聖闘士達がクトゥルフ始めたようです
シュラ「?アフロディーテは何処だ?」
カノン「あぁ、今回色々説明で長くなりそうだから、終わるまでシナリオを隣の部屋で読んで流れを把握してもらっている」
シュラ「説明…前回言っていたチュートリアルか」
カノン「それもあるが……ちょっとだけ時間をもらえないか?」
サガ「何だ愚弟?」
カノン「俺達のカラーリングについて改めて説明する」
ムウ「物凄く今更ですね」
カノン「文句は作者に言ってくれ…因みに、此処の会話はpixivで掲載してるのと一部変えてるからな」
サガ「惰弱な作者め……」
カミュ「早く説明して本編を始めよう」
カノン「あぁ…取り敢えず、カミュとミロが原作カラー、俺とサガ、アフロディーテとムウがアニメカラーだ。」
シュラ「俺は一応原作カラーだ……まぁ、黒髪だがな」
アイオリア「一番の問題は俺だ……エピGカラーと言われて思い浮かぶ奴いるのか?」
カノン「作者は赤毛リア、もしくはツンデリアと呼んでいるな」
アイオリア「前者はともかく後者はどういう意味だ」
サガ「どうでも良い情報だな」
カノン「ついでだ、探索者のカラーリングも変えるか」
カミュ「?それは私とミロがアニメカラーになる、という事か?」
カノン「そんな感じだな…だがシュラはさほど変わらないか…そうだ、眼鏡でも掛けるか。伊達眼鏡だ」
シュラ「正確にはアニメは緑がかった色だが…眼鏡……?それはG.Aの俺ではないか」
カノン「良いじゃないか。眼鏡シュラかっこよかったぞ?アフロディーテも似合ってるって言ってたし」
シュラ「そ…そうか」
サガ「では私とムウが原作カラーか……」
カノン「ムウも眼鏡掛けるか?」
ムウ「…どうせ映画で掛けてますし…お好きなようにしてください(溜め息)」
アイオリア「……カノン、俺はどうすれば良い?」
カノン「エピGカラーが赤毛(染めてるだけで地毛は金髪)の緑目(初期は碧眼だったり)だからな……金髪碧眼にするか」
カミュ「では…こうなる訳か」
PLムウ(紫髪緑目)→探索者ムウ(金髪緑目、眼鏡装着)
PLアイオリア(赤毛緑目)→探索者アイオリア(金髪碧眼)
PLミロ(金髪紫目)→探索者ミロ(青髪緑目)
PLカミュ(赤髪赤目)→探索者カミュ(青髪青目)
PLシュラ(黒髪黒目)→探索者シュラ(黒髪黒目、眼鏡装着)
PLサガ(青髪青目→)探索者サガ(金髪碧眼)
カノン「中々凄い色合いだな」
ムウ「仕方ないじゃないですか…決めたのは貴方でしょうに」
カノン「まぁそうだがな……今回は、ムウとアイオリアの探偵二人に戦闘をやってもらうぞ」
ムウ「やっとチュートリアル開始ですね」
カノン「そうだ。あとムウ、お前の事務所にもう一人助手が追加した」
ムウ「えらく唐突ですね」
カノン「作者が別シナリオで出そうとしてる補助NPCの戦力を試したいんだと。名前も一応決めている」
ムウ「ステータスはどのような感じです?」
カノン「これだ(つキャラシ)」
ムウ「………」
サガ「……カノン、ムウが頭を抱えているぞ」
カノン「まぁそうなるな」
ムウ「助手に脳筋が二人もいるなんてどういう探偵なんですか私」
カミュ「あっ…(察し)」
アイオリア「……こぶしとキック両方なんて、俺より強いんじゃないか?コイツ(横から覗き)」
シュラ「あっ…(察し)」
ムウ「彼の苗字は?」
カノン「まぁ…適当で良いか。お前達にも見せるぞ」
柊玄武(23 男)
職業:探偵の助手(技能はスポーツ選手)
出身日本
STR16 CON14 SIZ15
DEX13 APP15 INT11
EDU11 POW17
SAN85 幸運85 アイデア55 知識55
耐久15 DB:+1D4
・職業技能
応急手当60
回避86
跳躍45
投擲45
武道71
こぶし70
・個人技能
キック75
目星85
サガ「此処でΩのキャラを投入してきたか」
シュラ「何故跳躍なんだ」
カノン「やろうとしてるシナリオが跳躍を使うかもしれないから…なんだと」
ムウ「目星があるのがせめてもの救いですが……図書館とかが初期値じゃないですか」
カノン「文句は作った作者に言え」
ミロ「苗字は檜山じゃないのか?」
カノン「それを言ったらお前の苗字を池田か関か浅野にするぞ」
