聖闘士達がクトゥルフ始めたようです
カノン「戻ったぞお前…ら……」
ミロ「やっぱり俺もマーシャルアーツ…あ、このシナリオは武道か。武道に振れば良かったな~」
アイオリア「ヘルメットの装甲を無視して人の頭が吹き飛ぶとは…マーシャルアーツ+キックとは恐ろしいな」
ムウ「アイオリア、私達も人の頭を潰したりするのは簡単に出来るでしょう」
シュラ「俺も人体切断出来るからな……」
カノン「お前等何見てんだよ」
サガ「ミロがおすすめのクトゥルフTRPGの動画を見せてくれたのだ」
カノン「脳筋はこれ以上必要無いです」
カノン「さて、シナリオ『白無垢の母』を始めるぞ」
ミロ「待ってました!!」
カミュ「やっと始まるな」
カノン「このシナリオを始めるにあたって、一つ重要な役割をムウに任せたい」
ムウ「私にですか?」
カノン「あぁ。ムウにはサングラスを装備してもらう。…本当はミュージシャンだからミロにお洒落サングサスを装備させようと思ったんだが……」
ミロ「え?」
ムウ「何故サングラスなのですか?」
カノン「詳しくは言えないが、誰か一人は必要なんだよ。前回、犯人にナイフで刺されて病院行きになっただろ?」
アフロディーテ「その際、流れで眼底検査を行った関係でサングラスを掛けなくてはならなくなった。といった感じだ」
ミロ「眼底検査って何やるの?」
カノン「言うと思ったからメモ用意してきた。お前はこれでも見てろ。それ以外の奴はこんな感じな(つメモ2つ)」
ムウ「…成る程、散瞳薬で瞳孔が広がっている状態だからサングラスが必要なのですね」
カノン「点眼しなくても検査出来るカメラがあるらしいが、今回はそれで行くぞ」
カミュ「ふむ…それなら、私の探索者が医者だから、刺されたムウに対してこの際だから徹底的に検査をするべきだと進言したのだろうな。同行は可能か?」
カノン「そうだな…夕方からスタートだから、仕事終わりって事で合流しても良いぞ」
シュラ「俺も同行は可能か?引ったくりに刺されたのだから心配しそうだが……」
カノン「ふむ…非番だったって事で許可しよう」
アイオリア「俺は最初から同行しそうだな」
サガ「私とミロはどうするか……」
カノン「ミロはアイオリアから連絡が来たからやって来るって感じがするが……」
サガ「それなら、ミロが私にムウが刺されたと言ってきそうだな。仕事で今まで忙しかったが、検査の帰りに様子見を兼ねて会いに行くだろう」
ムウ「玄武はどうしてます?」
アフロディーテ「玄武は事務所で留守番しているね」
ムウ「では、帰りに電話で検査が終わった事を連絡しておきましょうか」
カノン「了解。じゃあお前達、持ち物を決めてくれ」
~所持品書き込み中~
ミロ「決めてきたぞ!!」
カノン「あまりにも変な持ち物は却下するからな…いつものパターンで、ムウから頼む」
ムウ「これで大丈夫でしょうか?」
・携帯(スマホ2台)
・ポータブル充電器(2台)
・充電用ケーブル(2本)
・財布
・ハンカチとティッシュ
・メモ帳(ボールペンとセット)
・応急手当キット(絆創膏、傷薬、湿布、包帯、、ガーゼ、テープ)
・消毒用ウエットティッシュ
ムウ「プライベート用と仕事用で、スマホを2台持ちという設定で良いでしょうか?」
カノン「全然問題ない。むしろ普通で良かった」
ムウ(何を想像していたのでしょうか……)
カノン「ふーむ…応急手当のキットがあるからな…よし、道具を持っている時に応急手当に+10しても良いぞ」
ムウ「おや、良いのですか?」
カノン「あぁ。但し道具は消耗品だから……ボーナスは3回までにするぞ。道具を補給すればボーナスは復活するが」
ムウ「分かりました」
カノン「次はアイオリア、頼む」
アイオリア「あぁ」
アイオリア
・財布
・ハンカチ
・携帯(ガラケー)
・バンテージ用のテープ
アイオリア「これぐらいしか思い浮かばなかったが……」
カノン「問題ないな、これぐらいなら」
アイオリア「応急手当を行う時はムウから借りる形になるな」
カノン「なら、ボーナスは同じ扱いにするぞ。問題は次だが……」
ミロ「そんな目で俺を見るなよ」
ミロ
・音楽プレイヤー
・ボイスレコーダー
・財布
・携帯(スマホ)
・ポータブル充電器
・充電用コード
カノン「あ、割と普通」
ミロ「どういう意味だよ」
カノン「次カミュな」
ミロ「無視!?」
カミュ
・医療用PHS
