聖闘士達がクトゥルフ始めたようです
ミロ「うーん……」
カノン「よし、じゃあアイオリアのロールプレイを始め…ミロ、どうした?珍しく真面目な顔して」
ミロ「珍しくってなんだよ…いや、ゆっくり達がクトゥルフやってる動画って、他作品のキャラもゆっくりになってるのが多くてさ」
カノン「あぁ、あのゆっくり饅頭か……それがどうした?」
ミロ「首から下を斬り落としたらゆっくりになれるって聞いたんだが本当なのか?(真顔)」
カノン「後でシュラに頼んでゆっくり饅頭にしてもらうか?(にーっこり)」
カミュ「聖剣抜刃でゆっくり化するのか(期待の眼差し)」
シュラ「いや…そんな事で人を殺したくない(冷や汗ダラダラ)」
ミロ「ごめんなさい冗談です((((;゜Д゜)))))))」
カノン「そんな事はどうでも良い。ロールプレイいくぞー」
アイオリア「あ、あぁ」
☆ ☆ ☆
2階に上がったアイオリアは、カレー作りを再開させた。
キッチンが見えるリビングでは、玄武が購入した洋服の値札を地道に切り取っている。
「所長から話を聞いた時は驚いたが…その子供はどうやってマンホールの中に入ったんだ?」
ふと、玄武が顔を上げてアイオリアに訊ねた。
「…それは俺にも分からない……あのマンホールのは子供が持ち上げるには重すぎるから、自分であの中に入った可能性は低いだろうし……」
カレーの材料を煮込みながら、アイオリアは顔を顰める。
「あの少女の身元も、俺達の方で調べる事になったし……これからの事は、ムウが戻ってから話をしよう?」
「……あぁ」
玄武は釈然としない様子だったが、値札を切り終えた洋服を丁寧にたたんだ。
☆ ☆ ☆
カノン「一旦此処で終わりだな、後はムウの方が終わるのを待つぞ」
アイオリア「分かった」
カノン「それにしても…ゆっくり饅頭の事を言ってたら饅頭食いたくなってきたな」
サガ「私は大福の方が好きだ」
カミュ「中にクリームが入った大福は美味いぞ」
シュラ「……腹が減ってきたな」
~隣の部屋~
アフロディーテ「さぁ、此方もロールプレイをしようか」
ムウ「そうですね」
アフロディーテ「と言っても、すぐに終わる事だけど」
ムウ「なら、早く始めましょうか(わざわざ分断するとは……何かイベントが起きるのは確定ですね)」
☆ ☆ ☆
ムウは楓の身体と髪を洗い終え、自分も手早く身体と髪を洗った。
楓は身体がお湯で濡れた時に酷く嫌そうな顔をしたが、言われた通りに我慢していた。
(…この様子だと…湯船に浸かるのは無理でしょうね……)
「よく我慢しましたね、身体は自分で拭けますか?」
「うん……」
楓に笑顔を向けながら、一緒に浴室から出たムウはタオルで身体を拭く。
楓にもバスタオルを手渡したが、頭を拭くのに苦戦しているようだ。
「う~……」
「……ちょっと待っていなさい」
ムウは手近にあった着替えを着て、長い金髪をタオルで纏めると楓の身体を優しく拭いた。
「…さぁ、これで大丈夫です」
「……うん」
……だが、楓は何故か目を開けようとしない。
「……?楓?」
ムウが思わず楓の名前を口にした。
「?かえで?」
そのムウの言葉に反応したのか…楓がようやく目を開けてムウをじっと見上げた。
「…貴女の名前です。そう呼んでも良いでしょうか?」
「…なまえ…ないと、おかあさんこまるの?」
「…少々不便だと思いまして……嫌でしたか?」
楓はムウを見上げているが、名前には左程執着が無いのか、あっさり頷いた。
「ううん?おかあさんがいいなら、わたしもいいよ」
「では、これから楓と呼びますね」
「うん」
楓は笑顔になると、ムウに抱き付く。
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「(カノンと小宇宙通信)…此処で玄武とアイオリアがリビングに戻った事にしても良いってさ」
