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コント組はめげない

「凄く素朴な質問するんだが」
「ダメです」
「いや、ほんとに」
「え?一回黙ることってできないんですか??」

こんにちは、隠の後藤です。
今日は珍しく蝶屋敷に呼ばれたと思いきや、買い物の荷物係を頼まれました。
頼んだのは蟲柱様ではなく、その継子の栗花落カナヲ様だ。
え?
なんで??
そいうわけで、アオイさんの隣で野菜が入った買い物籠を持って歩いています。

隠はパシリと間違えてるのではないのか?

「別に、パシリに使おうとかじゃないですからね」
「? じゃなんだ?」
「話すと長くなるんですが...」
「いいよ、聞いてやるから」
「ありがとうございます」

アオイさんによると、この前同じように買い物をしていた時に下心のある男性に触られそうになった(その時はカナヲ様は助けてくれた)らしい。
それだけではなく、いわばナンパされたり(同じくカナヲ様が助けてくれた)とたまに災難な目にあう。
話を聞いていて思ったが、
何故カナヲ様が必ず駆けつけて助けてきて貰えるんだ?
少し、あたりをキョロキョロ見渡してみる。

うぅん、いないな。

しかし、蟲柱様の継子だ。
これくらいのことはお茶の子さいさいだろう。

...あれ、これストーカーじゃね?
うぅん...。

「どうかなさいました?」
「え、いや。なんでも」
「まぁ、要するに、後藤さんはボディーガードみたいなものです」
「さっきの話聞く限りでは、男性絡みのものだぞ?こういうのは女性の隠に...」
「まぁ...」

そこで、アオイさんは考えた。

あまり、説明されてないのか?
...あぁ、遠慮して断られるのかもしれないからか。
俺も一緒に考えてやる、と言って俺もなんでかを考えた。

「あれか。男性の方が力が強いから守りやすいということか」
「それ、思いました。でも、後藤さんなのがちょっと疑問ですね」
「たしかに、ちょっと気になる...。え?俺だったの嫌だったのか」
「いえ、そういうのではないです。後藤さんは友人です」
「あぁ、なら良かった」

嫌われるのこと思った
良かった
俺は嫌われていない。

そういう話交わすと、近くに団子屋があったのでそこに寄ることにした。
アオイさんは自分の分と蝶屋敷の皆の分を頼み、俺は自分のと尾崎の分を頼んだ。
そして

「さっきの、ちょっと分かった気がするぞ」
「なんですか?」
「隠の中でアオイさんと親しいのは俺だけ...だからとか」
「あぁ..」
「それで、さっきの話を聞いて思ったのだが、アオイさんがああいう風に酷い目に会うたび、カナヲ様はアオイさんを心配していると思う」
「うん...」
「そこで、アオイさんにボディーガードをつけてみようと思い、隠の中で誰が良いのかを考えた」
「それで、私と親しい後藤さんが良かったと」
「おう、しかも俺は彼女持ちだからより安心して頼めるということだ」
「親しいのもあって、守ってくれると思っているのかな」
「多分そうだろうな」
「...別にそこまでしなくても良かったのに...」
「変な勘違いするなよ?過保護とかじゃなくて、アオイさんを一番に見てるからのことだと思う。立場が逆だったら、と一回考えてみろ」

つまり、今カナヲ様はどこでこの会話を見ているはず。
アオイさんに男のボディーガードを初めてつけるというのに、見守らないわけがない。
別に、見られてるからって仲が良いですよアピールするつもりはないけど

「確かに、私だったら同じことするかもしれないです」
「だろ?分かってやりな」
「なんだか私いつも守られてばかりな気がします」
「守るのが仕事だからな...いや仕事っていう言い方はダメだ」
「?」
「やらなきゃいけないことだからだな。大切な人を守れなかったら、そこで失格だからだ」
「なんだか、カナヲに重い荷物を背負わせてる気がします...」
「そう思うのは当たり前だが、その前に感謝をしろ」

そこで、俺はお互いが手に持った団子を一個も食っていないなと気付き慌てて一つ食べると

「まず...そうだな、感謝をしてからお返しとして自分のできることをしたらどうだ??申し訳ないなと思うだけで何も変わらないし、してやった側もあまり良い気持ちにはならないから」
「ありがとうございます。後藤さん」
「よく出来ました」

そう言って団子を食べて、いつもみたいに漫才のような会話を交わして帰って行った。その道中

「あ、あと私後藤さんに騙されたのを覚えていますからね?」
「え?」
「いちご味のカステラの件です」
「あっ」

to be continued
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