・タブレット&ルーター
・応急手当キット(中身はムウと同じ)
・財布
・ハンカチ&ティッシュ
・消毒用ウエットティッシュ
・医学事典(電子辞書)
・ポータブル充電器
・充電用コード
カミュ「流石にメスは自重した」
カノン「自重してくれてありがとう……」
カミュ「電子辞書という形で医学事典を持っているのだが、医学にボーナスはあるか?」
カノン「ふむ…じゃあ、医学の判定に+10しようか」
カミュ「分かった」
カノン「次はシュラだな」
シュラ
・携帯(ガラケー)
・財布
・ハンカチ
・警察手帳
シュラ「俺もこれぐらいしか思いつかなかったんだが……」
カノン「シュラ拳銃振ってないからな……まぁ、良いだろう」
シュラ「警察手帳は何かボーナスがあるのか?」
カノン「ふむ……信用に+15しよう」
シュラ「分かった」
カノン「さぁ、最後は愚兄だ」
サガ「愚兄言うな愚弟…このような感じで良いのか?」
サガ
・財布
・携帯(スマホ)
・タブレット&ルーター
・ポータブル充電器(2台)
・充電用コード(2本)
・ハンカチ
・ティッシュ
・ノートPC
・LEDペンライト(2本)
・試験管(5本)
・空のシャーレ(5つ)
・使い捨て手袋
・ピンセット
ミロ「シャーレって何?」
カノン「ググってこい」
ミロ「(´・ω・`)」
カノン「そういやあ生物学と天文学って言ってたな……何かサンプル見つけた時に採取する為か?」
サガ「あぁ…持ってても良いのか分からないが」
カノン「まぁ、ゲームだからそこら辺は気にするな」
サガ「ペンライトはカミュが懐中電灯の代わりに持っていたら便利だと言ったから書いたのだが……」
カミュ「携帯のライトでも代用出来るが……ファンブルが起きた時の保険のようなものだ」
カノン(ちっ…カミュのリアルアイデアが高いな……)
ムウ「成る程…私もペンライトを追加しても良いですか?」
カノン「まぁ…追加しても良いぞ」
アフロディーテ「これで全員決まりかい?他に追加したい場合は言ってくれ」
ムウ「問題ないですね?」
サガ「あぁ」
ミロ「大丈夫だ、問題ない」
カノン「よし、じゃあ全員合流してムウが電話してる所から始めるぞ」
アフロディーテ「時期は夏の夕方、東京の日比谷公園からスタートだよ」
ミロ「……それって何処?」
カノン「……後で日本の地図見せるから、大人しくしてろ」
☆ ☆ ☆
季節は夏――
東京都千代田区、夕暮れに染まる日比谷公園――
そのベンチに腰掛け、サングラスを掛けているムウはスマホを取り出して電話を掛ける。
その相手は、助手の一人である玄武だ。
「もしもし?…えぇ…検査の結果、異常は特にありませんでした…えぇ、これからアイオリアと事務所に戻りますから、もう少しだけ留守番お願いしますね…それでは」
着信を切ったムウは、ふぅと溜め息をついた。
「大丈夫かムウ?」
「えぇ…ですが、今回の眼底検査は必要なかったのでは?」
ムウはそう言いながら、サングラスのフレームに触れる。
「頭から倒れた可能性があるのだろう?眼球や神経が傷ついている可能性が無きにしも非ず、という事だ。緑内障の早期発見にもなる」
「…カミュ、無きにしも非ずってどういう意味だ?」
ムウの横で、自動販売機で買った缶ジュースを飲んでいたミロが、カミュを見上げながら訊ねた。
「可能性が少しはある、という意味だ」
「成る程」
「私の授業でも、それぐらい積極的ならば良いんだがな」
「えー…そんな言い方無いでしょ教授」
サガの言葉に、ミロは頬を膨らませる。
「…すまない、俺も現場にいれば……」
一同から一歩引いた場所で、呟くようにそう言ったのはシュラだ。
「いや、俺が奴に気付くべきだったんだ…でなければムウがこんな事には……」
その横では、アイオリアが拳を強く握り締めている。
「貴方達が気にする事ではありませんよ?シュラ、アイオリア」
ムウは2人に優しく言葉を掛ける。
「周囲を警戒しなかった私にも非はありますから…それに、犯人は捕まえられたのですから、今はこれからの事を考えましょう?」
ムウが2人に微笑みかけたその時――
何処からか、少女の泣き声が聞こえた。
☆ ☆ ☆
ミロ「え、泣き声?」
カノン「あぁ、泣き声だ」
ムウ「カノン、周囲を見回して何か分かりますか?」
カノン「夕方で人がそんなに居ないって事が分かるだけだ。当然、少女の姿は無い」