ムウ「分かりました……脱衣所に携帯を置いてる事は出来ますか?」
アフロディーテ「ちょっと待ってて(小宇宙通信)」
~ミロの部屋~
カノン「…ふむ…じゃあ、携帯で連絡して玄武が楓に着替えのパジャマを渡して…って感じで合流だな」
ミロ「お、ムウと合流か」
アフロディーテ「戻ったよ、対した話はしてないけどね」
ムウ「……」
アイオリア「…?ムウ、どうした?」
ムウ「いえ、別に」
カノン(分かるか微妙なフラグだが…まぁ、ムウは絶対気付いたな)
ムウ(楓のあの描写は…まだ断言するには早いでしょうけれど……)
カノン「よし、じゃあ仲良く夕飯のカレーを食べた後、何をするか決めてくれ」
アイオリア「時間は何時だ?」
カノン「ふむ……夜の7時半ぐらいにするか」
アイオリア「言っておくがカレーは甘口のカレーを作ったぞ」
サガ「何故辛口を作らない」
ムウ「話の中とはいえ、子供に辛口を食べさせるのですか貴方は」
カノン「お前激辛カレーとか平気で食うからな……俺は甘口が好きだって言ってんのにレトルトの辛口ばっか貯蓄しやがって」
サガ「辛口が食えないとはお前はお子様だな(フッ)」
ムウ「私も甘口派ですよ」
アイオリア「俺もだ」
ミロ「あ、俺も」
カミュ「私もだ」
アフロディーテ「私も…甘口の方が好きかな?中辛は食べれるけど辛口はちょっと……」
シュラ「俺は中辛だな。甘口はメーカーによる」
サガ「何だこのカレーの甘口率」
ムウ「…脱線しましたが、二人に楓の名前を教えて身元の調査をしましょうか」
ミロ「?もう知ってるぞ?」
カノン「PLは知っててもPCは知らないからな?PCの情報供給は小まめにするんだぞ?」
アイオリア「ふむ…じゃあ俺は…ムウに変な犬を見たとだけ言っておくか」
カノン「了解…ふむ…じゃあ、楓の身元が分かる日を決めようか」
アイオリア「ダイスは何で決めるんだ?」
カノン「ふむ…調べ事だからな……ひとまず、玄武を含めて全員図書館で振ってくれ。玄武のはいつものごとく俺が振るぞ(ムウ以外は初期値だが…大丈夫だろ)」
〈図書館〉
ムウ(85)→95(ファンブル手前)
アイオリア(25)→54(失敗)
玄武(25)→15(まさかの成功)
全員『………』
シュラ「まじかよ」
カノン「それはこっちの台詞だ……」
ムウ「あ…危なかったですね……(汗)」
カミュ「ダイスの女神に愛されるNPC、か」
カノン「えっと…(2D3の合計で良いか…?(ころころ))……ムウかアイオリア、1D3振ってくれ」
ムウ「…アイオリア、お願いします」
アイオリア「?構わないが…(ころころ)…3が出た」
カノン(こっちの合計が4だったから…差を見ると1日で終わる事になる、のか?だが、NPCとはいえ初期値成功だからなるべく良い結果にした方が良いな……)
↑この間、0.2秒である
カノン「まず、ファンブル手前のムウの処理をするか。お前は調査の途中で楓を寝かせたらそのまま自分も寝てしまったな」
ムウ「…ファンブルだったらどうなっていました?」
カノン「PCを爆砕させようかと」
ムウ「ファンブルでないだけマシという事ですか」
カノン「そういう事だ。アイオリアは途中で睡魔に耐えられずに眠ってしまったが、玄武が頑張って調べてくれたお陰で、翌日には分かるが…玄武はその日1日ダウンしている、という具合だな」
ムウ「徹夜の作業をさせてしまいましたか……」
アイオリア「何だか申し訳ないな……」
カノン「ファンブルじゃないだけ良いだろう?そうだな……翌朝からロールプレイするか。悪いがまた分断させてもらうぞ」
ミロ「またかよ~……」
カノン「チョコプリンあるからこれでも食ってろ」
ミロ「わぁい♪」
シュラ(何処から出した……!?)
