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とある家族の日常(?)

―聖域の片隅に作られた小さな畑―

そこは、とある人物達が手間暇かけて作った家庭菜園用の畑である

―――

ある晴れ晴れとした日、その畑の様子を見に来た一人の子供がいた
「ん~……」
小さな体を屈めて作物の様子を見ている
「貴鬼、先に来ていたのですか?」
「あ、ムウ様!」
貴鬼はパッと表情を輝かせ、ムウの元に駆け寄る。
「作物の様子はどうでしたか?」
「もう収穫してもいいみたいですよ!」
貴鬼が指差した先には、いい具合に熟した野菜が実を成していた。
「そうですね……早速収穫しましょう」
「は~い!」
ムウは小さな籠を貴鬼に渡し、自身も籠を片手に次々と野菜を収穫してゆく。


数分後、そんな二人の前に大きな人影が現れる。
「む……一足遅かったか」
「アルデバラン…!そんな事ありませんよ」
ムウは優しい微笑みを向ける。
アルデバランは苦笑を浮かべると駆け寄ってきた貴鬼を軽々と持ち上げる。
「今回の出来はどうだ?」
「美味しそうなのが出来たんだ!」
ほら、と貴鬼はアルデバランに自分で収穫した野菜を見せる。

「ほぉ、これは美味そうだな」
アルデバランはそのまま貴鬼を自分の肩に乗せる。
「今回もなかなかの出来ですよ」
アルデバランに歩み寄るムウは沢山の野菜が詰まった籠を見て笑顔を浮かべている。
「…重くは無いか?持つぞ?」
言うなり片手で軽々と籠を取るアルデバランだが、ムウは苦笑するだけで咎める様子は無い。
「流石はアルデバランですね」
「ムウ様、今日は何作るんですか?」
貴鬼が目を輝かせながらムウを見る。
「ムウが作る料理は格別だからな」
アルデバランの言葉にムウの頬は朱に染まる。
「料理ならデスマスクやシュラの方が上手ですよ?」
「そうか?俺としてはお前の料理が一番だがな」
「オイラも!」
貴鬼もアルデバランに賛同する。
そんな二人に、ムウは照れながらも笑顔を向ける。
「二人とも…ありがとうございます」


色とりどりの野菜を抱え、三人は白羊宮へと向かう。
(今日は何を作りましょうか……)
二人の笑顔を見るため、ムウは腕によりをかけて美味しい料理を作ることを心に決めた。


end
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