サガ「視界の範囲外から泣き声が聞こえているのか……」
カミュ「ふむ……全員で聞き耳をしよう。その泣き声が何処から聞こえてくるのか特定するのだ」
シュラ「了解した」
カノン「じゃあ、全員聞き耳どうぞ」
〈聞き耳〉
ムウ(55)→33(成功)
アイオリア(85)→86(イチタリナイ)
ミロ(75)→95(ファンブル手前)
カミュ(25)→41(失敗)
シュラ(55)→75(失敗)
サガ(25)→24(成功)
カノン「まじかよ」
ムウ「まじです」
ミロ「あ、あぶ…あぶ……」
カミュ「妖怪イチタリナイが出たか、アイオリア」
アイオリア「よ、妖怪!?」
サガ「初期値で成功か」
アフロディーテ「技能に成功&初期値で成功したらチェックしておいて、シナリオが終了した時に成長ロールをするから」
ムウ「分かりました」
カノン「じゃあ、ロールプレイ続けてくれ」
☆ ☆ ☆
「……?何か聞こえませんか?」
「え?……確かに何か聞こえるけど、何だ?」
首を傾げるミロを後目に、ムウは立ち上がり歩み始める。
「…あっちからですね」
「ムウ、急いで転んだらどうする……先に行っている、シュラとアイオリアはムウを頼む」
「あ、あぁ」
「サガ、私も行く」
「お、俺も!!」
缶ジュースの残りを一気に飲み、空き缶をゴミ箱に放り込んだミロは、カミュとサガの後を追う。
「……?何だ、この臭い」
何かが腐ったような異臭を感じ、サガは眉間に皺を寄せる。
しかも、サガが向かおうとしている場所に近付くにつれ、異臭が強くなっているのだ。
やがて、サガが辿り着いた場所は……公園のマンホールだった。
☆ ☆ ☆
カミュ「……本当にマンホールから、なのか?」
アフロディーテ「人目のつかない場所にあるマンホールだね。そこから少女の泣き声と異臭がするよ」
サガ「…勝手にマンホールの蓋を持ち上げても良いのだろうか……」
カノン「3人も合流して良いぞ。さぁ、どうする?」
ミロ「やっぱり、中が気になるな」
アイオリア「蓋を持ち上げるにはどうすれば良い?」
ムウ「確認しないと始まらないから仕方ないですが……嫌な予感がしますね」
カノン「…ふむ…全員、目星を振れ」
シュラ「全員か」
ムウ「……カノン、私はサングラスを掛けているのですね?」
カノン「そうだ……あ」
ムウ「……目星の判定、大丈夫ですか?」
カノン「う、うーん……今回だけ-10して振ってくれ。散瞳薬の効果は今日中に無くなるわけだし、夕方とはいえ、今サングラスを外せるのはほんの一瞬だけとしよう」
ムウ「……今回だけ、という事は私はずっとサングラスを装備しなければならない理由があるのですね」
カノン「さ、さぁ振ってくれ」
〈目星〉
ムウ(75-10=65)→88(失敗)
アイオリア(45)→19(成功)
ミロ(25)→12(成功)
カミュ(55)→71(失敗)
シュラ(65)→87(失敗)
サガ(55)→96(ファンブル!!)
カノン「ファーーーwwwwwww」
サガ「何…だと……」
カミュ「カノンの嬉しそうな顔である」
ムウ「初ファンブル、ですか」
ミロ「え、どうなるのこれ?」
シュラ「ファンブルは決定的失敗だったな……?」
カノン「くくく…wwじ、じゃあこうするかな……www」
☆ ☆ ☆
「こんな所から泣き声が……しかし、何だ?この臭いは」
異臭を感じたアイオリアは、思わず顔を顰める。
「……どうやらこの異臭も、このマンホールからするようです」
ムウは腕を組みながら、マンホールを見下ろす。
「確かに此処から聞こえるが……」
サガが一歩踏み出したその時、
☆ ☆ ☆
カノン「バナナの皮を踏んでその場で派手に転倒したぞ」
ミロ「ぶっ!!」
ムウ「実際に想像したら物凄くシュールですよ、それ」
カノン「ファンブルだから仕方ないwwwダメージは1で良いぞwwwww」
サガ「おのれダイスの邪神め……!!必ず討伐してくれる!!」
カノン「ダイスの邪神は討伐できん、諦めろ。目星に失敗した連中はサガに気を取られていたって事にするか」
ムウ「……カノン、サガに応急手当は可能ですか?」
カノン「まぁ、今回はロール無しで成功させてやるwww湿布貼るだけだろうしなwwwサガの耐久は元通りだwwwwさて……成功者のアイオリアとミロの処理をしようか」
ミロ(あ……悪い顔してる)
アイオリア(これは…成功したら不味いのか……?)