カノン「(ちょろいな)翌朝のシーンが終わったらコンビニ行って何か買ってくるから、おやつの希望決めといてくれ」
カミュ「良いのか?」
カノン「このセッションは俺が無理言ったようなもんだし、お前達の相談も兼ねてな…ただ、金は自分持ちだからな」
シュラ「買ってきてくれるだけで有り難いものだ」
アフロディーテ「じゃあムウ、また隣の部屋に移動しようか」
ムウ「えぇ」
カノン「じゃあ、このままアイオリアのシーン行くぞ~」
☆ ☆ ☆
「ぅ…ん……?」
アイオリアは覚醒しない頭を抱えながら、上体を起こした。
窓からは朝日が差し込み、鳥の囀りと共に蝉の鳴き声が響いてくる。
「…そうだ…俺は……」
頭を軽く振り、やっと意識が覚醒したアイオリアは昨夜の事を思い出す。
(確かムウは楓を寝かせに行ったんだったな……)
現在、アイオリアは1階部分にある作業スペースにいる。
周囲を見回すと、ムウの姿は無い……だが、ソファで横になっている玄武の姿があった。
「玄武……!?」
その目元には、うっすらと隈が出来ているように見える。
「…1人で調べさせてしまったようだな……」
アイオリアは、玄武の作業机の上に置かれた数枚の紙に目が行く。
「これは……」
☆ ☆ ☆
カノン「おめでとう、アイオリアは楓に関する資料を入手したぞ」
アイオリア「内容は分かるか?」
カノン「こんな感じだ(つメモ)…アイオリア、ムウが来るまで他の奴には見せるなよ」
アイオリア「わ、分かった(メモ見ながら)……カノン、この場所を少し調べたいんだが」
カノン「あー、言うと思ったからこれ渡しておく(つメモ)」
アイオリア「………!?」
ミロ「…アイオリア、どうした……?」
アイオリア「い、いや……(楓は一体何者なんだ…!?聖闘士なのか!?)」
~隣の部屋~
アフロディーテ「ムウ、寝る時もサングラスは装備したままなのかい?」
ムウ「えぇ…寝ている最中に外れるか心配ですが、極力常に装備したたままにします。忘れていたのですが…サングラスの付け替えは可能ですか?」
アフロディーテ「あぁ…自分の視界は普通に見えるけど周囲からは目が確認出来ない奴の事かい?」
ムウ「えぇ…慣れがあっても、場所によっては目星のマイナス補正が付きそうですし」
アフロディーテ「それぐらい、ロールが無くても良いよ?じゃあ始めようか」
ムウ「えぇ(…脱衣所でのイベントが関わる事でしょうかね?)」
☆ ☆ ☆
携帯のアラームが鳴り、ムウの意識は覚醒した。
「…?私は……」
(楓を寝かせたつもりが…自分も眠ってしまったようですね……)
自分の情けなさに溜め息をつきながら、ムウは身体を起こした。
だが、直ぐに違和感を感じる。
――楓が、いない。
「…!?楓……!?」
慌てて部屋を見回すと、楓は部屋の隅…カーテンから差し込む日の光が届かない場所に座り込んでいた。
恐らく、自分が寝ている間にベッドから出たのだろうが…何かをぶつぶつと呟いている。
☆ ☆ ☆
ムウ「…アフロディーテ、聞き耳は必要ですか?」
アフロディーテ「(小宇宙通信)…いや?近付けば何を言っているか分かるよ。その場で聞く場合は聞き耳を振ってもらうけど」
ムウ「…(これは…誘ってますね…危険ですが、此処は乗りましょうか)…では、音を立てないように楓に近付きます」
☆ ☆ ☆
ムウはベッドから出ると、静かに楓に近寄った。
「なにかいいたいことがあるの?こえがきこえないよ?」
暗い部屋の隅から、楓の声に反応するようにざわざわと『何か』が動く音がする。
「……!?」
そして、ムウはその『何か』を目の当たりにした。
一見すると、黒い虫が密集しているようにも見えるが、その表面はぬらぬらと黒い光沢を放っている
そして、その黒い虫から僅かに漂う腐臭は――日比谷公園で嗅いだ臭いと同じだった。
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「さぁムウ、SAN値チェック…って…大丈夫かい?」