ミロ「ごめんなさい」
カノン「取り敢えず…お前達のチュートリアルのイベント内容を説明するぞ」
ムウ「分かりました」
カノン「最近ある通りで引ったくりが多発していて、依頼を受けて調査を開始する。なんやかんやで犯人を挟み撃ちにして追いつめるが、隠し持ってた武器で襲い掛かってくるぞ」
アイオリア「なんやかんやって何だ?」
カノン「なんやかんやはなんやかんやだ。ルルブのNPCのステータスを適当に選んだらDEX14になった」
アイオリア「結構速くないか?」
カノン「だから挟み撃ちにしたんだよ…犯人を挟み撃ちにした所からロールプレイをしてもらうぞ。NPCの操作は基本俺がやるからな。あと、これが状況のメモだ」
ムウ「ふむ…玄武はどういった状態です?」
カノン「犯人を通せんぼしてる状態だな。戦闘に参加できなくもないが、その場合は相手が攻撃の回避に成功したらそのまま逃げれる状態になるぞ」
ムウ「実質、私達でやるしかないという事ですね」
カノン「アイオリアがいるから大丈夫だろ。…あ、ロールプレイとの区別は文章が会話形式じゃなくなるのと『☆(これ)』を並べて区切るからな。じゃあ始めるぞー」
☆ ☆ ☆
薄暗い路地裏を、一人の男が疾走する。
男の表情は焦りの色に染まり、小脇に抱えている鞄を離すまいとしっかり抱き締めていた。
「逃げられるとでも思っていたか?」
「だ、誰だ!?」
その男の行く手を遮るように、一人の男性―玄武が立ちはだかった。
「悪いが、この先にいる仲間ならとっくに警察行きだ」
「な……!?」
「盗難車を使って犯行に及ぶとは…随分と大胆な事をするのですね?」
その声に、男が慌てて振り返った。
そこには、二人の男性がいた。
「逃げ足だけは速いんだな……覚悟は良いか?」
そう言いながら歩み寄って来る男性―アイオリアは、バンテージを拳に巻き、すぐに応戦可能な状態だ。
「出来れば無傷で警察に届けたいのです……大人しく捕まってもらえませんか?」
その男性から一歩下がった位置で、腕を組みながら眼鏡を掛けた男性―ムウが静かに男を見ながら言う。
「ふ、ふざけるな!!こんな所で捕まってたまるかよ!!」
男はポケットからナイフを取り出し、三人に向けて威嚇をする。
☆ ☆ ☆
カノン「どうでも良い事だが、玄武は所長のムウには敬語で話すぞ。後、命令も基本聞く」
カミュ「…肉盾……」
カノン「だから待ってカミュ」
シュラ「…俺もこの調査に協力しているのか?」
カノン「まぁな。名前借りてるだけだが…じゃあ、戦闘開始といくぞ」
ミロ「カノン~…俺もダイス振りたい……」
カノン「大人しくしてろ……と言いたいんだが、ここでハウスルールの説明だ。行動はDEX順で決まるが、DEXが同じ奴がいる場合、1D100を振って少ない数字が出た方が先に行動するぞ」
ムウ「…成る程、アイオリアと犯人のDEXが同じですね」
カノン「ついでに言うとムウと玄武もな。玄武のは俺は振るから、犯人はミロが振ってくれ」
ミロ「よっしゃ!!」
カノン「(そろそろ黙らせたかったからな…)1D100の判定は10面ダイスを2つ使って行うぞ」
カミュ「……このダイス、カノンが用意したのだったな?」
カノン「そうだぞ?」
カミュ「非常に冒涜的な模様が描かれているのだが?」
カノン「何、気にするな。エルダーサインは0だからな」
サガ「ダイスが色違いだが、何か意味があるのか?」
カノン「同時に振った時に10の位と1の位を分かりやすくする為だ。そうだな…今回は白ダイスを10の位にしようか。他の奴もダイスを振る時はこれで頼む」
シュラ「分かった」
カノン「さぁ、記念すべき初ロールだ」
ムウ「では早速……」
行動順を決める判定(1D100)
ムウ→57
カノン(玄武)→46
アイオリア→32
ミロ(犯人)→81
カノン「以上を踏まえて……行動順はアイオリア→犯人→玄武→ムウになるな」
ミロ「アイオリアに殺される未来しかないな」
カノン「人を殺した場合は殺人罪で逮捕だからな」
アイオリア「!!?」
ムウ「殺さなければ良いだけですよ」
アイオリア「そ、そういうものなのか……」