☆ ☆ ☆
「さ、サガ!?大丈夫ですか!?」
目の前で派手に尻餅をついたサガの姿に、ムウは瞠目した。
「先程ムウに転んだらどうすると言ったばかりではないか……」
「言うな…カミュ……」
サガは耳まで真っ赤である。
「……教授、立てるか?」
サガはシュラの手を借り、よろめきながら立ち上がる。
「教授大丈夫かな……?」
ミロはサガを心配しつつも、再びマンホールに視線を向ける。
そして、気付いてしまった――
黒い塊が、マンホールの内側から蓋を持ち上げていた事に――
「……!?」
「……!!」
横から、アイオリアが息を呑む気配を感じる…彼も、自分と同じ『もの』を見たのだ。
その黒い塊に、不規則に並んだ複数の目玉を――
その目玉が一斉に、ミロとアイオリアをジロリと見つめていたのだ――
だが、……その黒い塊は、すぐにマンホールの中へと姿を消した。
僅かに、マンホールの蓋がずれている事が…あの黒い塊が現実に居たものだという事を、認めざるを得ない証拠となってしまったが……
☆ ☆ ☆
獅子&蠍「「……((((;゜Д゜)))))))」」
カノン「おめでとう、初SAN値チェックだ☆」
アフロディーテ「成功で0、失敗で1D3の喪失だよ」
〈SAN値チェク〉
アイオリア(75)→32(成功)
ミロ(60)→25(成功)
カノン「ちっ…2人共、減少無しだ」
ミロ「よ、良かった」
ムウ「……ですが、これは危ない気配しかしませんね」
カミュ「だが、中の確認をしなければ話が始らないからな……」
シュラ「……カノン、改めて聞くが、マンホールの蓋は持ち上げられるのか?」
カノン「今なら出来るぞ。マンホールの蓋のSIZ8と探索者のSTRで抵抗表ロールを行うぞ」
ムウ「そういえばチュートリアルで抵抗ロールの事を言ってましたね?」
カノン「まぁ…あの時は説明省いたが(能動能力値(攻撃側)-受動能力値(防御側))×5+50=目標値という計算で出すのが抵抗表ロールだ」
アフロディーテ「今回のロールには二人まで参加出来るよ?」
アイオリア「…流れで言えば、俺とミロが蓋を持ち上げようとするだろうな」
ミロ「だな……」
カノン「2人共STR15だがら、合計は30……自動成功だな。じゃあ、2人が蓋を持ち上げた所からロールプレイしてくれ」
☆ ☆ ☆
「っ…あ、アイオリア…今の…見たか……?」
「あ…あぁ……」
ミロがアイオリアに視線を向けると、青ざめたアイオリアが表情を強張らせていた。
「今の…い、いや、それより……」
「…あぁ…今ならあれを退かせられるな」
2人は互いに頷くと、マンホールの僅かな隙間に指を掛ける。
「…?アイオリア、ミロ?」
ムウが声を掛ける頃には、2人は難なくマンホールの蓋を開いていた。
蓋が開いた瞬間、少女の泣き声がはっきりと聞こえてきた。
「っ!?お、おい皆!!」
ミロに促され、マンホールの中を見たムウ達が目撃したのは……梯子に掴まり、泣きじゃくる一人の少女の姿だった。
☆ ☆ ☆
シュラ「本当にいたな……」
カミュ「どうやってマンホールの中に入ったのだ……」
ミロ「カノン、助け出すのに何かロールはいるか?」
カノン「普通に助けられるぞ」
ミロ「じゃあ俺がその子を引っ張り出す」
ムウ「ミロ、勝手な真似は……」
ミロ「だがなムウよ……」
カノン「まぁ、その子引っ張り出さないと何も始まらないからな」
ムウ「…仕方ありませんね」
カノン「じゃあ続きな」
☆ ☆ ☆
ミロがマンホールから少女を救出したが、少女は未だに泣きじゃくっている。
「お…おい、大丈夫か?」
「ぐす…ひっく」
「父親と母親は?いないのか?」
アイオリアの質問にも、少女は答えない。
「……一応、署に連絡を入れる。迷子かもしれないからな」
「頼みますよ、シュラ」
シュラが携帯を取り出す様子を確認し、ムウは静かに少女に歩み寄ると、しゃがんで目線を合わせる。
「怖がらなくても大丈夫ですよ?…貴方の名前を教えてくれませんか?」
少女は、ムウの姿を見るとピタリと泣き止んだ。
「……さん」
「……はい?」
少女は目を輝かせ、ムウに抱き付くと嬉しそうにこう言った。
「おかあさん!!」
☆ ☆ ☆
KP以外の全員『ファッ!?Σ(゜Д゜)』
カノン「ぶーwwwお前達その顔マジヤベェwww」
アフロディーテ「……カノン、やはりこのシナリオは不味かったのでは?」
カノン「何言ってんだ、この反応が見たかったからこのシナリオ選んだんだよwww」
ミロ「え、え!?まさか俺がお母さん呼ばわりされる可能性があったって事!?」
