふっと微笑んだ。
コノハズクから手紙を受け取ると、セブルスはスープの中にあった豆をいくつか与えてやった。ホーと一声鳴いて、コノハズクは飛び立った。
麻の紐をほどいて、手紙を開いていく。手紙を片手に、銀のスプーンでスープをすくって口に運んだセブルスは、最初に目に飛び込んできた文字に、勢いよく噴き出した。
「まあ!セブルス、何事ですか!?」
隣に座っていたマクゴナガル先生が少しばかり嫌悪の混じった目でセブルスを見た。
「失礼、何も……」
セブルスはそれだけ言うと、もう一度手紙に目を通した。
『キスして!今日はキスの日ですよ、スネイプ先生!』
その文章の下には『×××』と記されていた。送り主を確認すると『ユイ・モチヅキ』とあった。セブルスは頭を抱えた。
その後一日、ユイを授業や廊下で見るたびに手紙を思い出し、セブルスは一人悩まされていた。
ユイはと言えば、会うたびににこにこと満面の笑みで彼を見るものだから、セブルスも期待されているのがわかり、それも彼を悩ませた。
夕食の後、ユイを呼び出したセブルスは自分の部屋に招き入れた。
「これはどういうつもりだ、ミス・モチヅキ」
ため息をつきながら、執務机の上に置いていた手紙を開いてユイに見せた。
「私のラブレター、ちゃんと届いてよかったです!」
ユイは嬉しそうに微笑んだ。これがラブレターと呼べるのかと、セブルスはいささか疑問に思った。
「質問に答えたまえ」
「手紙の通りですよ!」
なおもキラキラした瞳で自分を見るユイにセブルスは眩暈がした。
「誰かの目につくかもしれない手紙にして送りつけるとは……」
「だって、こうでもしないと、先生は何もしてくれないじゃないですか……」
うつむき、唇を尖らせながら不服そうにユイは呟いた。
「だからといって、朝からこんなものを見せられたこちらの気持ちも考えられないのかね?他の教員に見られたかもしれないのだぞ」
「……ごめんなさい」
先ほどとは打って変わり、しゅんと肩を落として大人しくなってしまったユイに、セブルスは深いため息をついた。
「仕方ないやつだな」
困ったように小さく笑みを浮かべながら、セブルスはユイの頭に手をおいて優しく撫でた。
そっと顔をあげさせて、彼女の髪を耳にかけると、頬と首に手を添えて瞳を見つめた。
「今日は特別だ」
そう囁いて、頬と鼻の頭にキスを落とした後、そっとユイの唇に口付けた。何度か角度を変えながらお互いを求めるようについばむようなキスをした。
離れて彼女を見ると、頬を火照らせ瞳を少し潤ませて名残惜しそうにこちらを見つめていた。その表情があまりにも艶かしく見え、セブルスは彼女を見ないようにユイを引き寄せ抱きしめた。
「わたしが何もしないのは、君がそういう顔をするからだ。そんな顔をされたらこちらも抑えられなくなる……意味はわかるな?」
セブルスの言葉と、密着したことで聞こえた少し早く打つ彼の心臓の音に、ユイはさらに顔に熱が集まるのが分かった。
ユイは自分がどんな顔をしているかなんてわからなかったし、自分のせいらしいことに複雑な気持ちではあったが、少なくともセブルスにも自分に触れたいという気持ちがあることがわかっただけでもよしとすることにした。
「で、でも、今日はあと2時間はありますから、もっとキスしてくれていいんですよ?」
「頼むから、それ以上煽るな」
抱きしめる力が少し強くなった。必死に耐えるセブルスに、ユイは照れつつ愛しさでふふふっと微笑んだ。