ワイトデッキでダメージ9999オーバー! vsデスフェニ
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シルバーランクの対戦など、インタビューもそこそこに対戦フィールドから追い出されてしまう。だから、顔色悪く膝から崩れ落ちた対戦相手がその後どうなったか、私は知る由もない。
事務所のソファーにどかっと座り、帰りがけコンビニで買ってきたビール缶を開ける。
「ああ〜〜うま〜〜〜い」
「なぁに事務所で酒飲んでんじゃ!」
怒り心頭で入ってきた事務所社長に缶を奪われる。
「私のおビールさま!」
「帰ってから飲め!」
私の缶ビールは社長の後ろに控えていた事務員が持っていってしまった。ちゃんと冷蔵庫に入れておいてくれるかな、などと心配していたら、私のタブレットから事務所内チャットのピコンという通知音がした。
『本日の決闘がネットニュースになっていました。目を通しておいて下さい』
「お! 社長、私が記事に取り上げられたみたいですよ」
怒ってる社長に別の話題を振りたくて、ためらいなくチャットで案内されたリンクへ飛ぶ。
記事のタイトルは『宣言! 今後すべて9999オーバーダメージで勝利!』
「ん? んん? んんん?」
なぜ、ネット記事に社長と私の約束内容が漏れている? あと今後すべてとは?
「ああ、あいつちゃんと記事にしてくれたみたいね」
私のタブレットを覗き込みながら社長がふんふんとうなずく。
「え、これどういう意味で」
嫌な予感しかしない。
「文字通りよ。あんたが今後もワイトでやっていきたいなら、これくらいのパフォーマンスは必要でしょ? まあ、負けたらその瞬間引退だから、気軽にね~」
言ってる意味が全くわかない。
「は? ちょっと!? 社長!?」
「これくらい大げさに言わないとネット記事にすら拾ってもらえないのよあんたは!」
どう考えても無理な条件を私に無断で宣言したくせに、全く後悔していない様子だ。
首の皮一枚繋がっていたはずの私のプロデュエリスト人生、やっぱ無理そう。
「まあまあ、デュエリストなら対戦前から諦めなさんな!」
自社のデュエリストが少しでも注目を浴びたのが嬉しいのか、社長が私の背中をバシバシ叩く。……よく見ると社長の顔が少し赤い。
「社長は、あなたのデュエルが恐ろしくて見ていられないとアルコールを少しずつ口にしながらご覧になっていたのです」
私のビール缶をどこかへやってきた事務員さんが教えてくれた。
「はあ!? 人には事務所で飲むなとか言っておいて自分は仕事中に!?」
ニコニコニコニコ、表情を見れば今の社長に説教しても無駄だとわかる。
「最後あなたが勝ったとき、大喜びでグラスをあおったんです。おそらくインタビュー中もアルコールは回っていたでしょう」
つまり、この大言壮語は酔っ払った社長のせいなのか。
「は、はぁ~……?」
今日の対戦相手ではないが、膝の力が抜けて腰からへたりこんでしまった。
「まあ頑張ってください。事務所一同応援はしていますよ」
「それって応援しかしてくれないって意味だよね」
ぺこり、と事務員さんは表情も変えずお辞儀をして出ていった。
「私のプロデュエリスト人生、どうなっちゃうの……」
とりあえず、ビールを飲み直そう。それか、もっと度数の強い酒を買ってきてもいい。デッキとか対戦相手とか、そういうのを考えるのは明日以降にしよう。
どちらにせよ、今日なんとか勝ったおかげで、私はまだプロなのだから。
終
事務所のソファーにどかっと座り、帰りがけコンビニで買ってきたビール缶を開ける。
「ああ〜〜うま〜〜〜い」
「なぁに事務所で酒飲んでんじゃ!」
怒り心頭で入ってきた事務所社長に缶を奪われる。
「私のおビールさま!」
「帰ってから飲め!」
私の缶ビールは社長の後ろに控えていた事務員が持っていってしまった。ちゃんと冷蔵庫に入れておいてくれるかな、などと心配していたら、私のタブレットから事務所内チャットのピコンという通知音がした。
『本日の決闘がネットニュースになっていました。目を通しておいて下さい』
「お! 社長、私が記事に取り上げられたみたいですよ」
怒ってる社長に別の話題を振りたくて、ためらいなくチャットで案内されたリンクへ飛ぶ。
記事のタイトルは『宣言! 今後すべて9999オーバーダメージで勝利!』
「ん? んん? んんん?」
なぜ、ネット記事に社長と私の約束内容が漏れている? あと今後すべてとは?
「ああ、あいつちゃんと記事にしてくれたみたいね」
私のタブレットを覗き込みながら社長がふんふんとうなずく。
「え、これどういう意味で」
嫌な予感しかしない。
「文字通りよ。あんたが今後もワイトでやっていきたいなら、これくらいのパフォーマンスは必要でしょ? まあ、負けたらその瞬間引退だから、気軽にね~」
言ってる意味が全くわかない。
「は? ちょっと!? 社長!?」
「これくらい大げさに言わないとネット記事にすら拾ってもらえないのよあんたは!」
どう考えても無理な条件を私に無断で宣言したくせに、全く後悔していない様子だ。
首の皮一枚繋がっていたはずの私のプロデュエリスト人生、やっぱ無理そう。
「まあまあ、デュエリストなら対戦前から諦めなさんな!」
自社のデュエリストが少しでも注目を浴びたのが嬉しいのか、社長が私の背中をバシバシ叩く。……よく見ると社長の顔が少し赤い。
「社長は、あなたのデュエルが恐ろしくて見ていられないとアルコールを少しずつ口にしながらご覧になっていたのです」
私のビール缶をどこかへやってきた事務員さんが教えてくれた。
「はあ!? 人には事務所で飲むなとか言っておいて自分は仕事中に!?」
ニコニコニコニコ、表情を見れば今の社長に説教しても無駄だとわかる。
「最後あなたが勝ったとき、大喜びでグラスをあおったんです。おそらくインタビュー中もアルコールは回っていたでしょう」
つまり、この大言壮語は酔っ払った社長のせいなのか。
「は、はぁ~……?」
今日の対戦相手ではないが、膝の力が抜けて腰からへたりこんでしまった。
「まあ頑張ってください。事務所一同応援はしていますよ」
「それって応援しかしてくれないって意味だよね」
ぺこり、と事務員さんは表情も変えずお辞儀をして出ていった。
「私のプロデュエリスト人生、どうなっちゃうの……」
とりあえず、ビールを飲み直そう。それか、もっと度数の強い酒を買ってきてもいい。デッキとか対戦相手とか、そういうのを考えるのは明日以降にしよう。
どちらにせよ、今日なんとか勝ったおかげで、私はまだプロなのだから。
終
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