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~そして終結へ…~アルバフィカside


「レグルス…これは一体……」
「アルバフィカ…!実は……」

騒ぎを感じて来たのか、アルバフィカが戸惑いの表情でレグルスに訊ねた。

「…成る程……童虎も相変わらずだな」
「どうしよう……」
レグルスは二人をチラッと見る。

……喧嘩は未だに終わりを見せない。

「……私に任せろ」
「へ?」
驚くレグルスを尻目に、アルバフィカは静かに二人の元へ向かう。

「言えテンマ!!」
「絶対に言わない!!」
童虎と睨み合うテンマは、そばに寄り添う小宇宙を感じ取り慌てて振り向く。

「其処までにしたらどうだ?童虎……」
「アルバフィカ……!!」
テンマの表情は童虎と睨み合っている時と打って変わって笑顔になる。

「アルバフィカ、何故お主が……」
「騒ぎを聞いて来た……レグルスも困っているだろう?」
アルバフィカは一瞬レグルスを見やると再び童虎を見る。

「これ以上騒ぎを大きくするというなら容赦はしないが……」
真紅の薔薇を片手に呟くアルバフィカの様子に、童虎は思わず後退りをする。

「し、仕方あるまい……お主相手では分が悪過ぎる……」
観念した様子で童虎は天秤宮へ引き返した。

今までに数え切れない程アルバフィカの薔薇の餌食になったのだから、無理も無いだろうが……

ちなみに、いずれもテンマ絡みの時だ。

「ごめんアルバフィカ……また迷惑掛けたな」
「気にするな……」
アルバフィカは首を横に降る。
「テンマが困っている時に助けるのは当然の事だ」
「アルバフィカ……」
テンマは頬を赤く染める。


そんな二人の様子を見ている人影が二つ。


「ほれ、俺の言った通りだろ?」
「本当だ……テンマ、アルバフィカの事が好きだったんだ」

レグルスとマニゴルドだ。

「けど、どうして分かったんだ?」
「馬鹿かお前、あんなに分かりやすい二人組が何処にいるんだ?」
やれやれ、とマニゴルドは肩を落として呆れる。


「テンマは見たらすぐに分かるし、アルバフィカもテンマの前じゃねーとあんな顔しねーよ」

マニゴルドはアルバフィカに目をやる。


テンマに向けて優しげな微笑みを浮かべている。


「アイツとは付き合いが結構長いが……アイツがあんな顔を見せたのはテンマが初めてだぜ」
「そうなのか……」
呟くレグルスの頭をマニゴルドが乱暴に撫でる。
「何すんだよマニゴルド!!」
「お前はもう少し空気を読め!!とっとと帰るぞ」
マニゴルドは一瞬テンマを見ると背を向けるように立ち去る。


…ソイツを幸せにしてやれよ…テンマ……


「…マニゴルド……?」
マニゴルドが自分に向かって何事か言ったようだが、テンマは聞き取る事が出来なかった。

「どうかしたかテンマ?」
「う、ううん……そうだ、シオンからクッキー貰ったんだ。一緒に食べよう?」
テンマは懐からクッキーが入った小さな袋を取り出すとアルバフィカに差し出す。
「だったら双魚宮に来ないか…?紅茶ぐらいなら用意出来るが……」
「本当?楽しみだな~」


他愛の無い会話をしながら、二人は双魚宮へと向かった。


まだまだ、二人の恋は始まったばかりだ。
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