カノン「なぶり殺しか……戦闘のハウスルールざっくり行くぞ。アイオリア、お前は武道持ちだから、こぶしと武道の組み合わせロールが出来るぞ。その場合、1D100低いこぶしの70と同じかそれ以下の数値が出れば両方成功って事になる」
アイオリア「70以上だが武道の81以下が出た場合はどうするんだ?」
カノン「普通に攻撃が失敗するな。因みに、作者の身内卓では別々でロールを行っているらしい」
シュラ「どうでも良いな」
カノン「それと…アイオリアとシュラ、お前達は武道が60以上あるからラッシュとフェイントが使えるぞ」
ミロ「お、ラッシュ来たこれ」
アイオリア「そんなに凄い事なのか?」
カノン「簡単に言うとラッシュは連続攻撃だ。一回目の攻撃が相手に当たった時に宣言して使用出来る。追加攻撃は武道でしか回避出来ないからな」
カミュ「キックでラッシュをすれば……いや、もはや何も言うまい」
カノン「言わなくて良いからなカミュ…次にフェイントだな。言葉通り、1回目の攻撃は相手が必ず回避するが2回目は必ず当てられる。ただし、武道で1回目のフェイントを見破れば自動的に2回目も不発になる。ラッシュとフェイントは同時に使用出来ないぞ。あと、フェイントはノックアウトと併用出来るが、ラッシュは併用出来ないからな。これはルルブ準拠だ」
サガ「ノックアウトとは何だ?」
カノン「ダメージロール後に、相手の残り体力と抵抗表で競って成功したら相手が気絶するんだよ。ノックアウトに成功したらダメージは3分の1(端数切捨て)になるが相手は気絶する、失敗したらどうなるか……分かるな?」
シュラ「想像したくないな……」
カノン「次に回避と武道による受け流しだ」
アイオリア「何が違うんだ?」
カノン「回避はそのままの意味だが、この卓では受け流しは接近戦でしか使えないものとするぞ。例えば犯人が今持ってるナイフは受け流し可能、拳銃で発砲されたら回避しか出来ない…といった感じだな」
アイオリア「全ての接近攻撃が受け流せるのか?」
カノン「悪いが、これはルルブ準拠だ。組み付きは組み付きでしか受け流せないぞ」
カミュ「2010のルルブには、1ラウンドに攻撃と受け流しを1回行う事が出来るとあるが?」
カノン「これもハウスルールだ。回避と受け流しの回数の制限は無いぞ。ぶっちゃけると、このシナリオは戦闘する機会が少なめになる」
カミュ「了解した」
カノン「後は…部位狙いか?頭部狙いは技能値から-30の値でロールしてもらうが、ダメージが+1D6されるぞ」
ムウ「…武道と合わせると…もう一般人では無いですよね?」
カノン「言うなムウ……腕や足を狙う場合は技能値が-15、ダメージ上乗せは無いが、武器を持った相手の場合は…基本はDEXだが、場合によって俺がロール内容を判断する」
アイオリア「これは…今回の戦闘で使えるな」
カノン「それと庇う、だな……武道持ちがアイオリアとシュラしかいないが、一応言っておくか。味方が接近戦で攻撃された時にDEX×5の判定に成功したら、その攻撃に割りこめるぞ」
カミュ「肉盾か」
カノン「その言い方はやめて……ただし、庇うに成功した場合、受け流しでしか攻撃が避けられないからな。庇うは1ターンに1人2回までとするぞ」
ムウ「受け流し判定なのは接近戦だから、ですか?」
カノン「そういう事だ。攻撃をわざと受けるという選択肢もあるぞ」
ミロ「誰が選ぶんだよそれ……」
カノン「後は…武器を持ってる奴はいないから武器を使った受け流しはスルーするか…最後に、一番重要なクリティカルとファンブルを説明するぞ」
カミュ「スペジャルは無いのか?」
カノン「あぁ、この二つだけだ。戦闘以外の技能判定でも使用するからな。出目が01~05がクリティカル、探索中だと色々サービスして情報出すし、戦闘だと相手の回避不能やダメージ2倍…まぁ、物凄く有利な状況になるって事だな。96~00はファンブル、その場でこけてダメージ入ったり不利な状況になるぞ」
ムウ「成る程……」
カノン「これで一通り説明したかな…何か忘れていたら思い出した時に言う」
サガ「またいい加減な……」
カノン「へいへい…さ、アイオリア、お前からだぞ?」
アイオリア「相手の耐久は?」
カノン「それは秘密だ」