ムウ「……名状しがたいゴキ○リですか、それは」
アフロディーテ「安心してムウ、ゴキ○リじゃないから」
ムウ「なら良かった」
アフロディーテ「(ゴキ○リじゃなかったら良いのか…)気を取り直して、成功で0、失敗で1のSAN値チェックだよ」
〈SAN値チェック〉
ムウ(75)→09(成功)
アフロディーテ「じゃあ減少は無しだね。どう行動するかな?」
ムウ「…嫌な想像しか出来ませんが、部屋の明かりを付けます」
アフロディーテ「了解…部屋の明かりを付けた所からロールプレイ再開しようか」
☆ ☆ ☆
ムウが部屋の明かりを付けた瞬間、部屋の角に密集していた黒い虫が一斉に散り散りに逃げていく。
その光景にムウは思わずその場で後ずさりをしてしまうが…黒い虫が跡形も無く消えた事を確認すると、僅かに漂う腐臭に顔を顰めながらも楓の元に向かう。
「楓……!?」
「…だれ?おかあさん?」
楓は振り向きムウの方を見上げるが、その目は閉じたままだ。
「くらくて…なにもみえないよ…おかあさん……」
☆ ☆ ☆
ムウ「虫が逃げるシーンでもSAN値チェック入ってもおかしくなさそうですが……」
アフロディーテ「流石に省略させてもらうよ……」
ムウ「(やはり…風呂場のあの描写に加えて…今回のこの描写…ほぼ確定ですね)……アフロディーテ、楓に近寄って瞼を持ち上げる事は可能ですか?」
アフロディーテ「…それなら、得にダイスはいらないかな」
☆ ☆ ☆
「……楓、私は此処です」
ムウは膝を付き、楓の目元にそっと触れる。
ゆっくりと瞼を持ち上げてやると、楓は数回瞬きをした。
「おかあさん…?そうか…わたし、めがあるんだったね」
「楓……」
驚きの表情を浮かべているムウを気に掛ける気配もなく、楓は無邪気な笑顔を浮かべムウに抱き付いた。
「おかあさん、おなかすいちゃった。ごはんなに?」
「……」
ムウは一瞬躊躇うが、楓を抱き上げるとその頭を優しく撫でながら、楓に笑みを向ける。
「…これからご飯を炊きましょうか。手伝ってくれます?」
「うん」
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「じゃあ此処から合流といこうか」
ムウ「えぇ」
ムウ(楓の精神は恐らく…『目の見えない何か』が関与していると見て間違いないですね…精神が融合しているのか、ただ宿っているだけなのかは不明ですが……)
~ミロの部屋に合流~
カノン「戻って来たな、じゃあ俺はコンビニ行ってくるわ…その間に、アイオリアに渡したメモでも見ててくれ」
ミロ「分かった!!」
サガ「……アイオリア、一体何が書かれていたのだ?」
シュラ「先程から顔色が悪いが……?」
アイオリア「あ…あぁ……これを見てくれ、楓の資料だ」
・新山楓(にいやま かえで)
年齢は9歳
島根県で両親と暮らしている少女
石見銀山に父親と観光に来た際、整備されていない道へ一人で入りはぐれた模様
2日程前から、地元警察内で遭難事故として現在捜索されている
東京まで捜索の手配は届いていない
ムウ「……アイオリア、これは本当なのですか」
アイオリア「カノンが用意したメモだぞ……」
ミロ「島根ってどこ?(´・ω・`)」
アイオリア「さっき俺も聞いたら…このメモを渡された」
補足メモ(日本地図が添付されてます)
地図の赤丸の所が島根な、隣は鳥取っていうらしい(byカノン)
東京との直線距離、約602.3km
ミロ「何だ、大した距離では無いじゃないか」
カミュ「…あぁ…聖闘士ならばな」
サガ「……この距離を、少女が2日で移動したのだぞ」
アイオリア「聖闘士でない子供が、この距離を移動したんだぞ、ミロ」
ミロ「……((((;゜Д゜)))))))」
ムウ「やはり普通の少女ではなかったですね」
カミュ「ムウ、其方では何か起きたのか?」
ムウ「えぇ……情報の整理をしましょうか」
カミュ「そうだな」
~ちょっとだけおまけ~