アイオリア「ムウの探索者は男だろう!?いつの間に子供が出来たんだ!?」
ムウ「落ち着きなさいアイオリア、私の探索者の子供ではありませんから……きっと」
シュラ「それ以前に男がお母さんとか……」
カミュ「………」
サガ「……カミュ?」
カミュ「ミロ達には反応せず唯一サングラスを掛けているムウを母親と認識しているという事は発狂して目に対する何かの恐怖症を発症したのか?いやそれなら父親と認識しても良い筈だ神話生物に性別の概念が無い奴は(ry」
サガ「か、カノン、カミュがおかしな事になっているぞ!?」
カノン「ちょ、誰がリアル神話技能を披露しろと言ったカミュぅうううう!?」
アフロディーテ「……前途多難とはこの事か」
ミロ「やっぱり俺もマーシャルアーツ…あ、このシナリオは武道か。武道に振れば良かったな~」
アイオリア「ヘルメットの装甲を無視して人の頭が吹き飛ぶとは…マーシャルアーツ+キックとは恐ろしいな」
ムウ「アイオリア、私達も人の頭を潰したりするのは簡単に出来るでしょう」
シュラ「俺も人体切断出来るからな……」
カノン「お前等何見てんだよ」
サガ「ミロがおすすめのクトゥルフTRPGの動画を見せてくれたのだ」
カノン「脳筋はこれ以上必要無いです」
カノン「さて、シナリオ『白無垢の母』を始めるぞ」
ミロ「待ってました!!」
カミュ「やっと始まるな」
カノン「このシナリオを始めるにあたって、一つ重要な役割をムウに任せたい」
ムウ「私にですか?」
カノン「あぁ。ムウにはサングラスを装備してもらう。…本当はミュージシャンだからミロにお洒落サングサスを装備させようと思ったんだが……」
ミロ「え?」
ムウ「何故サングラスなのですか?」
カノン「詳しくは言えないが、誰か一人は必要なんだよ。前回、犯人にナイフで刺されて病院行きになっただろ?」
アフロディーテ「その際、流れで眼底検査を行った関係でサングラスを掛けなくてはならなくなった。といった感じだ」
ミロ「眼底検査って何やるの?」
カノン「言うと思ったからメモ用意してきた。お前はこれでも見てろ。それ以外の奴はこんな感じな(つメモ2つ)」
ムウ「…成る程、散瞳薬で瞳孔が広がっている状態だからサングラスが必要なのですね」
カノン「点眼しなくても検査出来るカメラがあるらしいが、今回はそれで行くぞ」
カミュ「ふむ…それなら、私の探索者が医者だから、刺されたムウに対してこの際だから徹底的に検査をするべきだと進言したのだろうな。同行は可能か?」
カノン「そうだな…夕方からスタートだから、仕事終わりって事で合流しても良いぞ」
シュラ「俺も同行は可能か?引ったくりに刺されたのだから心配しそうだが……」
カノン「ふむ…非番だったって事で許可しよう」
アイオリア「俺は最初から同行しそうだな」
サガ「私とミロはどうするか……」
カノン「ミロはアイオリアから連絡が来たからやって来るって感じがするが……」
サガ「それなら、ミロが私にムウが刺されたと言ってきそうだな。仕事で今まで忙しかったが、検査の帰りに様子見を兼ねて会いに行くだろう」
ムウ「玄武はどうしてます?」
アフロディーテ「玄武は事務所で留守番しているね」
ムウ「では、帰りに電話で検査が終わった事を連絡しておきましょうか」
カノン「了解。じゃあお前達、持ち物を決めてくれ」
~所持品書き込み中~
ミロ「決めてきたぞ!!」
カノン「あまりにも変な持ち物は却下するからな…いつものパターンで、ムウから頼む」
ムウ「これで大丈夫でしょうか?」
・携帯(スマホ2台)
・ポータブル充電器(2台)
・充電用ケーブル(2本)
・財布
・ハンカチとティッシュ
・メモ帳(ボールペンとセット)
・応急手当キット(絆創膏、傷薬、湿布、包帯、、ガーゼ、テープ)
・消毒用ウエットティッシュ
ムウ「プライベート用と仕事用で、スマホを2台持ちという設定で良いでしょうか?」
カノン「全然問題ない。むしろ普通で良かった」
ムウ(何を想像していたのでしょうか……)
カノン「ふーむ…応急手当のキットがあるからな…よし、道具を持っている時に応急手当に+10しても良いぞ」
ムウ「おや、良いのですか?」
カノン「あぁ。但し道具は消耗品だから……ボーナスは3回までにするぞ。道具を補給すればボーナスは復活するが」
ムウ「分かりました」
カノン「次はアイオリア、頼む」
アイオリア「あぁ」
アイオリア
・財布
・ハンカチ
・携帯(ガラケー)
・バンテージ用のテープ
アイオリア「これぐらいしか思い浮かばなかったが……」
カノン「問題ないな、これぐらいなら」