アイオリア「むぅう……仕方ない、武道とこぶしで腕を狙おう。まずは武器を落とす」
カノン「じゃあこぶしから15を引いて55だな」
アイオリア「結構低くなったか……仕方ないな」
〈武道+こぶし(腕狙い)〉
81、70-15=55→14(成功)
カノン「!?Σ(・□・;)」
アイオリア「よし、成功か」
カノン「(ころころ)…回避失敗したからダメージロールと……幸運どうぞ」
アイオリア「2D3と1D4の合計だったな…?…カノン、3面ダイスは無いのか」
カノン「お前はそれも言っておかなきゃならんかったな。1D3ってのは6面ダイスを使うんだ。1と2が出たら1、3と4が出たら2、5と6が出たら3だ。他のもこんな感じでするぞ」
アイオリア「よし……」
〈ダメージロール〉
1+1+4=6
〈幸運〉
75→09(成功)
カノン「期待させといてダメボ最大値とか…幸運も成功しやがるし…(これの耐久14だから…8か)」
アイオリア「幸運の判定は何だ?」
カノン「あぁ、相手が武器を落としたか判定させてもらった…結果は成功だから相手は武器を手放したな…次は犯人だが…(ころころ)アイオリア、お前に殴り掛かろうとするが、そのこぶしは空を切ったな」
ムウ「失敗ですか」
カノン「色々失敗した…あ、ナイフは玄武が拾ったからな。次、ムウ」
ムウ「私は戦闘技能取ってないのですが……カノン、目星で相手の耐久が分かる事は出来ますか?」
カノン「ふむ…良いだろう」
〈目星〉
75→88(失敗)
ムウ「失敗ですか……」
カノン「(すげー安心した…)じゃあ、2ターン目でアイオリア」
アイオリア「武道とこぶしで…先程のノックアウトをしたい」
カノン「おう…じゃあ、ロールどうぞ」
〈武道+こぶしによるノックアウト〉
81、70→24(成功)
カノン「(ころころ)……ダメージどうぞ」
ムウ(回避失敗ですか……)
〈ダメージロール〉
3+2+3=8
アイオリア「よし、これで抵抗表というので競うのだったな……カノン?」
カノン「…………」
ミロ「頭抱えてるな」
カノン「……アイオリア、1D100を振れ」
アイオリア「?分かった」
〈???〉
???→41
アイオリア「これで何が起きるんだ?」
カノン「おめでとう、犯人はアイオリアの一撃を受けて見事気絶した」
アイオリア「……え?」
カノン「ノックアウト成功だから相手の耐久が2減るな」
アイオリア「か、カノン…まさか…先程のロールは……?」
カノン「察しが良いな……相手の残り耐久は8、ダメージも8、50以下が出なければお前は人を殺していたぞ」
アイオリア「((((;゜Д゜)))))))」
カノン「(このままでは終われないな…仕方ない、ちょっと2010のルルブから強めのNPCを引っ張って…(ころころ))……げ」
ムウ「……どうかしましたかカノン?」
カノン「(こんな所でクリティカルだと!?)え、えー(ころころころころ)……」
サガ「…どうした愚弟、何やらダイスをかなり振っているが」
カノン「先に謝っておく。すまない、ムウ」
ムウ「……え?」
カノン「取り敢えずロールプレイ宜しく」
ムウ「ちょっと、カノン?」
☆ ☆ ☆
「以外とあっけなかったな」
肩慣らしにもならない、とアイオリアは男を見下ろしながら言った。
「後はコイツを警察に届ければ、引ったくり犯は全員捕まるんですね?」
「それは分からないですよ?この男がリーダーとは限りませんし、似たような犯行をする奴が現れるとも限りません…ですが、暫くは落ち着くでしょう」
そう言って笑みを浮かべるムウに、玄武は「…そうですね」と頷くと、男を担いだ。
男との戦闘が終了した事により、二人も玄武の後に続こうと歩き出す。
しかし―背後から忍び寄る気配に、誰も気づけなかった―
☆ ☆ ☆
ムウ「カノン、もう嫌な予感しかしないのですが」
カノン「恨むならダイスの邪神を恨め。忍び歩きが01クリティカルだったんだよ」
カミュ「何をどうしたらそうなるのだ」
カノン「…そうだな…ムウ、一応聞き耳頼む……攻撃の回避は出来ないが、背中からぐさってのは俺の目覚めが悪い」
ムウ「成功すれば、の話ですよね……」
〈聞き耳〉
55→04(クリティカル!!)