カノン「(2日前っていうのは即興で作った設定だが…何とかなるだろ)あ、ポイントカードあります」
店員「あ、あ、あたたためますか?」
カノン「いえ、そのままで(…この店員どうしたのだ?)」
店員(い、イケメンだぁあああ何このイケメン外国人?どう見ても外国人ですよね日本語うますぎてワロタ\(^q^)/ワロ…タ……)
コンビニ店員(女性、アルバイト)を発狂させていたもようです
カノン「よし、じゃあアイオリアのロールプレイを始め…ミロ、どうした?珍しく真面目な顔して」
ミロ「珍しくってなんだよ…いや、ゆっくり達がクトゥルフやってる動画って、他作品のキャラもゆっくりになってるのが多くてさ」
カノン「あぁ、あのゆっくり饅頭か……それがどうした?」
ミロ「首から下を斬り落としたらゆっくりになれるって聞いたんだが本当なのか?(真顔)」
カノン「後でシュラに頼んでゆっくり饅頭にしてもらうか?(にーっこり)」
カミュ「聖剣抜刃でゆっくり化するのか(期待の眼差し)」
シュラ「いや…そんな事で人を殺したくない(冷や汗ダラダラ)」
ミロ「ごめんなさい冗談です((((;゜Д゜)))))))」
カノン「そんな事はどうでも良い。ロールプレイいくぞー」
アイオリア「あ、あぁ」
☆ ☆ ☆
2階に上がったアイオリアは、カレー作りを再開させた。
キッチンが見えるリビングでは、玄武が購入した洋服の値札を地道に切り取っている。
「所長から話を聞いた時は驚いたが…その子供はどうやってマンホールの中に入ったんだ?」
ふと、玄武が顔を上げてアイオリアに訊ねた。
「…それは俺にも分からない……あのマンホールのは子供が持ち上げるには重すぎるから、自分であの中に入った可能性は低いだろうし……」
カレーの材料を煮込みながら、アイオリアは顔を顰める。
「あの少女の身元も、俺達の方で調べる事になったし……これからの事は、ムウが戻ってから話をしよう?」
「……あぁ」
玄武は釈然としない様子だったが、値札を切り終えた洋服を丁寧にたたんだ。
☆ ☆ ☆
カノン「一旦此処で終わりだな、後はムウの方が終わるのを待つぞ」
アイオリア「分かった」
カノン「それにしても…ゆっくり饅頭の事を言ってたら饅頭食いたくなってきたな」
サガ「私は大福の方が好きだ」
カミュ「中にクリームが入った大福は美味いぞ」
シュラ「……腹が減ってきたな」
~隣の部屋~
アフロディーテ「さぁ、此方もロールプレイをしようか」
ムウ「そうですね」
アフロディーテ「と言っても、すぐに終わる事だけど」
ムウ「なら、早く始めましょうか(わざわざ分断するとは……何かイベントが起きるのは確定ですね)」
☆ ☆ ☆
ムウは楓の身体と髪を洗い終え、自分も手早く身体と髪を洗った。
楓は身体がお湯で濡れた時に酷く嫌そうな顔をしたが、言われた通りに我慢していた。
(…この様子だと…湯船に浸かるのは無理でしょうね……)
「よく我慢しましたね、身体は自分で拭けますか?」
「うん……」
楓に笑顔を向けながら、一緒に浴室から出たムウはタオルで身体を拭く。
楓にもバスタオルを手渡したが、頭を拭くのに苦戦しているようだ。
「う~……」
「……ちょっと待っていなさい」
ムウは手近にあった着替えを着て、長い金髪をタオルで纏めると楓の身体を優しく拭いた。
「…さぁ、これで大丈夫です」
「……うん」
……だが、楓は何故か目を開けようとしない。
「……?楓?」
ムウが思わず楓の名前を口にした。
「?かえで?」
そのムウの言葉に反応したのか…楓がようやく目を開けてムウをじっと見上げた。
「…貴女の名前です。そう呼んでも良いでしょうか?」
「…なまえ…ないと、おかあさんこまるの?」
「…少々不便だと思いまして……嫌でしたか?」
楓はムウを見上げているが、名前には左程執着が無いのか、あっさり頷いた。
「ううん?おかあさんがいいなら、わたしもいいよ」
「では、これから楓と呼びますね」
「うん」
楓は笑顔になると、ムウに抱き付く。