アイオリア「応急手当を行う時はムウから借りる形になるな」
カノン「なら、ボーナスは同じ扱いにするぞ。問題は次だが……」
ミロ「そんな目で俺を見るなよ」
ミロ
・音楽プレイヤー
・ボイスレコーダー
・財布
・携帯(スマホ)
・ポータブル充電器
・充電用コード
カノン「あ、割と普通」
ミロ「どういう意味だよ」
カノン「次カミュな」
ミロ「無視!?」
カミュ
・医療用PHS
・タブレット&ルーター
・応急手当キット(中身はムウと同じ)
・財布
・ハンカチ&ティッシュ
・消毒用ウエットティッシュ
・医学事典(電子辞書)
・ポータブル充電器
・充電用コード
カミュ「流石にメスは自重した」
カノン「自重してくれてありがとう……」
カミュ「電子辞書という形で医学事典を持っているのだが、医学にボーナスはあるか?」
カノン「ふむ…じゃあ、医学の判定に+10しようか」
カミュ「分かった」
カノン「次はシュラだな」
シュラ
・携帯(ガラケー)
・財布
・ハンカチ
・警察手帳
シュラ「俺もこれぐらいしか思いつかなかったんだが……」
カノン「シュラ拳銃振ってないからな……まぁ、良いだろう」
シュラ「警察手帳は何かボーナスがあるのか?」
カノン「ふむ……信用に+15しよう」
シュラ「分かった」
カノン「さぁ、最後は愚兄だ」
サガ「愚兄言うな愚弟…このような感じで良いのか?」
サガ
・財布
・携帯(スマホ)
・タブレット&ルーター
・ポータブル充電器(2台)
・充電用コード(2本)
・ハンカチ
・ティッシュ
・ノートPC
・LEDペンライト(2本)
・試験管(5本)
・空のシャーレ(5つ)
・使い捨て手袋
・ピンセット
ミロ「シャーレって何?」
カノン「ググってこい」
ミロ「(´・ω・`)」
カノン「そういやあ生物学と天文学って言ってたな……何かサンプル見つけた時に採取する為か?」
サガ「あぁ…持ってても良いのか分からないが」
カノン「まぁ、ゲームだからそこら辺は気にするな」
サガ「ペンライトはカミュが懐中電灯の代わりに持っていたら便利だと言ったから書いたのだが……」
カミュ「携帯のライトでも代用出来るが……ファンブルが起きた時の保険のようなものだ」
カノン(ちっ…カミュのリアルアイデアが高いな……)
ムウ「成る程…私もペンライトを追加しても良いですか?」
カノン「まぁ…追加しても良いぞ」
アフロディーテ「これで全員決まりかい?他に追加したい場合は言ってくれ」
ムウ「問題ないですね?」
サガ「あぁ」
ミロ「大丈夫だ、問題ない」
カノン「よし、じゃあ全員合流してムウが電話してる所から始めるぞ」
アフロディーテ「時期は夏の夕方、東京の日比谷公園からスタートだよ」
ミロ「……それって何処?」
カノン「……後で日本の地図見せるから、大人しくしてろ」
☆ ☆ ☆
季節は夏――
東京都千代田区、夕暮れに染まる日比谷公園――
そのベンチに腰掛け、サングラスを掛けているムウはスマホを取り出して電話を掛ける。
その相手は、助手の一人である玄武だ。
「もしもし?…えぇ…検査の結果、異常は特にありませんでした…えぇ、これからアイオリアと事務所に戻りますから、もう少しだけ留守番お願いしますね…それでは」
着信を切ったムウは、ふぅと溜め息をついた。
「大丈夫かムウ?」
「えぇ…ですが、今回の眼底検査は必要なかったのでは?」
ムウはそう言いながら、サングラスのフレームに触れる。
「頭から倒れた可能性があるのだろう?眼球や神経が傷ついている可能性が無きにしも非ず、という事だ。緑内障の早期発見にもなる」
「…カミュ、無きにしも非ずってどういう意味だ?」
ムウの横で、自動販売機で買った缶ジュースを飲んでいたミロが、カミュを見上げながら訊ねた。
「可能性が少しはある、という意味だ」
「成る程」
「私の授業でも、それぐらい積極的ならば良いんだがな」
「えー…そんな言い方無いでしょ教授」
サガの言葉に、ミロは頬を膨らませる。
「…すまない、俺も現場にいれば……」
一同から一歩引いた場所で、呟くようにそう言ったのはシュラだ。
「いや、俺が奴に気付くべきだったんだ…でなければムウがこんな事には……」
その横では、アイオリアが拳を強く握り締めている。
「貴方達が気にする事ではありませんよ?シュラ、アイオリア」
ムウは2人に優しく言葉を掛ける。
「周囲を警戒しなかった私にも非はありますから…それに、犯人は捕まえられたのですから、今はこれからの事を考えましょう?」
ムウが2人に微笑みかけたその時――
何処からか、少女の泣き声が聞こえた。
☆ ☆ ☆