カノン「まじかよ」
ミロ「初クリティカルかよ」
ムウ「ダイスが荒ぶってますね……ですが、回避は出来ないのでしょう?」
カノン「まぁそうだが……アイオリア、クリティカルだし相手回避しないから、何かやりたかったらどうぞ」
アイオリア「その相手に武道とこぶしでノックアウトだ」
〈武道+こぶしによるノックアウト〉
81、70→18(成功)
カミュ「流石はアイオリアだな」
カノン「クリティカルのおまけだ……ノックアウトも自動成功するから、ダメージ振ってくれ」
カミュ「随分と優しいな」
カノン「こっちが与えたダメージがあれだからな……」
〈ダメージロール〉
2+3+3=8
アイオリア「本当はラッシュにしたかったが我慢した」
カノン「それ相手死んでる……じゃあ、ロールプレイな」
☆ ☆ ☆
引ったくりの犯人を連れて去ろうとしたその時――ムウは背後から『何か』が空を切る音を微かに聞いた。
「――!?」
振り返り、ムウが目にしたのは、路地裏の薄暗いに閃く刃の光――
「……?」
アイオリアは、何かが地面に倒れる音を聞き、背後を振り返る。
「ムウ、どうかした――」
アイオリアの碧眼が、大きく見開かれる。
「は…はは、ざまあ見ろ!!」
そこには、血に塗れたファイティング・ナイフを片手に、狂喜の表情を浮かべる男と――地面に倒れているムウの姿があった。
「所長!?」
男の存在に気付いた玄武が声を荒げるが、ムウはぴくりとも動かない。
「き…さまぁああ!!」
怒りに身を任せた、アイオリアの拳が男の脇腹に鋭くめり込む。
数メートル吹き飛ばされた男は、壁に身体を打ち付けてそのまま気絶した。
「玄武、シュラに連絡しろ!!俺は救急車を!!」
「わ、分かった!!」
☆ ☆ ☆
ムウ「……カノン、私はいくつ耐久が減ったのです」
カノン「聞いて驚け、ダメージは8、耐久は残り2で意識不明だ」
ムウ「ダイスの邪神は討伐出来るのでしょうか?」
ミロ「ムウの小宇宙が荒ぶっている!?」
カノン「落ち着けムウ、ダイスの邪神は一体倒しても何体も湧いて出てくるから無駄だ……」
カミュ「チュートリアルのつもりがとんでもない事になったな」
カノン「全くだ(涙)」
ムウ「全くです」
カノン「まぁ……これで何となく分かったか?」
アイオリア「あぁ、何となくは」
カノン「次からシナリオ開始だ……はぁ」
ムウ「私はどうなってしまうのです?」
カノン「安心しろ、病院に運ばれて治療してもらったから。犯人もシュラ達が連行してったぞ」
カミュ「開幕から病院行きか……」
カノン「安心しろ、ムウはちゃんと退院した設定にするから……ちょっとアフロディーテと話し合ってくる」
カミュ「……カノンのリアルSAN値が下がっているな」
カノン「アフロディーテ、シナリオの流れは把握出来たか?」
アフロディーテ「あ、あぁ……だが、カノン、本当にこれをやるのか?」
カノン「あぁ、本当はミロをこのポジションにする予定だったが……さっきのチュートリアルで(かくかくしかじか)…となってしまってな…ミロじゃなくてムウに変更だ」
アフロディーテ「ふむ……ま、まぁ、ムウの方が違和感無いだろうし、良いんじゃないかな……?」