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「(カノンと小宇宙通信)…此処で玄武とアイオリアがリビングに戻った事にしても良いってさ」
ムウ「分かりました……脱衣所に携帯を置いてる事は出来ますか?」
アフロディーテ「ちょっと待ってて(小宇宙通信)」
~ミロの部屋~
カノン「…ふむ…じゃあ、携帯で連絡して玄武が楓に着替えのパジャマを渡して…って感じで合流だな」
ミロ「お、ムウと合流か」
アフロディーテ「戻ったよ、対した話はしてないけどね」
ムウ「……」
アイオリア「…?ムウ、どうした?」
ムウ「いえ、別に」
カノン(分かるか微妙なフラグだが…まぁ、ムウは絶対気付いたな)
ムウ(楓のあの描写は…まだ断言するには早いでしょうけれど……)
カノン「よし、じゃあ仲良く夕飯のカレーを食べた後、何をするか決めてくれ」
アイオリア「時間は何時だ?」
カノン「ふむ……夜の7時半ぐらいにするか」
アイオリア「言っておくがカレーは甘口のカレーを作ったぞ」
サガ「何故辛口を作らない」
ムウ「話の中とはいえ、子供に辛口を食べさせるのですか貴方は」
カノン「お前激辛カレーとか平気で食うからな……俺は甘口が好きだって言ってんのにレトルトの辛口ばっか貯蓄しやがって」
サガ「辛口が食えないとはお前はお子様だな(フッ)」
ムウ「私も甘口派ですよ」
アイオリア「俺もだ」
ミロ「あ、俺も」
カミュ「私もだ」
アフロディーテ「私も…甘口の方が好きかな?中辛は食べれるけど辛口はちょっと……」
シュラ「俺は中辛だな。甘口はメーカーによる」
サガ「何だこのカレーの甘口率」
ムウ「…脱線しましたが、二人に楓の名前を教えて身元の調査をしましょうか」
ミロ「?もう知ってるぞ?」
カノン「PLは知っててもPCは知らないからな?PCの情報供給は小まめにするんだぞ?」
アイオリア「ふむ…じゃあ俺は…ムウに変な犬を見たとだけ言っておくか」
カノン「了解…ふむ…じゃあ、楓の身元が分かる日を決めようか」
アイオリア「ダイスは何で決めるんだ?」
カノン「ふむ…調べ事だからな……ひとまず、玄武を含めて全員図書館で振ってくれ。玄武のはいつものごとく俺が振るぞ(ムウ以外は初期値だが…大丈夫だろ)」
〈図書館〉
ムウ(85)→95(ファンブル手前)
アイオリア(25)→54(失敗)
玄武(25)→15(まさかの成功)
全員『………』
シュラ「まじかよ」
カノン「それはこっちの台詞だ……」
ムウ「あ…危なかったですね……(汗)」
カミュ「ダイスの女神に愛されるNPC、か」
カノン「えっと…(2D3の合計で良いか…?(ころころ))……ムウかアイオリア、1D3振ってくれ」
ムウ「…アイオリア、お願いします」
アイオリア「?構わないが…(ころころ)…3が出た」
カノン(こっちの合計が4だったから…差を見ると1日で終わる事になる、のか?だが、NPCとはいえ初期値成功だからなるべく良い結果にした方が良いな……)
↑この間、0.2秒である
カノン「まず、ファンブル手前のムウの処理をするか。お前は調査の途中で楓を寝かせたらそのまま自分も寝てしまったな」
ムウ「…ファンブルだったらどうなっていました?」
カノン「PCを爆砕させようかと」
ムウ「ファンブルでないだけマシという事ですか」
カノン「そういう事だ。アイオリアは途中で睡魔に耐えられずに眠ってしまったが、玄武が頑張って調べてくれたお陰で、翌日には分かるが…玄武はその日1日ダウンしている、という具合だな」
ムウ「徹夜の作業をさせてしまいましたか……」
アイオリア「何だか申し訳ないな……」
カノン「ファンブルじゃないだけ良いだろう?そうだな……翌朝からロールプレイするか。悪いがまた分断させてもらうぞ」
ミロ「またかよ~……」
カノン「チョコプリンあるからこれでも食ってろ」
ミロ「わぁい♪」
シュラ(何処から出した……!?)