ミロ「え、泣き声?」
カノン「あぁ、泣き声だ」
ムウ「カノン、周囲を見回して何か分かりますか?」
カノン「夕方で人がそんなに居ないって事が分かるだけだ。当然、少女の姿は無い」
サガ「視界の範囲外から泣き声が聞こえているのか……」
カミュ「ふむ……全員で聞き耳をしよう。その泣き声が何処から聞こえてくるのか特定するのだ」
シュラ「了解した」
カノン「じゃあ、全員聞き耳どうぞ」
〈聞き耳〉
ムウ(55)→33(成功)
アイオリア(85)→86(イチタリナイ)
ミロ(75)→95(ファンブル手前)
カミュ(25)→41(失敗)
シュラ(55)→75(失敗)
サガ(25)→24(成功)
カノン「まじかよ」
ムウ「まじです」
ミロ「あ、あぶ…あぶ……」
カミュ「妖怪イチタリナイが出たか、アイオリア」
アイオリア「よ、妖怪!?」
サガ「初期値で成功か」
アフロディーテ「技能に成功&初期値で成功したらチェックしておいて、シナリオが終了した時に成長ロールをするから」
ムウ「分かりました」
カノン「じゃあ、ロールプレイ続けてくれ」
☆ ☆ ☆
「……?何か聞こえませんか?」
「え?……確かに何か聞こえるけど、何だ?」
首を傾げるミロを後目に、ムウは立ち上がり歩み始める。
「…あっちからですね」
「ムウ、急いで転んだらどうする……先に行っている、シュラとアイオリアはムウを頼む」
「あ、あぁ」
「サガ、私も行く」
「お、俺も!!」
缶ジュースの残りを一気に飲み、空き缶をゴミ箱に放り込んだミロは、カミュとサガの後を追う。
「……?何だ、この臭い」
何かが腐ったような異臭を感じ、サガは眉間に皺を寄せる。
しかも、サガが向かおうとしている場所に近付くにつれ、異臭が強くなっているのだ。
やがて、サガが辿り着いた場所は……公園のマンホールだった。
☆ ☆ ☆
カミュ「……本当にマンホールから、なのか?」
アフロディーテ「人目のつかない場所にあるマンホールだね。そこから少女の泣き声と異臭がするよ」
サガ「…勝手にマンホールの蓋を持ち上げても良いのだろうか……」
カノン「3人も合流して良いぞ。さぁ、どうする?」
ミロ「やっぱり、中が気になるな」
アイオリア「蓋を持ち上げるにはどうすれば良い?」
ムウ「確認しないと始まらないから仕方ないですが……嫌な予感がしますね」
カノン「…ふむ…全員、目星を振れ」
シュラ「全員か」
ムウ「……カノン、私はサングラスを掛けているのですね?」
カノン「そうだ……あ」
ムウ「……目星の判定、大丈夫ですか?」
カノン「う、うーん……今回だけ-10して振ってくれ。散瞳薬の効果は今日中に無くなるわけだし、夕方とはいえ、今サングラスを外せるのはほんの一瞬だけとしよう」
ムウ「……今回だけ、という事は私はずっとサングラスを装備しなければならない理由があるのですね」
カノン「さ、さぁ振ってくれ」
〈目星〉
ムウ(75-10=65)→88(失敗)
アイオリア(45)→19(成功)
ミロ(25)→12(成功)
カミュ(55)→71(失敗)
シュラ(65)→87(失敗)
サガ(55)→96(ファンブル!!)
カノン「ファーーーwwwwwww」
サガ「何…だと……」
カミュ「カノンの嬉しそうな顔である」
ムウ「初ファンブル、ですか」
ミロ「え、どうなるのこれ?」
シュラ「ファンブルは決定的失敗だったな……?」
カノン「くくく…wwじ、じゃあこうするかな……www」
☆ ☆ ☆
「こんな所から泣き声が……しかし、何だ?この臭いは」
異臭を感じたアイオリアは、思わず顔を顰める。
「……どうやらこの異臭も、このマンホールからするようです」
ムウは腕を組みながら、マンホールを見下ろす。
「確かに此処から聞こえるが……」
サガが一歩踏み出したその時、
☆ ☆ ☆
カノン「バナナの皮を踏んでその場で派手に転倒したぞ」
ミロ「ぶっ!!」
ムウ「実際に想像したら物凄くシュールですよ、それ」
カノン「ファンブルだから仕方ないwwwダメージは1で良いぞwwwww」
サガ「おのれダイスの邪神め……!!必ず討伐してくれる!!」
カノン「ダイスの邪神は討伐できん、諦めろ。目星に失敗した連中はサガに気を取られていたって事にするか」
ムウ「……カノン、サガに応急手当は可能ですか?」
カノン「まぁ、今回はロール無しで成功させてやるwww湿布貼るだけだろうしなwwwサガの耐久は元通りだwwwwさて……成功者のアイオリアとミロの処理をしようか」
ミロ(あ……悪い顔してる)
アイオリア(これは…成功したら不味いのか……?)