カノン「(ちょろいな)翌朝のシーンが終わったらコンビニ行って何か買ってくるから、おやつの希望決めといてくれ」
カミュ「良いのか?」
カノン「このセッションは俺が無理言ったようなもんだし、お前達の相談も兼ねてな…ただ、金は自分持ちだからな」
シュラ「買ってきてくれるだけで有り難いものだ」
アフロディーテ「じゃあムウ、また隣の部屋に移動しようか」
ムウ「えぇ」
カノン「じゃあ、このままアイオリアのシーン行くぞ~」
☆ ☆ ☆
「ぅ…ん……?」
アイオリアは覚醒しない頭を抱えながら、上体を起こした。
窓からは朝日が差し込み、鳥の囀りと共に蝉の鳴き声が響いてくる。
「…そうだ…俺は……」
頭を軽く振り、やっと意識が覚醒したアイオリアは昨夜の事を思い出す。
(確かムウは楓を寝かせに行ったんだったな……)
現在、アイオリアは1階部分にある作業スペースにいる。
周囲を見回すと、ムウの姿は無い……だが、ソファで横になっている玄武の姿があった。
「玄武……!?」
その目元には、うっすらと隈が出来ているように見える。
「…1人で調べさせてしまったようだな……」
アイオリアは、玄武の作業机の上に置かれた数枚の紙に目が行く。
「これは……」
☆ ☆ ☆
カノン「おめでとう、アイオリアは楓に関する資料を入手したぞ」
アイオリア「内容は分かるか?」
カノン「こんな感じだ(つメモ)…アイオリア、ムウが来るまで他の奴には見せるなよ」
アイオリア「わ、分かった(メモ見ながら)……カノン、この場所を少し調べたいんだが」
カノン「あー、言うと思ったからこれ渡しておく(つメモ)」
アイオリア「………!?」
ミロ「…アイオリア、どうした……?」
アイオリア「い、いや……(楓は一体何者なんだ…!?聖闘士なのか!?)」
~隣の部屋~
アフロディーテ「ムウ、寝る時もサングラスは装備したままなのかい?」
ムウ「えぇ…寝ている最中に外れるか心配ですが、極力常に装備したたままにします。忘れていたのですが…サングラスの付け替えは可能ですか?」
アフロディーテ「あぁ…自分の視界は普通に見えるけど周囲からは目が確認出来ない奴の事かい?」
ムウ「えぇ…慣れがあっても、場所によっては目星のマイナス補正が付きそうですし」
アフロディーテ「それぐらい、ロールが無くても良いよ?じゃあ始めようか」
ムウ「えぇ(…脱衣所でのイベントが関わる事でしょうかね?)」
☆ ☆ ☆
携帯のアラームが鳴り、ムウの意識は覚醒した。
「…?私は……」
(楓を寝かせたつもりが…自分も眠ってしまったようですね……)
自分の情けなさに溜め息をつきながら、ムウは身体を起こした。
だが、直ぐに違和感を感じる。
――楓が、いない。
「…!?楓……!?」
慌てて部屋を見回すと、楓は部屋の隅…カーテンから差し込む日の光が届かない場所に座り込んでいた。
恐らく、自分が寝ている間にベッドから出たのだろうが…何かをぶつぶつと呟いている。
☆ ☆ ☆
ムウ「…アフロディーテ、聞き耳は必要ですか?」
アフロディーテ「(小宇宙通信)…いや?近付けば何を言っているか分かるよ。その場で聞く場合は聞き耳を振ってもらうけど」
ムウ「…(これは…誘ってますね…危険ですが、此処は乗りましょうか)…では、音を立てないように楓に近付きます」
☆ ☆ ☆
ムウはベッドから出ると、静かに楓に近寄った。
「なにかいいたいことがあるの?こえがきこえないよ?」
暗い部屋の隅から、楓の声に反応するようにざわざわと『何か』が動く音がする。
「……!?」
そして、ムウはその『何か』を目の当たりにした。
一見すると、黒い虫が密集しているようにも見えるが、その表面はぬらぬらと黒い光沢を放っている
そして、その黒い虫から僅かに漂う腐臭は――日比谷公園で嗅いだ臭いと同じだった。
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「さぁムウ、SAN値チェック…って…大丈夫かい?」
ムウ「……名状しがたいゴキ○リですか、それは」
アフロディーテ「安心してムウ、ゴキ○リじゃないから」
ムウ「なら良かった」