☆ ☆ ☆
「さ、サガ!?大丈夫ですか!?」
目の前で派手に尻餅をついたサガの姿に、ムウは瞠目した。
「先程ムウに転んだらどうすると言ったばかりではないか……」
「言うな…カミュ……」
サガは耳まで真っ赤である。
「……教授、立てるか?」
サガはシュラの手を借り、よろめきながら立ち上がる。
「教授大丈夫かな……?」
ミロはサガを心配しつつも、再びマンホールに視線を向ける。
そして、気付いてしまった――
黒い塊が、マンホールの内側から蓋を持ち上げていた事に――
「……!?」
「……!!」
横から、アイオリアが息を呑む気配を感じる…彼も、自分と同じ『もの』を見たのだ。
その黒い塊に、不規則に並んだ複数の目玉を――
その目玉が一斉に、ミロとアイオリアをジロリと見つめていたのだ――
だが、……その黒い塊は、すぐにマンホールの中へと姿を消した。
僅かに、マンホールの蓋がずれている事が…あの黒い塊が現実に居たものだという事を、認めざるを得ない証拠となってしまったが……
☆ ☆ ☆
獅子&蠍「「……((((;゜Д゜)))))))」」
カノン「おめでとう、初SAN値チェックだ☆」
アフロディーテ「成功で0、失敗で1D3の喪失だよ」
〈SAN値チェク〉
アイオリア(75)→32(成功)
ミロ(60)→25(成功)
カノン「ちっ…2人共、減少無しだ」
ミロ「よ、良かった」
ムウ「……ですが、これは危ない気配しかしませんね」
カミュ「だが、中の確認をしなければ話が始らないからな……」
シュラ「……カノン、改めて聞くが、マンホールの蓋は持ち上げられるのか?」
カノン「今なら出来るぞ。マンホールの蓋のSIZ8と探索者のSTRで抵抗表ロールを行うぞ」
ムウ「そういえばチュートリアルで抵抗ロールの事を言ってましたね?」
カノン「まぁ…あの時は説明省いたが(能動能力値(攻撃側)-受動能力値(防御側))×5+50=目標値という計算で出すのが抵抗表ロールだ」
アフロディーテ「今回のロールには二人まで参加出来るよ?」
アイオリア「…流れで言えば、俺とミロが蓋を持ち上げようとするだろうな」
ミロ「だな……」
カノン「2人共STR15だがら、合計は30……自動成功だな。じゃあ、2人が蓋を持ち上げた所からロールプレイしてくれ」
☆ ☆ ☆
「っ…あ、アイオリア…今の…見たか……?」
「あ…あぁ……」
ミロがアイオリアに視線を向けると、青ざめたアイオリアが表情を強張らせていた。
「今の…い、いや、それより……」
「…あぁ…今ならあれを退かせられるな」
2人は互いに頷くと、マンホールの僅かな隙間に指を掛ける。
「…?アイオリア、ミロ?」
ムウが声を掛ける頃には、2人は難なくマンホールの蓋を開いていた。
蓋が開いた瞬間、少女の泣き声がはっきりと聞こえてきた。
「っ!?お、おい皆!!」
ミロに促され、マンホールの中を見たムウ達が目撃したのは……梯子に掴まり、泣きじゃくる一人の少女の姿だった。
☆ ☆ ☆
シュラ「本当にいたな……」
カミュ「どうやってマンホールの中に入ったのだ……」
ミロ「カノン、助け出すのに何かロールはいるか?」
カノン「普通に助けられるぞ」
ミロ「じゃあ俺がその子を引っ張り出す」
ムウ「ミロ、勝手な真似は……」
ミロ「だがなムウよ……」
カノン「まぁ、その子引っ張り出さないと何も始まらないからな」
ムウ「…仕方ありませんね」
カノン「じゃあ続きな」
☆ ☆ ☆
ミロがマンホールから少女を救出したが、少女は未だに泣きじゃくっている。
「お…おい、大丈夫か?」
「ぐす…ひっく」
「父親と母親は?いないのか?」
アイオリアの質問にも、少女は答えない。
「……一応、署に連絡を入れる。迷子かもしれないからな」
「頼みますよ、シュラ」
シュラが携帯を取り出す様子を確認し、ムウは静かに少女に歩み寄ると、しゃがんで目線を合わせる。
「怖がらなくても大丈夫ですよ?…貴方の名前を教えてくれませんか?」
少女は、ムウの姿を見るとピタリと泣き止んだ。
「……さん」
「……はい?」
少女は目を輝かせ、ムウに抱き付くと嬉しそうにこう言った。
「おかあさん!!」
☆ ☆ ☆
KP以外の全員『ファッ!?Σ(゜Д゜)』
カノン「ぶーwwwお前達その顔マジヤベェwww」
アフロディーテ「……カノン、やはりこのシナリオは不味かったのでは?」
カノン「何言ってんだ、この反応が見たかったからこのシナリオ選んだんだよwww」
ミロ「え、え!?まさか俺がお母さん呼ばわりされる可能性があったって事!?」
アイオリア「ムウの探索者は男だろう!?いつの間に子供が出来たんだ!?」
ムウ「落ち着きなさいアイオリア、私の探索者の子供ではありませんから……きっと」
シュラ「それ以前に男がお母さんとか……」
カミュ「………」
サガ「……カミュ?」
カミュ「ミロ達には反応せず唯一サングラスを掛けているムウを母親と認識しているという事は発狂して目に対する何かの恐怖症を発症したのか?いやそれなら父親と認識しても良い筈だ神話生物に性別の概念が無い奴は(ry」
サガ「か、カノン、カミュがおかしな事になっているぞ!?」
カノン「ちょ、誰がリアル神話技能を披露しろと言ったカミュぅうううう!?」
アフロディーテ「……前途多難とはこの事か」