アフロディーテ「(ゴキ○リじゃなかったら良いのか…)気を取り直して、成功で0、失敗で1のSAN値チェックだよ」
〈SAN値チェック〉
ムウ(75)→09(成功)
アフロディーテ「じゃあ減少は無しだね。どう行動するかな?」
ムウ「…嫌な想像しか出来ませんが、部屋の明かりを付けます」
アフロディーテ「了解…部屋の明かりを付けた所からロールプレイ再開しようか」
☆ ☆ ☆
ムウが部屋の明かりを付けた瞬間、部屋の角に密集していた黒い虫が一斉に散り散りに逃げていく。
その光景にムウは思わずその場で後ずさりをしてしまうが…黒い虫が跡形も無く消えた事を確認すると、僅かに漂う腐臭に顔を顰めながらも楓の元に向かう。
「楓……!?」
「…だれ?おかあさん?」
楓は振り向きムウの方を見上げるが、その目は閉じたままだ。
「くらくて…なにもみえないよ…おかあさん……」
☆ ☆ ☆
ムウ「虫が逃げるシーンでもSAN値チェック入ってもおかしくなさそうですが……」
アフロディーテ「流石に省略させてもらうよ……」
ムウ「(やはり…風呂場のあの描写に加えて…今回のこの描写…ほぼ確定ですね)……アフロディーテ、楓に近寄って瞼を持ち上げる事は可能ですか?」
アフロディーテ「…それなら、得にダイスはいらないかな」
☆ ☆ ☆
「……楓、私は此処です」
ムウは膝を付き、楓の目元にそっと触れる。
ゆっくりと瞼を持ち上げてやると、楓は数回瞬きをした。
「おかあさん…?そうか…わたし、めがあるんだったね」
「楓……」
驚きの表情を浮かべているムウを気に掛ける気配もなく、楓は無邪気な笑顔を浮かべムウに抱き付いた。
「おかあさん、おなかすいちゃった。ごはんなに?」
「……」
ムウは一瞬躊躇うが、楓を抱き上げるとその頭を優しく撫でながら、楓に笑みを向ける。
「…これからご飯を炊きましょうか。手伝ってくれます?」
「うん」
☆ ☆ ☆
アフロディーテ「じゃあ此処から合流といこうか」
ムウ「えぇ」
ムウ(楓の精神は恐らく…『目の見えない何か』が関与していると見て間違いないですね…精神が融合しているのか、ただ宿っているだけなのかは不明ですが……)
~ミロの部屋に合流~
カノン「戻って来たな、じゃあ俺はコンビニ行ってくるわ…その間に、アイオリアに渡したメモでも見ててくれ」
ミロ「分かった!!」
サガ「……アイオリア、一体何が書かれていたのだ?」
シュラ「先程から顔色が悪いが……?」
アイオリア「あ…あぁ……これを見てくれ、楓の資料だ」
・新山楓(にいやま かえで)
年齢は9歳
島根県で両親と暮らしている少女
石見銀山に父親と観光に来た際、整備されていない道へ一人で入りはぐれた模様
2日程前から、地元警察内で遭難事故として現在捜索されている
東京まで捜索の手配は届いていない
ムウ「……アイオリア、これは本当なのですか」
アイオリア「カノンが用意したメモだぞ……」
ミロ「島根ってどこ?(´・ω・`)」
アイオリア「さっき俺も聞いたら…このメモを渡された」
補足メモ(日本地図が添付されてます)
地図の赤丸の所が島根な、隣は鳥取っていうらしい(byカノン)
東京との直線距離、約602.3km
ミロ「何だ、大した距離では無いじゃないか」
カミュ「…あぁ…聖闘士ならばな」
サガ「……この距離を、少女が2日で移動したのだぞ」
アイオリア「聖闘士でない子供が、この距離を移動したんだぞ、ミロ」
ミロ「……((((;゜Д゜)))))))」
ムウ「やはり普通の少女ではなかったですね」
カミュ「ムウ、其方では何か起きたのか?」
ムウ「えぇ……情報の整理をしましょうか」
カミュ「そうだな」
~ちょっとだけおまけ~
カノン「(2日前っていうのは即興で作った設定だが…何とかなるだろ)あ、ポイントカードあります」
店員「あ、あ、あたたためますか?」
カノン「いえ、そのままで(…この店員どうしたのだ?)」
店員(い、イケメンだぁあああ何このイケメン外国人?どう見ても外国人ですよね日本語うますぎてワロタ\(^q^)/ワロ…タ……)
コンビニ店員(女性、アルバイト)を発狂させていたもようです